起立性調整障害の子どもは、朝起き上がることが難しいだけでなく、起床後も立ちくらみや頭痛、倦怠感などの症状が続くことがあります。体調によっては登校が難しくなり、自宅で過ごす時間が長くなる場合もあります。
家で過ごす時間が増えると、「一日中寝かせていてよいのか」「運動や勉強はどの程度させればよいのか」と悩む保護者も多いでしょう。
本記事では、起床時から就寝前まで、起立性調節障害の子どもが自宅で過ごす際のポイントや、避けたい対応について解説します。

起立性調節障害の子どもにおすすめの家での過ごし方
起立性調節障害の子どもが家で過ごすときは、無理に予定どおり動くことを優先せず、その日の体調に合わせて活動量を調整することが大切です。
ここでは、朝起きてから就寝するまでの過ごし方を、時間帯ごとに紹介します。
朝起きるときは段階的に体を起こす
起立性調節障害では、朝から午前中に症状が強く、目が覚めてもすぐに体を起こせないことがあります。また、急に立ち上がると、めまいや立ちくらみ、ふらつきなどが現れる場合があります。
前日のうちに、声をかけ始める時刻や起こし方を本人と家族で話し合っておくと、朝の負担を減らしやすくなります。ただし、毎日決まった時刻に必ず起こすことだけを優先せず、その日の体調に合わせて調整しましょう。
就寝前には、次のような準備をしておくと便利です。
- 目覚まし時計を設定する
- 起床後に飲める水分を準備する
- 着替えや学校の持ち物を用意する
- 処方薬がある場合は、医師や薬剤師から指示された服用方法を確認する
朝は穏やかに声をかけ、カーテンを開けて室内に光を取り入れます。目が覚めたら、頭痛や吐き気、めまいなどがないかを確認しましょう。
体を起こすときは、まず上半身を少し起こして様子をみます。問題がなければベッドの上で座り、しばらく姿勢を保ってから足を床へ下ろします。
立ちくらみやふらつきがなければ、家具などにつかまれる状態でゆっくり立ち上がりましょう。症状が現れた場合は、無理に歩かず、再び座るか横になってください。
朝食は体調に合わせて無理なく摂る
起床後は水分を摂り、食べられる状態であれば朝食を摂りましょう。吐き気や腹痛がある場合は、無理に一度で食べさせず、量を減らしたり、食べやすいものから少しずつ摂ったりする方法があります。
水分や塩分の適切な摂取量は、年齢や体格、病型、持病などによって異なります。医師から具体的な指示を受けている場合は、その内容に従ってください。
朝から午前中は、めまい、頭痛、倦怠感などが強い場合があります。急に活動量を増やさず、本人の状態を確認しながら、着替えや食事などを少しずつ進めましょう。
座った状態から立ち上がるときも、急に動かず、机や椅子などにつかまりながらゆっくり立ち上がることが大切です。
午後は体調に応じて活動を取り入れる
起立性調節障害では、午前中より午後の方が動きやすくなる人もいます。ただし、必ず午後に回復するとは限らないため、その日の症状に合わせることが大切です。
体調がよければ、短時間の学習や家の中での活動、散歩、軽いストレッチなどから取り入れてみましょう。長く横になっていた後は、急に立ち上がらず、座る時間を挟んでから動き始めます。
登校できそうな場合も、午後からの登校、短時間の参加、別室での学習など、学校と相談しながら無理のない方法を検討しましょう。
体調が悪い日に運動や登校を強く促すと、本人の負担になることがあります。活動後に症状が強くならない範囲から少しずつ調整してください。

夕食は就寝直前を避ける
就寝直前に多く食べると、胃もたれや腹部の不快感によって寝つきにくくなることがあります。可能であれば、就寝までに時間を空け、消化に負担の少ない内容や量を意識しましょう。
ただし、家庭の生活時間や本人の体調によって、夕食の時刻を毎日そろえることが難しい場合もあります。遅い時間になるときは、量を調整するなど、無理なく続けられる方法を考えてください。
入浴時はのぼせや立ちくらみに注意する
入浴は体を清潔に保つだけでなく、気分転換やリラックスにもつながります。一方で、熱い湯や長時間の入浴によって血管が広がると、湯船から立ち上がった際にめまいやふらつきが現れることがあります。
起立性調節障害がある場合は、「38~40℃のぬるめのお湯」を目安にし、体調に合わせて短時間の入浴やシャワーを選びましょう。半身浴が楽に感じる人もいますが、すべての人に適しているとは限らないため、無理に行う必要はありません。
湯船から出るときは急に立ち上がらず、浴槽の縁や手すりにつかまりながら、ゆっくりと体を起こします。立ちくらみや気分の悪さを感じた場合は、無理に動かず、その場で座るなどして休みましょう。
また、入浴前後には水分を摂り、体調が悪い日や一人での入浴に不安がある場合は、シャワーで済ませたり、家族に声をかけたりすることも大切です。
起立性調節障害がある人の入浴方法や、お風呂で症状が悪化するのを防ぐための注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
就寝前は光や刺激を減らして過ごす
夜は室内の照明を少し暗くし、就寝前はスマートフォンやゲーム機などの使用時間を減らしましょう。画面からの光だけでなく、動画やゲームの内容によって頭がさえ、寝つきにくくなる場合があります。
ただし、眠気がない状態で無理に長時間ベッドへ入らせると、眠れないことへの焦りが強くなる場合があります。就寝時刻だけにこだわらず、本人の睡眠状態を確認しながら、落ち着いて過ごせる環境を整えることが大切です。
スマートフォンやゲームとの付き合い方に悩んでいる場合は、使用時間を一方的に制限するのではなく、体調や睡眠への影響を確認しながら家庭でルールを話し合うことが大切です。
起立性調節障害の子どもがゲームやスマートフォンを使う際の注意点については、下記の記事も参考にしてください。
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家で過ごすときに控えたい行動と注意点
起立性調節障害の子どもが家で過ごすときは、症状を悪化させる可能性のある行動を避け、その日の体調に合わせて過ごすことが大切です。
ここでは、日常生活で控えたい行動と注意点を紹介します。
- 急に起き上がったり、立ち上がったりする
- 症状が強い日に、登校や運動を無理に促す
- 起きられないことを「怠け」と決めつけて責める
- 水分をほとんど摂らずに過ごす
- 炎天下や高温多湿の環境で無理に活動する
- 熱い湯に長く入る
- 長時間の昼寝や、就寝直前までスマートフォンを使用する
体調のよい日は、無理のない範囲で散歩やストレッチなどを取り入れてみましょう。ただし、運動の種類や強度は本人の状態によって異なるため、症状が強くなる場合は中止し、主治医に相談しましょう。
また、成長期に過度な食事制限を行うと、栄養不足や体調悪化につながることがあります。性別にかかわらず、自己判断による無理な減量は避けましょう。
下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)







