起立性調節障害とは

起立性調節障害で夜寝れない原因・治し方を解説

2023年1月6日

この記事の監修者

医師 星野綾美

医師 星野 綾美

五百山クリニック院長
内科
保有資格:医学博士(総合医療学)

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

「どうしてうちの子は朝起きないの!夜だってもっと早く寝なさい!」

この会話はどんな家庭でも聞こえてきそうなお母さんの声ですよね。実際に子供が全然起きなかったり、逆に夜なかなか寝てくれないと親御さんと生活リズムが合いませんし大変ですよね。

しかし、これがもし本人のせいではなく病気のせいだとしたら、それで怒られる子供も、さらにはそれに怒ってしまった親御さんも辛い気持ちになるでしょう。

実際に起立性調節障害(OD)という疾患では生活リズムのズレが生じることで、まさに上述したような症状が出現してしまいます。もしかしたら、あなたのお子さんも困っている1人かもしれません。

もし、起立性調節障害であれば、子供に対して夜ふかしの朝寝坊、怠け物と思わないでいただきたいです。そのためにはODという疾患を理解する必要があります。

そこで本記事では起立性調節障害により寝れない理由や、それに対する対応方法を紹介していきます。起立性調節障害に対する理解が深まり子供自身や親御さんが適切な対応ができるようになれば幸いです。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害と不眠について

起立性調節障害は、自律神経のバランスが乱れることで、立ちくらみやめまい、倦怠感、頭痛、朝起きられないなどの症状が出やすくなる病気です。

自律神経には、体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経があります。朝起きて活動するときは交感神経が働き、夜に眠るときは副交感神経が優位になることで、体は自然と睡眠に向かいやすくなります。

しかし、起立性調節障害ではこの切り替えがうまくいかず、夜になっても体が活動モードのままで眠れなかったり、朝になっても休息モードが続いて起き上がりにくかったりすることがあります。その結果、睡眠リズムが後ろにずれ、昼夜逆転に近い状態になるケースもあります。

起立性調節障害では、不眠だけでなく、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、吐き気など複数の不調が重なることがあります。主な症状や重症度ごとの違いを詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

睡眠と自立神経の関係性

人の体は、朝になると交感神経が働き、日中の活動に向けて体を動かしやすい状態へ切り替わります。一方で、夜になると副交感神経が優位になり、体は休息や睡眠に向かいやすくなります。

この交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われることで、朝に起きて夜に眠る生活リズムが保たれます。

しかし、起立性調節障害では自律神経のバランスが乱れやすく、体内時計にもズレが生じることがあります。夜になっても眠気が出にくい、寝つくまでに時間がかかる、朝になっても体が起きる準備に入れないといった状態が続くと、睡眠リズムが崩れやすくなります。

本人は眠りたくても眠れない、起きたくても体が動かない状態になっていることもあるため、「怠けている」「夜ふかししているだけ」と決めつけないことが大切です。睡眠リズムの乱れが続く場合は、生活習慣の見直しや医療機関での相談も検討しましょう。

起立性調節障害で夜眠れない状態が続く場合は、昼夜逆転に近い生活リズムになっていることもあります。寝つけない原因や昼夜逆転への対処法を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

起立性調節障害における不眠の対応方法

起立性調節障害における不眠の対応方法

さて、ODと不眠の関係性がわかったところで対応方法について紹介していきます。

夜寝付けない理由は、どこかが痛いわけでも苦しいわけでもなく、自律神経のバランスが崩れていることが原因です。つまり、崩れた自律神経のバランスを徐々に元に戻すことが治療として最も理に適っているのです。以下に具体的な方法を挙げていきます。

疾患への理解を深める

最初に行うべきは疾患に対する理解を深めることです。今おかれている状況をしっかり理解し、ODは根性で治るようなものではなく病気であるということを明確に意識することが重要です。

本人だけでなく家族や周囲の環境からの理解も必要です。特に家族からの叱責がそれだけでストレスになり起立性調節障害の悪化を誘発しかねないからです。

非薬物療法(適度な運動や規則正しい生活習慣)

これは投薬や特別な治療ではなく、あくまで生活の中でできる工夫のことを指します。

  • 日中の適度な運動
  • 睡眠や就寝環境の改善
  • 規則正しい食生活や日常生活を目指す
  • ストレスの原因になりそうな学校生活を見直す

こういった日常の工夫で徐々にズレた体内時計を元に戻していく作業が必要になります。そして、これこそが不眠に対して最も効果的な治療法になると考えられます。

医学的介入(光目覚まし時計等を活用した光療法)

上記のような非薬物療法でもなかなか症状が改善しない場合には、医学的介入が必要となります。具体的には睡眠薬による睡眠の補助や、光療法が挙げられます。

光療法とは太陽光と類似した光(光目覚まし時計等)を日中に浴びせることで体内時計をリセットする治療法です。

ただし、光療法の取り入れ方や適した時間帯は、症状や生活リズムによって異なります。自己判断で無理に行うのではなく、必要に応じて医師に相談しながら進めると安心です。

起立性調節障害における光療法の仕組みや取り入れ方を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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