起立性調節障害は中学生前後の思春期の子供に多い病気ですが
- 大人になっても症状がみられるのか?
- 大人になってから起立性調節障害にかかることはあるのか?
などの疑問について解説していきたいと思います。
大人も起立性調節障害になるの?
起立性調節障害は自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、起床時や起立時にめまいや立ちくらみ、朝の起きづらさなどがみられる病気です。
体が急激に成長し、ホルモンバランスも大きく変化する小学校高学年から高校生前後の思春期の子供に多い病気です。
重症度にもよりますが、治療により基本的には数か月で自律神経の機能は回復していきます。軽症であれば、特に治療をしないまま自然に改善していくケースもあります。
しかし、重症の場合は回復までに時間を要し、場合によっては大人になるまで症状が持ち越されるケースもあります。子供の頃に患い、一旦症状が改善していたものの、大人になり生活環境の変化、ストレスなどにより症状が再燃することもあります。
また、大人になり初めて症状が出現することもあります。大人になってから初めて症状が出現した場合には、必ず医療機関を受診し、背景に別の疾患が隠れていないかを確認することが重要です。
自己判断で起立性調節障害だと思っていても、実は、脳・神経の病気、不整脈、貧血、内分泌の病気などが関係している場合があります。
子供の頃に患い、大人になって再発する可能性
子供の頃に発症し、日常生活を送る中で症状が気にならない程度にまで改善していても、何らかのきっかけで症状が再燃することもあります。
特に注意が必要な状況としては、生活環境が変化する一人暮らしを始める時、就職した時、結婚・妊娠・出産した時などが挙げられます。
症状が回復していても、無理をせず、適切に身体的・精神的な休養をとり、自己管理を継続することが重要です。
起立性調節障害をそのままにしていたらいつか治るの?
起立性調節障害を治療せずにいると、日常生活に支障をきたし、最悪の場合、引きこもりがちになり、社会活動も制限されかねません。
軽症であれば、特に治療をしなくても自然に改善することもありますが、適切に症状に対する治療を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。
一般的に、薬物治療・非薬物治療を行うことで、数か月で症状が改善していき、気持ちも楽になっていきます。ですので、症状がみられた場合には放置せずに医療機関を受診し、適切に治療を行いましょう。
以下の記事では、起立性調節障害のセルフチェック(大人)について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
下記記事では、「大人の起立性調節障害の治し方・薬の副作用や市販薬」を解説していますので、ぜひご覧ください。
【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)