起立性調節障害とは

起立性調節障害の「吐き気」|気持ち悪い原因や対応方法を紹介

2022年2月10日

この記事の監修者

医師 星野綾美

医師 星野 綾美

五百山クリニック院長
内科
保有資格:医学博士(総合医療学)

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

「起立性の吐き気で食べられない動けない・・・」

そんな思いを自分の子供に抱いたことのあるお母さんは少なくないと思います。

起立性調節障害(OD)の子供には様々な症状が出ますが、そのうちの一つに起床後や日中の吐き気、気分不快や嘔気、食思不振が挙げられます。

単純に朝が弱いわけではなく、ODはホルモン分泌のバランスによる立派な病気です。病気である以上改善策や治療法もあります。

そこで本記事では親御さんが安心できるように嘔気に対する治療法や原因を紹介します。

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吐き気の原因

ODの子供における吐き気の主な原因は腸内環境が悪い事が挙げられます。

腸内環境と吐き気の関係についてご存知でしょうか?
実は、腸内環境は消化だけでなく、全身の健康や精神状態にも
大きな影響を与える重要な要素です。

腸内には多くの細菌が存在し、これらがバランスを保つことで健康が維持されます。
しかし、ストレスや不適切な食事、抗生物質の使用などで腸内のバランスが崩れると
悪玉菌が増殖し、体に悪影響を及ぼすことがあります。その一つが吐き気です。

吐き気は、腸内環境の乱れから来ることが多く
特に悪玉菌が優勢になると腸の働きが低下し
消化不良やガスの発生、さらには腸内での毒素生成が促進されます。
これが脳に影響を及ぼし、吐き気を引き起こすことがあります。
腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれるネットワークでつながっており
腸の状態が脳の機能や感情に影響を与えることが知られています。

このような症状を改善するためには、腸内環境を整えることが重要です。
そのために有効なのが乳酸菌の摂取です。
乳酸菌は善玉菌の一種であり、腸内で増殖することで悪玉菌の増殖を抑え、腸内のバランスを整える働きがあります。
ただし、起立性調節障害で吐き気の症状が出ている場合は
ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品などでは改善に繋がる
質と量の乳酸菌の摂取は難しいでしょう。

やり方としてはサプリメントとして乳酸菌を摂取することが有効です。
その場合、乳酸菌の量ではなく、質が大事になります。

どの乳酸菌サプリでも起立性調節障害の人の
腸内環境を整え、吐き気を抑えるというわけではありません。

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吐き気に関する事例

起立性調節障害の吐き気についてもう一つは脳への血流の低下があります。
つまり起床後に起き上がることで引き起こる脳の血流低下が食欲低下や嘔気を招いています。

では、実際にどういった状況で症状が出やすいのか。下記のような事例が挙げられます。

睡眠中はたくさんの汗をかきますので、起床時はやや脱水傾向にあります。その結果低血圧を招きやすい状況にあります。
吐き気は主に起床後に起きやすく、夕食よりは朝食前の方が食欲が湧かない事が多いです。症状は午後には改善することもあります。

ほかにも、暖かい季節や低気圧は副交感神経が優位に活発化しやすいため症状が出現しやすいです。

しかし、ODの厄介な点は、一定して出現する症状わけではないという点です。症状が不安定に出現したり改善したりを繰り返す事があるため親御さんや本人の病気に対する取り組み方も難しいのです。

嘔気一つとっても個々によってそれぞれ症状の出方が異なるため、特に親御さんは注意深く観察する必要性があります。

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吐き気の治し方

ここで重要なのは、嘔気をあくまでODの症状の一つであると本人や家族がしっかりと認識して治療していくということです。

毎朝の不調を「ただ学校に行きたくないだけでしょ!」と怒鳴ってしまうと、子供の精神はさらに不安定になり症状が悪化する可能性もあるからです。


腸内環境を整えることは、吐き気や頭痛、目まい、倦怠感といった症状の改善に大きな効果があります。
その理由の一つに、セロトニンの働きがあります。
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ
脳内で感情や気分の調整に重要な役割を果たしていますが
実はその90%以上が腸内で生成されています。

腸内環境が悪化すると、セロトニンの生成が妨げられ
結果として精神状態や身体の不調に繋がります。

例えば、セロトニン不足はストレスの増加や不眠
そして吐き気や頭痛、目まい、倦怠感を引き起こすことが知られています。
これらの症状は、腸内環境を整えることで改善が期待できます。

 

改善方法としては、前述した通り、質の高い乳酸菌を摂取していきましょう。

お勧めのサプリメントについては以下の動画と小冊子をご確認ください。
https://intiinti.com/lp/30day_method/

 

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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

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