起立性調節障害とは

もしかして親のせい?起立性調節障害の子どもへの接し方とは

2022年4月15日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

起立性調節障害は中学生前後の思春期に多い病気で、朝なかなか起き上がれず、立ちくらみやめまいなどの症状を認め、学校へ行けないことも多いです。

一緒に暮らす親としては、何とか症状を改善させて少しでも楽にさせてあげたい、今までのように学校に行ってほしいなど不安や焦りも多いのではないでしょうか。

本記事では、起立性調節障害への正しい理解と親ができる子供への接し方、サポートの仕方を解説していきます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害は自律神経の乱れによるもの

起立性調節障害は、自律神経による血圧や心拍数の調節がうまくいかなくなることで、さまざまな症状が現れる病気です。

朝なかなか起き上がれない、午前中に体調が悪く学校へ行けないといったこともあり、周囲から「怠けているのではないか」と誤解されてしまう場合があります。しかし、こうした症状は本人のやる気だけで解決できるものではありません。

起立性調節障害は、体やホルモンの状態が大きく変化する思春期に発症しやすいとされています。また、熱中症や感染症などをきっかけに症状が現れることもあるといわれています。

起立性調節障害のある人の約半数では、家族にも似た症状がみられるなど、遺伝や体質との関係が指摘されています。ただし、親の育て方や接し方が原因で発症する病気ではないため、保護者が自分を責める必要はありません。

一方で、不安や緊張などの心理的な負担が、症状の現れ方に影響する場合があります。朝起きられないことや学校へ行けないことを責めるのではなく、まずは本人のつらさや体調を確認しながら接することが大切です。

起立性調節障害の遺伝との関係について不安を感じている方は、下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】起立性調節障害とは?
起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害の子どもへの親の接し方

起立性調節障害の子どもを支えるうえでは、すべてを保護者だけで解決しようとせず、本人の体調や希望を確認しながら、医療機関や学校と連携することが大切です。

主なポイントは、次の2つです。

  • 病気や症状の特徴を理解する
  • 子どもの話を聞き、必要なときに支える

病気や症状の特徴を理解する

起立性調節障害では、朝から午前中に症状が強く、目が覚めてもすぐに起き上がれないことがあります。起き上がった際に、めまいや頭痛、吐き気、強い倦怠感などが現れる場合もあります。

そのため、「早く起きなさい」「気合いで起きて」などと強く促しても、本人が思うように体を動かせないことがあります。

朝は急に体を起こさず、本人の反応や症状を確認しながら、横になった状態から座位、立位へと段階的に移りましょう。朝起きられないときの起こし方や、無理なく体を起こす手順については、下記の記事も参考にしてください。

処方薬がある場合は、服用する時刻や方法を主治医や薬剤師に確認し、その指示に従ってください。すべての子どもが起床前に服用するわけではないため、自己判断で服用方法を変更しないことが大切です。

また、暑い環境や入浴後には、立ちくらみやふらつきが現れる場合があります。湯船から立ち上がるときはゆっくり動き、体調が悪い日は入浴時間を短くするなど調整しましょう。

子どもの話を聞き、必要なときに支える

起立性調節障害の子どもは、学校や友人から症状を理解してもらえず、「怠けていると思われるのではないか」「このまま学校へ戻れないのではないか」と不安を感じることがあります。

保護者は、すぐに解決策を示す前に、「今日はどの症状がつらい?」「学校で困っていることはある?」などと尋ね、本人の話を聞くことから始めましょう。

ただし、常に先回りして手助けしたり、本人ができることまで代わりに行ったりする必要はありません。体調のよいときに、どのような場面で手助けが必要かを話し合い、本人ができることは見守ることも大切です。

朝起きられない日や登校できない日があっても、すぐに責めたり結論を出したりせず、その日の体調や困りごとを確認しましょう。

家庭だけで対応を抱え込まず、主治医、担任、養護教諭、スクールカウンセラーなどとも情報を共有し、必要なサポートを検討してください。家族と学校の理解や環境調整は、ODへの対応で重要とされています。

子どもへの声のかけ方について迷っている方は、下記の記事も参考にしてください。

また下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

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