起立性調節障害とは

中学生で乗り物酔いが続く原因とは?対処法・考えられる病気を解説

2025年6月8日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

中学生になると、学校行事や部活動、塾などで、バスや電車を利用する機会が増えます。その一方で、移動のたびに吐き気やめまい、頭痛などが現れ、乗り物に乗ることを不安に感じる子どももいます。

乗り物酔いには、目から入る情報と内耳が感じる揺れのずれに加えて、睡眠不足や疲労、不安などが関係することがあります。また、乗り物に乗っていないときにも症状がある場合は、ほかの体調不良が隠れていないか確認することも大切です。

この記事では、中学生の乗り物酔いがひどくなる原因や日常生活でできる対策、医療機関に相談したい症状について解説します。


乗り物酔いに加えて、朝の起きづらさや立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが続く場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。

朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

中学生で乗り物がひどいのはなぜ?原因とは?

中学生の乗り物酔いには、乗り物の揺れによる感覚情報のずれや体調、不安などが関係しています。ここでは、主な原因を5つ解説します。

自律神経の反応

乗り物の揺れによって目や内耳から入る情報にずれが生じると、自律神経が反応し、吐き気や冷や汗、顔色の悪さなどが現れることがあります。

睡眠不足や疲労、体調不良、ストレスなどがある日は、普段より乗り物酔いが起こりやすくなる場合があります。

視覚と内耳が感じる情報のズレ

乗り物酔いは、目から入る情報と、内耳や体が感じる揺れの情報にずれが生じることで起こると考えられています。

たとえば、走行中に本やスマートフォンを見ていると、目は動いていない対象を見ている一方で、内耳は乗り物の揺れを感じます。こうした感覚情報のずれによって、吐き気やめまいなどが現れることがあります。

乗車中は進行方向を向き、遠くの景色を見るなど、視線を安定させる工夫をしましょう。

心理的な不安や緊張

過去に乗り物酔いでつらい経験をしていると、「また気分が悪くなるかもしれない」という不安によって、乗車前から吐き気や緊張を感じることがあります。

気分が悪くなったらすぐに伝えてよいことや、途中で休憩できることを事前に確認し、安心して乗れる環境を整えましょう。音楽を聴く、目を閉じて休むなど、本人が落ち着ける方法を試すことも選択肢です。

空腹・満腹など食事のタイミング

乗り物に乗る前の食事内容やタイミングも大きな影響を与えます。空腹のまま乗ると血糖値が下がり、酔いやすくなることがあります。

一方で、油っこいものや甘すぎるものをたくさん食べてから乗ると、胃が重くなり気持ち悪くなる原因になります。中学生は食事に無頓着なことも多いため、乗車前は軽めで消化のよいものを食べるよう心がけることが大切です。水分の摂りすぎにも注意しましょう。

睡眠不足や疲労

睡眠不足や疲労、体調不良がある日は、普段より乗り物酔いが起こりやすくなることがあります。

遠足や旅行などで早朝に出発する場合は、前日の就寝時間が遅くなっていないか確認しましょう。発熱や強い頭痛など、乗り物酔い以外の症状がある場合は、無理に乗車させず体調を確認することも大切です。

中学生で乗り物酔いがひどい場合の対処法とは?

中学生の乗り物酔いを予防・軽減するために、乗車中の過ごし方や体調管理、酔い止め薬の使用方法を確認しておきましょう。ここでは、主な対処法を3つ解説します。

乗り方や座る位置を工夫する

乗り物酔いを防ぐには、座る位置や姿勢がとても重要です。車の場合は前の座席、バスなら前方、電車なら進行方向を向いた座席に座ると揺れを感じにくくなります。

また、遠くの景色や進行方向を見るようにすることで、目と体の感覚のズレが少なくなり、酔いにくくなります。窓を少し開けて新鮮な空気を取り入れたり、音楽を聞いてリラックスするのも効果的です。読書やスマホは控え、なるべく頭を動かさず静かに過ごすのがポイントです。

事前の体調管理と食事の工夫

乗り物に乗る前は、体調を整えておくことが大切です。前日はしっかり睡眠をとり、朝食は軽く消化の良いものをとるとよいでしょう。空腹すぎても満腹すぎても酔いやすくなるため、適度な食事が効果的です。

油っこい食べ物や甘いお菓子、炭酸飲料は避け、できれば出発1時間前には食事を済ませておきましょう。水分補給も大切ですが、一度に大量に飲むのは控えましょう。体調を万全にしておくことで、酔いにくい体を作ることができます。

薬の活用や医師への相談

どうしても乗り物酔いがつらい場合は、市販の酔い止め薬を活用するのも一つの方法です。中学生でも服用できる年齢に達していることが多く、年齢に合った薬を選ぶことで症状をやわらげることができます。服用のタイミングは「乗る30分前」が基本です。

また、薬を飲んでも効果が薄い、頻繁に吐いてしまうなどの症状がある場合は、小児科や耳鼻科で一度相談してみましょう。身体的な問題や自律神経の不調が隠れている可能性もあります。

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中学生で乗り物酔いがひどい場合に考えられる病気とは?

乗り物酔いを頻繁に繰り返す場合や、乗り物に乗っていないときにもめまいや吐き気がある場合は、耳の働きや片頭痛などが関係していることもあります。ここでは、乗り物酔いに似た症状を引き起こす主な病気や体の状態を3つ解説します。

前庭機能障害

耳の奥にある「前庭」は、体のバランスを保つ働きをしています。この前庭に何らかの機能異常があると、少しの揺れでも過敏に反応し、強い乗り物酔いを起こすことがあります。

子どもは成長過程で前庭機能が不安定な場合もあり、一時的に症状が出ることもありますが、あまりにも日常生活に支障をきたす場合は耳鼻科での検査が必要です。バランス感覚の訓練や内服薬で症状が改善することもありますので、早めの対応が大切です。

自律神経の働きが関係している場合

睡眠不足や疲労、ストレス、体調不良などによって、自律神経の反応が乗り物酔いの症状に影響することがあります。

乗り物酔いだけでなく、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、腹痛、倦怠感などを繰り返す場合は、症状が起こる時間帯や状況を記録し、小児科などの医療機関に相談しましょう。

乗り物に乗っていないときにも吐き気がある場合や、朝の起きづらさ、立ちくらみ、頭痛などを伴う場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。

起立性調節障害で吐き気が起こる場合の原因や対処法については、下記の記事も参考にしてください。

片頭痛

中学生で頻繁に乗り物酔いをする場合、小児型の片頭痛が隠れていることもあります。片頭痛の前兆として、車酔いのような吐き気やめまいが出るケースがあり、特に母親や家族に片頭痛持ちがいる場合は遺伝の可能性もあります。

発作的な強い頭痛を伴うことが特徴ですが、頭痛がなくても「前兆」だけで終わることもあります。小児科や頭痛外来で相談することで、適切な治療や予防薬の使用が検討されます。早めの受診が安心です。

もしかしたら起立性調節障害かも

中学生の乗り物酔いには、乗り物の揺れや視覚情報とのずれ、睡眠不足、不安など、さまざまな要因が関係します。乗り物に乗っていないときにもめまいや吐き気がある場合や、症状によって学校生活に支障が出ている場合は、医療機関に相談しましょう。

また、乗り物酔いに加えて、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、腹痛、倦怠感などが続く場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。

気になる症状がある場合は、下記のセルフチェックも参考にし、症状が続くときは小児科などの医療機関で相談しましょう。

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