子どもを持つ親御さんにとって、睡眠に関する悩みは少なくありません。夜更かしをしている、なかなか寝ない、朝起きられないなど、対応に困ることもあるでしょう。
睡眠は、子どもの心身の成長や日中の活動に関わる大切な時間です。特に年齢が小さい子どもほど、生活リズムを整え、安心して眠れる環境を作ることが大切です。
こちらの記事では、子どもが眠れない場合に見直したい生活習慣や、眠りやすくするための対処法、食事のポイントについて解説します。
子どもが眠れない状態が続く場合、生活習慣や就寝環境だけでなく、睡眠障害が関係していることもあります。
まず睡眠の状態を確認したい方は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

子どもが眠れない場合の対処法
子どもの寝つきをよくし、睡眠リズムを整えるためには、体内時計や生活習慣を整えることが大切です。
ここでは、子どもが眠れない場合に家庭で取り入れやすい対処法を紹介します。
ルーティンを作る
毎日同じ時間に就寝する習慣をつけると良いでしょう。毎日定時に就寝、起床することで体内時計を適正に調整することができます。
また、毎晩同じ時間に寝る準備をすることで、子ども自身も眠る準備ができるようになります。例えば、睡眠時間を決め、逆算して、以下のようなルーティンを作ると良いでしょう。
- お風呂に入る:〇時
- 歯を磨く:〇時
- 絵本を読む:〇時
- 就寝:〇時
夜眠れない、朝起きられない、昼夜逆転気味になっている場合は、生活リズムの乱れが関係していることもあります。寝れない状態や昼夜逆転が続く場合の対処法は、下記の記事も参考にしてください。
起床後は朝日を浴びる
私たちの睡眠と深く関わっているセロトニンという物質があり、このホルモンは日中に日光を浴びることで生成され、午後にはメラトニンという別のホルモンに変わります。
メラトニンが増えることで眠気を来し、夜の睡眠に導きます。したがって、朝起きた後、1日の始まりに朝日を浴びることがとても重要です。体内時計をリセットし、覚醒を促進、夜も眠りやすくなり、いいサイクルへと導いてくれます。
1日3食の食事を摂取、特に朝食は重要
起床後、朝日を浴びた後は、必ず朝食を摂取しましょう。朝食を摂取することで、体内時計がリセットされます。バランスがとれた食事を3食、できれば定時に摂取しましょう。
また、就寝前の食事摂取は控える方が良いでしょう。寝る直前に食事を摂ると消化に時間がかかり、眠りを妨げることがあります。寝る前の2時間は食事を控えるようにしましょう。また、カフェインを含む飲み物(コーラ、チョコレートなど)も避けるようにしましょう。
適度な運動をする
日中に体を動かすことは、生活リズムを整えるうえで役立つ場合があります。体を動かすことでほどよい疲れを感じ、夜に眠りやすくなることもあります。
ただし、寝る直前の激しい運動は、かえって寝つきにくくなる場合があります。就寝前は軽いストレッチなど、リラックスできる程度にとどめましょう。
心のリラックス
子どもがストレスや不安を感じている場合、リラックスする方法を一緒に見つけたりすることが重要です。例えば、深呼吸や軽いストレッチなどが効果的です。
寝る前に話をして不安なことをきいたり、心配する必要がないこと、助けが必要な時はいつもそばにいることなどを伝えると安心するのではないでしょうか。睡眠前は子どもとの穏やかなコミュニケーションを楽しむのはいかがでしょうか。
医療機関や専門家に相談する
上記の方法を試しても眠れない状態が続く場合や、日中の強い眠気、朝起きられない状態、いびき、気分の落ち込みなどを伴う場合は、小児科や睡眠外来などで相談しましょう。
睡眠の問題の背景に、睡眠時無呼吸症候群、こころの不調、起立性調節障害などが関係している場合もあります。
【就寝前】子どもが眠りやすくなるためにおすすめの行動
上記でご説明しましたように、生活習慣を整えることはとても重要です。
では、特に就寝前にするべき行動や習慣、または、就寝前にはしない方が良い行動や習慣について解説していきます。
入浴する
入浴と睡眠はとても重要な関連があります。一般的に、睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるので、睡眠前に体温を上げておくことがポイントになります。
入浴の睡眠への効果は加温効果にあります。入浴する時間帯も重要で、午前あるいは午後の早い時間の入浴は効果がなく、夕方あるいは夜の入浴が効果的です。就寝直前の入浴は寝付きを悪くしてしまう可能性があるので、基本的には、就寝の2~3時間前の入浴が理想です。

部屋の環境を整える
副交感神経を優位に働かせる様な状況を作ることが重要です。入浴後は副交感神経の働きが強まっています。この状態でテレビを観たり、はしゃいだりすると交感神経が活性化し眠りにくくなってしまします。
したがって、寝室や部屋の明かりを少し暗くし、静かで快適な温度に保つことで、子どもがリラックスしやすくなります。また、小さい子どもの場合は、ぬいぐるみやお気に入りのブランケットなど、安心感を与えるアイテムを用意するのも良いでしょう。
スマートフォンなど電子機器の操作を控える
寝る前のスマートフォンやタブレットの使用は、寝つきにくさにつながることがあります。画面から出る光が眠気に関わるメラトニンに影響したり、ゲームやSNSなどの内容で脳が刺激されたりするためです。
睡眠前は電子機器の使用を控え、読書やストレッチなど、落ち着いて過ごせる時間に切り替えるとよいでしょう。
子どもの睡眠リズムに関わる栄養素と食べ物
食事は、子どもの体調や睡眠リズムに関係することがあります。ただし、特定の食べ物だけで眠れない状態が改善するわけではありません。
栄養バランスを意識しながら、睡眠に関わる栄養素を含む食品を取り入れていきましょう。
トリプトファン
私たちの睡眠に深く関係しているホルモンである「メラトニン」の生成に欠かせない成分がトリプトファンという物質です。
トリプトファンは体内で作ることができないため、食事から摂取する必要があります。トリプトファンを豊富に含む食品には、乳製品や大豆製品、ナッツ類があります。
GABA(γ-アミノ酪酸)
GABAは神経伝達物質の一つです。神経伝達物質には、アドレナリンやノルアドレナリンなど興奮系に関わるものと、抑制系に関わるものがあり、GABAは抑制系に関わる神経伝達物質です。
したがって、ストレスを和らげたり、寝つきやすくする効果があります。GABAが含まれる食べ物には、発芽玄米、トマト、ナス、きゅうり、カボチャ、アスパラガスなどがあります。
カルシウム
カルシウムは自律神経の中でも交感神経の活性を抑える働きがあり、緊張や、興奮、イライラなどの緩和に有効です。
牛乳やチーズなどの乳製品、小魚、大豆製品などに多く含まれています。
もしかしたら起立性調節障害かも
子どもがなかなか寝つかない、朝も起きられない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気などの症状がみられることがあります。
朝から午前中にかけて体調が悪く、午後や夕方になると少しずつ動けるようになる場合があります。そのため、夜に眠りにくくなり、睡眠リズムが乱れることもあります。
ただし、眠れない状態だけで起立性調節障害と判断することはできません。生活リズムの乱れ、睡眠時無呼吸症候群、ストレス、こころの不調などが関係している場合もあるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
眠れない状態に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。下記のセルフチェックも参考にしてください。







