起立性調節障害(大人)

大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

2023年9月2日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

起立性調整障害は中学生前後の子供に多い病気ですが、交感神経と副交感神経のバランスの問題ですので、大人にも同じ症状を認めます。

大人の場合は、起立性調節障害に分類された色々なタイプのタイプ名が病名として用いられることが一般的です。

メカニズムや症状は類似するので、どのような病気かを理解し、自分の辛い症状が起立性調節障害に当てはまるのか、悪化の原因と対処法などを解説していきます。

 

大人の起立性調節障害の治療法(詳細)はこちら

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害における大人のセルフチェック項目|診断テスト

私たちは自律神経系である交感神経、副交感神経の両方がうまくバランスを取り合うことで生命維持に必要な機能調整がなされています。

交感神経は心拍数や呼吸数、血圧を上昇させるなどの働きがあり、副交感神経は心拍数や呼吸数、血圧を下げるなどの働きがあります。

交感神経は“闘争態勢”の神経、副交感神経は“リラックスモード”の神経と理解するとわかりやすいです。

はっきりした原因はわかっていませんが、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで以下のような様々な症状が出現します。

一般的に私たちは起立しても、血圧が下がることはなく、脳への血流不足もありません。なぜなら、立ち上がろうとする際に、交感神経の働きが強まるからです。

しかし、交感神経と副交感神経のバランスが崩れている起立性調節障害の方は、交感神経の働きが強まらず、脳への血流が低下し、立ちくらみや気分不良、失神など様々な症状が出現します。

  • 立ちくらみ、めまい
  • 起立時の気分不良や失神
  • 入浴時やストレスがかかるなど嫌なことで気分不良
  • 動悸、息切れ
  • 朝起きることが困難で、午前中が特に調子が悪い
  • 顔色が悪い、青白い
  • 食欲不振
  • 頭痛
  • 腹痛(前兆なくへその周りが痛い)
  • 倦怠感あるいは疲れやすい
  • 乗り物で酔いやすい

上記11項目のうち、3つ以上該当すると起立性調節障害の疑いがあります。2つ該当していても、症状が強ければ起立性調節障害が疑われる可能性があります。

下記記事では、大人の起立性調節障害の治し方を解説していますので、ぜひ参考にされてください。

関連記事:【大人の起立性調節障害】治し方・薬の副作用や市販薬を解説

 

目からウロコの無料小冊子と動画を配布しています。

当サイトを運営している一般社団法人起立性調節障害改善協会が起立性調節障害の改善について世界でスタンダードな改善法や、副作用もなく根本解決に向けてご家庭で取り組める内容を小冊子と動画で解説した資料を作成しました。

PDFと動画でお送りするので、スマホやパソコンですぐにご覧いただけます。

冊子と動画のダウンロードは無料です。
メールアドレスをフォームにご記入ください。

「睡眠リズム改善ガイドブック」を無料で読んでみる

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害の症状が悪化する原因

起立性調節障害の症状が悪化する原因

起立性調節障害は自律神経の調整不良の問題でしたが、相対的に副交感神経の働きが強まり、脳への血流が低下することで症状が出現するため、副交感神経の働きを強めることや体を循環する血液量を低下させることで症状を助長し、悪化させます。

<自律神経の調整不良>

  • ストレス
  • ホルモンバランスの乱れ

<副交感神経作用の増強>

  • 春~夏の暑い季節、熱中症
  • 曇りや雨などの低気圧

<循環血液量の低下>

  • 脱水
  • 良性、悪性腫瘍による見えない出血

また、インフルエンザなどのウイルス感染後に発症するケースもあります。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

悪化するとどんなリスクがあるのか

昼夜が逆転し、朝全く起き上がることができず、一日中自宅で過ごすことが増え、脳血流低下に伴い思考力や集中力が低下することもあります。

進学や出勤など社会活動にも支障をきたし、引きこもりがちになる可能性もあります。

更に悪化すると、一日中ベッドで過ごし、活動量が減ることで筋力低下、骨粗しょう症、呼吸機能の低下など重篤な状態になることも考えられます。

また、起立性調節障害は何かしらの別の病気が隠れている場合もあり、その場合は治療が遅れることで状態が悪化することもあります。

改善するためには

改善するためには

貧血、心臓の病気、てんかんなどの脳や神経の病気、甲状腺などのホルモンの病気の除外を必ずした上で、まずは、起立性調節障害の診断を受けることが重要です。

診断を受けることで周りから理解されない辛い症状は自分の弱さではなく、自律神経の病気であることがわかります。

起床時は、すぐに起き上がらず、頭を下に向けたままゆっくりと起き上がり少しの間座位を保ち、少しずつ離床することが推奨されています。

起床後は窓を開け、光を入れ、なるべく規則正しい生活、食生活を心掛けましょう。

知らないうちにストレスが溜り、体にも負担がかかっていることがあるので、定期的に気分転換、リフレッシュをしてください。

また、脱水は悪化の原因になるため、こまめな水分摂取(1.5~2.0L)も忘れずに行いましょう。

下記記事では、大人の起立性調節障害の治し方を詳細に解説していますので、ぜひご覧ください。

下記記事では、「大人の起立性調節障害は何科を受診するべきか」について解説します。

 

 

【参考文献】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性オンラインセミナー

トトノエライトプレーン

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害(大人)
-,