起立性調節障害とは

起立性調節障害による「倦怠感」|原因や対策(治療法)を解説

2022年6月3日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

起立性調節障害の子どもには、体のだるさや疲れやすさといった倦怠感が見られることがあります。特に朝や午前中に症状が強い場合は、起床や登校、授業への集中が難しくなることもあります。

倦怠感が続くと、本人だけでなく、どのように支えればよいのか悩む保護者の方もいるでしょう。

この記事では、起立性調節障害に伴う倦怠感の原因や特徴、家庭でできる対応、医療機関へ相談したい症状について解説します。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害による「倦怠感」の原因

起立性調節障害は、自律神経(交感神経と副交感神経)の調整が乱れることで発症し、多様な症状を引き起こします。

日本小児心身医学会のガイドラインでは、立ちくらみ・起立時の気分不良・失神・動悸・息切れ・朝の起床困難・頭痛・腹痛などが診断の参考症状とされています。その中でも倦怠感(体のだるさは、患者に多くみられる代表的な症状です。

自律神経は互いに拮抗しながら体の機能を維持していますが、起立性調節障害ではこのバランスが崩れるため、慢性的な疲労感につながります。特に交感神経が過剰に緊張すると体のだるさが強まり、その状態が持続することで疲労が蓄積し、休養をとっても十分に回復しにくくなります。

倦怠感の出方には個人差がありますが、主に以下のような特徴がみられます。

  • 全身の強いだるさ:立位や座位を保つのも困難になり、横になって動けないことがある。
  • 少しの動作で強い疲労感:軽い歩行や階段昇降でも激しい運動後のように感じる。
  • 睡眠後も回復しない疲労感:十分に眠ったはずなのに、寝不足や徹夜後のようなだるさを訴える。

倦怠感が続く場合は、貧血や感染症、睡眠に関わる問題など、ほかの原因がないか確認することも大切です。

起立性調節障害では、倦怠感だけでなく、朝の起きづらさや立ちくらみ、頭痛、動悸などを伴う場合があります。起立性調節障害で見られる主な症状については、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害による「倦怠感」の特徴

起立性調節障害では、朝の起床時や立ち上がったときに体調不良が現れやすく、倦怠感や頭痛、立ちくらみなどによって午前中の活動が難しくなる場合があります。

午後になると症状が軽くなることもありますが、一日中倦怠感が続く人もおり、症状の現れ方には個人差があります。

また、睡眠不足やストレス、暑い環境、水分不足などが重なると、倦怠感を強く感じることがあります。

起立性調節障害では、気圧や気温などの変化によって体調が変わると感じる人もいます。季節や天候と症状の関係については、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害による「倦怠感」を治す方法

起立性調節障害に伴う倦怠感は、生活習慣の工夫や医療的サポートによって軽減できる場合があります。ここでは、日常生活で取り入れられる対策と、医療機関での対応について解説します。

栄養バランスの整った食事

栄養不足は倦怠感の一因となります。特に思春期は鉄の需要が高く、鉄欠乏や貧血が症状を悪化させるため、鉄分を多く含む食品を積極的に取り入れましょう。

また、水分不足や脱水は症状を誘発しやすいため、水分は1.5~2L、塩分は10~12g程度を目安に摂取してください。

適度な運動習慣

体調に問題がない日は、散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことも選択肢の一つです。

ただし、倦怠感が強い状態で無理に運動すると、症状が悪化する場合があります。めまいや動悸、息苦しさなどが現れた場合は運動を中止し、医療機関へ相談してください。

運動の種類や強度は、その日の体調や医師の指示に合わせて調整しましょう。

規則正しい生活リズム

就寝時刻や起床時刻、睡眠時間を確認し、生活リズムが大きく乱れていないかを見直しましょう。

ただし、朝起きられない子どもを無理に起こしたり、眠気がない状態で就寝を強制したりすると、本人の負担が強くなる場合があります。現在の生活時間から少しずつ調整することが大切です。

睡眠時間を確保しても倦怠感が続く場合や、夜に眠れず朝に起きられない状態が続く場合は、医療機関に相談しましょう。

医療機関での継続的なフォロー

倦怠感は、起立性調節障害だけでなく、貧血や感染症、甲状腺に関わる病気、睡眠に関わる問題などでも現れることがあります。

症状が続く場合や、学校生活へ影響している場合は、小児科やかかりつけ医に相談しましょう。必要に応じて血液検査などが行われ、ほかの原因がないか確認される場合があります。

すでに治療を受けている場合も、症状の変化や薬の効果、副作用などを主治医へ伝えることが大切です。

起立性調節障害の治し方や、子どもの体調に合わせて親ができることについては、下記の記事も参考にしてください。

【参考】

田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
小児心身医学会ガイドライン

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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