中学生は、心身ともに大きく変化する時期です。小学校から進学して新しい人間関係が始まり、部活動や勉強、高校進学への意識など、さまざまな負担を感じやすい時期でもあります。
起立性調節障害(OD)は、小学校高学年から中学生にかけてみられやすい病気とされています。成長期の体の変化や自律神経の調整が関係し、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、吐き気、腹痛などの症状が出ることがあります。
起立性調節障害は体の不調として起こる病気ですが、ストレスや心理的な負担が自律神経の働きに影響し、症状の出方に関係することがあります。そのため、周囲から「気持ちの問題ではないか」「学校に行きたくないだけではないか」と誤解されてしまうこともあります。
お子さんが起立性調節障害と診断された場合、親御さんも不安や焦りを感じることがあるでしょう。ただし、本人の意思だけで体調をコントロールするのが難しいこともあるため、まずは症状や体調の波を理解し、医療機関や学校と相談しながら対応していくことが大切です。
本記事では、起立性調節障害とストレスの関係、ストレスが症状に影響する理由、家庭でできるサポートについて解説します。

起立性調節障害はストレスが原因で発症するの?
起立性調節障害は、ストレスだけが原因で発症する病気ではないと考えられています。
ここでは、起立性調節障害の発症に関係する要因や、ストレスが症状に影響する仕組みについて詳しく解説します。
ストレスだけが原因とは限らない
起立性調節障害は、ストレスだけが原因で発症する病気ではないと考えられています。成長期の体の変化や自律神経の働き、血圧・脈拍の調整など、複数の要因が関係して症状が出ることがあります。
人は立ち上がると、重力の影響で血液が下半身に集まりやすくなります。そのため、心臓より高い位置にある脳への血流は一時的に少なくなりやすい状態になります。
通常は、自律神経の働きによって心拍や血管の収縮が調整され、脳への血流が保たれます。しかし、起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、立ち上がったときに脳への血流が不足しやすくなることがあります。
その結果、めまい、ふらつき、吐き気、腹痛、倦怠感、朝起きられないなど、さまざまな症状がみられることがあります。面倒だから学校に行きたくないのではなく、体調不良によって登校が難しくなっている場合もあることを理解しておきましょう。
起立性調節障害では、成長期の体の変化や自律神経の働きなど、複数の要因が関係していると考えられています。発症の原因やなりやすい人の特徴を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
ストレスが自律神経に影響することがある
ストレスを感じると、体は緊張しやすくなり、心拍数が上がったり、呼吸が浅くなったり、汗をかいたりすることがあります。これは、自律神経の働きが心身の状態に関係しているためです。
起立性調節障害では、自律神経の働きが症状に関係していると考えられているため、強いストレスや不安、学校生活での負担、睡眠リズムの乱れなどが重なると、症状が出やすくなったり、長引いたように感じたりすることがあります。
ただし、ストレスがあるから起立性調節障害になる、ストレスさえなくせば治る、と単純に考えるのは避けましょう。体の状態、生活リズム、学校環境、心理的な負担などを総合的に見ながら対応することが大切です。
自律神経の乱れによって起こりやすい症状や原因、整え方を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
精神疾患と決めつけず医療機関で相談することが大切
起立性調節障害は、朝起きられない、学校に行けない、夜に眠れないなどの症状から、こころの不調と区別がつきにくいことがあります。また、体調不良が長引くことで、不安や落ち込みが強くなる場合もあります。
そのため、本人のやる気や性格の問題と決めつけず、必要に応じて医療機関で相談しましょう。身体面と心理面の両方から状態を確認し、家庭や学校での対応を考えていくことが大切です。
起立性調節障害と不登校との関係や、家庭・学校での対応を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

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病気を理解してもらえないことがストレスにつながる場合もある
起立性調節障害では、朝起きたくても起きられない、体調が悪く登校が難しいといった状態がみられることがあります。しかし、周囲からは「怠けているのでは」「やる気の問題では」と誤解されてしまう場合もあります。
家庭内で頭ごなしに叱られたり、本人のつらさを理解してもらえなかったりすると、子どもにとって大きな負担になることがあります。起立性調節障害は本人の意思だけで体調をコントロールするのが難しいこともあるため、まずは症状や体調の波を理解することが大切です。
また、学校生活の中でも、遅刻や欠席が増えたり、体育やマラソン大会に参加できなかったりすることで、周囲から誤解されてしまうことがあります。本人は参加したくても体調が追いつかない場合があり、同級生からの何気ない言葉に傷ついてしまうこともあるでしょう。
このようなストレスや心理的な負担は、自律神経の働きに影響し、体調の波に関係することがあります。ストレスを完全になくすことは難しいものの、家庭や学校で病気への理解を深め、本人が安心して過ごせる環境を整えていくことが大切です。
本人への声かけや接し方を知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
ストレスを軽減させるには
子供のストレスを軽減させるには、家庭内、家庭外で様々な方法があります。
家庭内であれば、過干渉は避けるべきです。子供を心配するあまり色々と介入したくなってしまう親心も理解できますが、起立性調節障害の子供にとってはストレスになる可能性が高いのです。
程よい距離感を保ち、適切な食事や運動、睡眠をサポートしてあげることに徹家る必要があります。また中学生であれば学業の遅れがストレスになるため、家庭内でできる限りの学業のサポートも行ってあげましょう。
家庭外では、本人の希望を尊重しつつ、可能であれば周囲の子供やその親へ起立性調節障害への理解を促すことも重要です。怠惰ではなく病気であることを理解してもらいサポートしてもらうことで子供のストレスも軽減します。
下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)









