起立性調節障害とは

起立性調節障害による「足の痛み・だるさ」|原因や対策(治療法)を解説

2022年10月28日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

起立性調整障害の症状は非常に多彩です。めまいやふらつき、立ちくらみなどの症状がよく知られていますが、足の関節痛やだるさなど下肢の症状がみられることもあります。

本記事では、起立性調節障害の方に見られる可能性のある足の症状について解説していきます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害による「足の痛み・だるさ」の原因

起立性調節障害に罹患すると実に多様な症状がみられ、症状の程度も個人差があります。まずは、起立性調節障害について説明していきます。

私たちの体は呼吸や消化吸収、代謝機能など実に多くの重要な働きをしており、これらの活動を自律神経である交感神経と副交感神経が担っています。

時間帯によって活性化しやすい神経が決まっていますし、調整する体の機能によってもどちらの神経が優位に働くかが決まっています。

起立性調整障害は、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで様々な不調が見られます。最も多いものが早朝起床時の起きにくさですが、倦怠感や腹痛、めまい、関節痛、集中力の低下など様々な症状が見られます。

足の症状としては、足関節の痛みや足全体のだるさ、筋肉の痛み、などがありますが、これも自律神経のバランスの問題が大きく関わっています。

自律神経のバランスに問題があると、血流が悪くなったり、筋肉が過剰に緊張してしまうことがあります。

また、起立性調節障害による体調不良でなかなか活動できずに横になっていることが多くなると、下肢の筋力が低下します。それによって下肢のだるさが見られることもあります。

つまり、起立性調節障害による足の症状は起立性調節障害そのものによる症状と活動できないことによる筋力低下による症状の両方が考えられます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害による「足の痛み・だるさ」の特徴

上記でご説明しましたように、起立性調整障害による足の痛みやだるさは主に病気そのものからくるものと、病気により活動量が低下したことで起こるものがあります。

起立性調整障害そのものによる足の痛みやだるさは病気の原因である自律神経のバランスに大きく関与しています。

ストレスや過度の緊張を長期間感じていると、副交感神経よりも交感神経が優位に活性化している状態になり、体の筋肉は緊張し固くなります。

交感神経は末梢の血管を収縮させるため、下肢の血流が低下することでより筋肉は緊張し固くなります。

固くなった筋肉が血管を圧迫し、より血流が低下しやすくなります。この悪循環が足の痛みやだるさにつながると考えられます。

起立性調節障害の症状が強く、思うように活動できない場合、筋力が低下することで足の痛みやだるさが起こる可能性があります。

筋力が低下することで関節の痛みが出現し、足全体のだるさで長時間立っていることが難しくなることもあります。

起立性調節障害による「足の痛み・だるさ」の対策、治療法

起立性調節障害の症状が強く出ていると、活動をしたくても起き上がることができず、筋力の低下につながってしまいます。

下肢の筋肉は収縮することで、重力に従って下肢に溜った血液を重力に逆らって心臓へ戻すための、いわばポンプの働きを担っています。

したがって、下肢の筋力が低下すると、ポンプ機能が不十分になり、起立性調節障害の症状がより強くでてしまいます。

症状が強いと活動量がより下がってしまい、さらなる筋力低下を招いてしまいます。

この悪循環を断つために、まず重要なことは、起立性調節障害の治療をしっかり行い、症状をコントロールすることです。

起立性調節障害の治療方法は薬物療法と非薬物療法がありますが、特に非薬物療法が重要になります。

治療方法に関しては別の記事でも解説していますが、非薬物療法は下記のものが重要になります。

・規則正しい生活リズムを体に刻む

・運動習慣をつけて筋力を維持する

・水分摂取(1.5-2.0L/日)と少し多めの塩分摂取(10-12g/日)をする

・場合によっては心理カウンセリングを受ける

これらを行いながら、主治医と相談し、血圧を上げる薬などを必要時に使用します。

下記記事では、起立性調整障害の治し方に関して詳しく説明していますので、ぜひご一読ください。

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

【無料】起立性調節障害診断

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエメガネ

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは