アンケート調査

【全国106人調査】起立性調節障害は“朝起きられない”だけじゃない―当事者の9割以上が朝以外の「つらさ」を実感

起立性調節障害(OD)は、一般的に「朝起きられない病気」というイメージが強く持たれています。しかし、当事者やその保護者からは、朝の起きづらさだけでなく、日中に続く立ちくらみや頭痛、激しい倦怠感によって社会生活に支障をきたしているという切実な声が多く寄せられています。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、当事者およびその保護者106名を対象に「朝以外の症状に関する実態調査」を実施。その結果、約9割の当事者が朝の起床時以外、授業中や通勤・通学中にも苦痛を感じていることが判明。さらに半数以上が「周囲に理解されていない」と孤独感を抱えている実態が浮き彫りになりました。

調査背景

起立性調節障害は、自律神経の調節機能が乱れることで、立ち上がった際に血圧が維持できず、脳血流が低下する疾患です。午前中に症状が強く出る傾向がありますが、実際には午後になっても体調が回復しなかったり、特定の場面で急激に悪化したりするなど、症状は一日を通して多岐にわたります。本調査は、世間に浸透している「朝だけの問題」という誤解を解き、日中も続く「見えない症状」のリアルを可視化することで、当事者がより過ごしやすい社会環境や支援のあり方を模索するために実施しました。

調査サマリー

  • 「朝以外」も続く多様な症状:立ちくらみ・めまい(20.6%)、倦怠感・だるさ(20.3%)が二大症状
  • 社会生活への大きな影響:症状を最もつらいと感じる場面は「授業・業務中」と「移動中」で約7割(67.9%)
  • 深まる孤独感:周囲に「あまり/ほとんど理解されていない」と感じている層は半数を超える(51.9%)
  • 周囲からの心無い言葉:約3割が「気のせいだ」「怠けている」という否定的反応を経験
  • 切実な要望:最も求められているのは「体調不良時に休ませてもらえる環境」と「無理しなくていいという声かけ」

※ 本調査結果を引用する場合は、「一般社団法人 起立性調節障害改善協会」のURL(https://odod.or.jp/)を記載してください。

詳細データ

Q1:「朝起きられない」以外に経験した症状を教えてください

「朝起きられない」以外に経験した症状を教えてください
  • 立ちくらみ・めまい:20.6%
  • 倦怠感・だるさ:20.3%
  • 頭痛:13.5%
  • 集中力の低下:10.3%
  • 午後になっても体調が戻らない:6.9%
  • その他:28.4%(動悸:6.6%、夜眠れない:6.0%、長時間立っていられない:5.2% など)

→ 朝の覚醒後も、脳血流の不安定さからくる「めまい」や、全身に力が入らないような「だるさ」が続くケースが多いことがわかります。これらは外見からは判断しづらいため、本人の苦痛が伝わりにくい要因となっています。

Q2:朝以外の症状が最もつらいと感じる場面を教えてください

朝以外の症状が最もつらいと感じる場面を教えてください
  • 学校・職場での授業中や業務中:37.7%
  • 通学・通勤の移動中:30.2%
  • 特定の場面はなく常につらい:9.4%
  • 朝以外はそれほどつらくない:8.5%
  • 家の中での立ち作業:7.5%
  • その他:6.7%

→ 症状のピークが「集団生活」や「移動」という社会活動の核心部分と重なっています。「朝さえ起きれば大丈夫」というわけではなく、日中の活動そのものが当事者にとって大きな壁となっている現実が示されました。

Q3:朝以外の症状について、周囲に理解されていると感じますか?

朝以外の症状について、周囲に理解されていると感じますか?
  • あまり理解されていない:40.6%
  • ある程度は理解されている:32.1%
  • 周囲に症状を伝えていない:14.2%
  • ほとんど理解されていない:11.3%
  • 十分に理解されている:1.8%

→ 半数以上の当事者が「理解不足」を感じており、「十分に理解されている」と感じているのはわずか1.9%でした。日中の症状は“波”があるため、元気に見える時間帯があることが、かえって「本当は元気なのでは?」という誤解を招く要因になっていると推察されます。

Q4:朝以外の症状について、周囲からどのような反応を受けたことがありますか?

朝以外の症状について、周囲からどのような反応を受けたことがありますか?
  • 体調を気遣ってもらえた:26.6%
  • 特に何も言われない・気づかれていない:24.2%
  • 気のせいだと言われた:18.0%
  • 症状を隠しているので反応はない:15.6%
  • 怠けていると言われた:14.1%
  • その他:1.5%

→ 気遣いの声がある一方で、約32%が「気のせい」「怠けている」といった否定的な反応を受け止めています。身体的な不調であるにもかかわらず「気持ちの問題」として片付けられてしまうことは、当事者にとって大きな心理的負担となりかねません。

Q5:朝以外の症状について、周囲に対応してほしいことを教えてください

朝以外の症状について、周囲に対応してほしいことを教えてください
  • 体調が悪いときに休ませてもらえる環境:22.6%
  • 「無理しなくていい」という声かけ:18.4%
  • 体調に波があることを前提に接してくれること:15.2%
  • 周囲が症状の特性を事前に理解してくれること:14.3%
  • 症状が出たときに保健室等で休める体制:11.5%
  • その他:18.0%

→ 特別な優遇ではなく、「つらい時は休んでもいい」という心理的安全性の確保が最も強く求められています。また、日によって、あるいは時間によって体調が変わる「波」への理解が、当事者の安心感に直結することがわかります。

調査結果のまとめ

今回の調査により、起立性調節障害(OD)が「朝だけの問題」ではなく、日中の社会活動全般にわたる深刻な課題であることが鮮明になりました。当事者は授業や業務といった重要な場面で、めまいや倦怠感と闘いながら、同時に「周囲の誤解」という精神的な重圧にもさらされています。「怠けている」というレッテルを恐れて無理を重ね、症状を悪化させてしまう悪循環を断ち切るためには、社会全体がこの疾患の「24時間のリアル」を知り、柔軟に休息を取れる環境を整えることが不可欠です。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

◆代表理事(竹田 浩一)のコメント

OD協会_代表理事_竹田氏

起立性調節障害(OD)の子どもたちや社会人にとって、朝を乗り越えた後の「日中の時間」こそが、周囲とのギャップに最も苦しむ時間帯です。身体が思うように動かない中で必死に活動しようとする彼らに必要なのは、「なぜできないのか」という追及ではなく、「今は休んでいいよ」という肯定的な受容です。自律神経の不調は、本人の努力でコントロールできるものではありません。今回の調査結果にあるように、体調に波があることを前提とした接し方や、いざという時に駆け込める保健室・休憩室の存在など、ハード・ソフト両面での「包括的な支援」が広まることを切に願います。

調査概要

有効回答数:106名

調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会

調査期間:2026年3月16日〜2026年3月21日

調査対象:起立性調節障害と診断された方、またはその保護者

調査方法:インターネットによるアンケート調査

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-アンケート調査