起立性調節障害とは

起立性調節障害による「胸の痛み」|原因や対策(治療法)を解説

2022年6月23日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

胸の痛みがあると、「心臓の病気が隠れているのではないか」と不安になる人も多いでしょう。胸の痛みは、筋肉や肋骨、呼吸器、消化器、心臓など、さまざまな原因で起こります。

起立性調整障害がある人にも胸の痛みや圧迫感、動悸などがみられることがありますが、胸痛だけで起立性調節障害による症状と判断することはできません。痛みの現れ方や、一緒に起こっている症状を確認することが大切です。

本記事では、起立性調節障害と胸の痛みの関係、考えられる原因や特徴、症状が現れたときの対処法について解説します。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害と胸の痛みの関係

胸の痛みは、胸の筋肉や肋骨、肺や気管、食道や胃、心臓など、さまざまな部分の不調によって起こります。

子どもの胸痛では、筋肉や肋骨など胸壁に由来する痛みが多いとされています。ただし、痛みの原因を症状だけで判断することは難しく、呼吸器や消化器、まれに心臓の病気が関係している場合もあります。

起立性調節障害では、立ち上がったときの血圧や心拍数の調節がうまくいかず、動悸、息苦しさ、めまいなどが現れることがあります。こうした症状に伴って、胸の痛みや圧迫感、違和感を感じる人もいます。

また、不安や緊張によって呼吸が浅く速くなったり、胸や肩の筋肉に力が入ったりすると、胸部の痛みや苦しさを強く感じる場合があります。

ただし、胸の痛みをすべて自律神経の不調によるものと考えることはできません。特に、運動中の胸痛、失神、強い息苦しさなどを伴う場合は、医療機関に相談しましょう。

次のような胸の痛みがある場合は、起立性調節障害によるものと自己判断せず、速やかに医療機関へ相談してください。

  • 突然、強い胸の痛みが現れた
  • 胸が締めつけられる、圧迫されるように痛む
  • 安静にしても痛みが続く
  • 運動中に胸の痛みや失神が起こった
  • 強い息苦しさや呼吸困難を伴う
  • 動悸とともに意識が遠のく、顔色が悪くなる
  • 胸を強くぶつけたあとから痛みが続いている

突然の激痛や急な呼吸困難、意識状態の変化がある場合は、救急要請を検討してください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害がある人にみられる胸の痛みの特徴

起立性調整障害がある人では、胸の痛みや違和感が、動悸、息苦しさ、めまい、立ちくらみなどと同時に現れることがあります。

立ち上がったときや長時間立っているとき、疲労や睡眠不足、水分不足などが重なったときに症状が強くなる場合もあります。ただし、胸の痛みの現れ方には個人差があり、時間帯だけで原因を判断することはできません。

不安や緊張が強い場面では、呼吸が浅くなったり、胸や首、肩の筋肉に力が入ったりして、胸の圧迫感や痛みを感じることもあります。

受診時には、次の内容を伝えられるよう記録しておくと、原因を確認する際の参考になります。

  • 痛む場所
  • チクチクする、締めつけられるなど痛みの性質
  • 症状が続いた時間
  • 立位、運動、食事、呼吸との関係
  • 動悸、息苦しさ、めまい、失神などの有無
  • 休むと軽くなるか

胸の痛みとともに心臓がドキドキする、脈が速く感じる場合は、動悸の原因や対処法について解説した下記の記事も参考にしてください。

また、胸の痛みとともに息苦しさを感じる場合は、起立性調節障害以外の原因も含めて確認することが大切です。息苦しさが現れる理由や対処法については、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害がある人に胸の痛みが出たときの対処法

起立性調節障害がある人に胸の痛みが現れたときは、まず活動を中止し、安全な場所に座るか横になりましょう。立ち上がったときや長時間立っているときに、胸の痛みとともに動悸、息苦しさ、めまい、立ちくらみなどが現れた場合は、転倒を防ぐことを優先してください。

衣服などで胸や首が締めつけられている場合は緩め、楽な姿勢で休みます。不安や緊張によって呼吸が速くなっている場合は、無理に大きく息を吸おうとせず、ゆっくりと息を吐くことを意識しましょう。

また、睡眠不足や疲労、水分不足などが重なると、起立性調節障害の症状を強く感じることがあります。普段から医師の指示に従って水分摂取や生活リズムを整え、急に立ち上がらないなどの工夫を取り入れることも大切です。

胸の痛みが新しく現れた場合や、以前より強くなっている場合、休んでも改善しない場合は、起立性調節障害によるものと自己判断せず、主治医や小児科などに相談してください。必要な検査や治療は、症状や診察結果に応じて判断されます。

起立性調節障害に伴う症状への対応や、家庭でできる生活上のサポートについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
小児心身医学会ガイドライン

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは
-