子どもが朝起きて立ち上がったときに、「心臓がドキドキする」「脈が速い」と訴えると、心臓の病気ではないかと不安になる保護者の方もいるでしょう。
動悸は、心拍が速い、強い、不規則に感じるなど、心臓の拍動を普段より強く自覚する症状です。原因には、緊張や運動、水分不足、貧血、不整脈など、さまざまなものがあります。
また、朝や立ち上がったときに動悸が起こり、立ちくらみや頭痛、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
この記事では、起立性調節障害による動悸の特徴や原因、医療機関への相談が必要な症状、主な対応について解説します。

起立性調節障害による「動悸」の特徴
動悸は、起立性調節障害だけでなく、不整脈や貧血、緊張、運動などでも現れる症状です。起こるタイミングや伴う症状を確認することで、原因を考える手がかりになります。
ここでは、起立性調節障害に伴う動悸の主な特徴を解説します。
起立したときに動悸が起こりやすい
起立性調節障害では、立ち上がったときの血圧や脈拍の調節がうまくいかず、心拍数が増えて動悸を感じることがあります。
特に、朝起きた直後や長時間座ったあと、入浴後などに症状が現れる場合があります。ただし、動悸が起こるタイミングや程度には個人差があります。
めまいや立ちくらみを伴うことがある
起立性調節障害に伴う動悸では、立ちくらみやめまい、頭痛、倦怠感、吐き気などを伴うことがあります。
一方で、胸の痛みや息苦しさ、失神などがある場合は、心臓に関わる病気などを確認する必要があります。症状が強い場合や繰り返す場合は、医療機関に相談しましょう。
貧血や不整脈との区別が必要になる
動悸は、貧血や不整脈などでも現れることがあります。貧血では、顔色の悪さや疲れやすさ、息切れ、立ちくらみなどを伴う場合があります。
また、不整脈では、安静にしているときにも突然脈が速くなる、不規則に感じるなどの症状が現れることがあります。ただし、症状だけで原因を判断することはできません。
起立性調節障害では、動悸だけでなく、朝の起きづらさや立ちくらみ、頭痛、倦怠感などを伴う場合があります。起立性調節障害で見られる主な症状については、下記の記事も参考にしてください。
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起立性調節障害による「動悸」の原因
では、なぜ起立性調節障害によって動悸が現れるのでしょうか。
人が立ち上がると、重力の影響によって血液の一部が下半身へ移動します。通常は、自律神経の働きによって血管が収縮し、心拍数などが調節されることで、血圧や脳への血流が保たれます。
この際、交感神経は下半身の血管を収縮させるとともに、心拍数や心臓の収縮力を調節します。立ち上がったときや入浴後に、ふらつきとともに心臓が強く脈打つように感じることがあるのは、こうした循環の変化が関係している場合があります。
起立性調節障害では、立ち上がったときの血圧や心拍数の調節がうまくいかず、立ちくらみやめまい、動悸などが現れることがあります。血圧が低下する場合だけでなく、心拍数が大きく増加する場合もあります。
特に、起立性調節障害の一種である体位性頻脈症候群では、起立時に明らかな血圧低下が見られない一方で、心拍数が大きく増加し、動悸として自覚されることがあります。
具体的には、起立後3分以後の心拍数が毎分115回以上、または起立後の心拍増加が毎分35回以上とされています。重症患者では、起立後3分以後の心拍数が毎分125回以上、または起立後の心拍増加が毎分45回以上とされています。
ただし、心拍数が増えれば、その分だけ血圧や血流が安定するとは限りません。心臓は、拡張して血液をためたあとに収縮し、全身へ血液を送り出しています。
心拍数が大きく増加すると、一回の拍動で心臓に血液をためる時間が短くなり、十分な量を送り出しにくくなる場合があります。そのため、心拍数が増えていても、動悸やめまい、倦怠感などが現れることがあります。
体位性頻脈症候群では、起立時の心拍数の増加に伴って、動悸のほか、めまいや立ちくらみ、倦怠感などが現れることがあります。体位性頻脈症候群の症状や診断の考え方については、下記の記事も参考にしてください。
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起立性調節障害による「動悸」を治す方法
動悸への対応では、まず起立性調節障害によるものか、不整脈や貧血などほかの原因がないかを確認することが大切です。
ここでは、医療機関で行われる確認や、日常生活で取り入れられる主な対応について解説します。
まずは医療機関で原因を確認する
動悸を繰り返す場合は、小児科やかかりつけ医に相談しましょう。症状や起こるタイミングを確認し、必要に応じて心電図や血液検査、起立時の血圧・脈拍の測定などが行われます。
動悸に胸の痛みや息苦しさ、失神、意識の変化などを伴う場合は、速やかな受診が必要です。
立ち上がり方や生活上の工夫を取り入れる
起床時や長時間座ったあとは急に立ち上がらず、いったん座って体調を確認してからゆっくり動きましょう。
また、暑い場所で過ごしたあとや運動後などは、水分不足にも注意します。起立性調節障害で水分・塩分摂取について医師から指導を受けている場合は、その指示に従ってください。
必要に応じて薬物療法を検討する
生活上の工夫だけでは症状が十分に改善しない場合は、症状や病型に応じて薬物療法が検討されることがあります。
使用する薬や服用方法は子どもの状態によって異なるため、自己判断で市販薬やサプリメントを使用せず、医師に相談しましょう。
下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)
起立性調節障害(OD)ドクターズファイル






