「昼夜逆転」とは、夜になっても眠れず、朝方から昼間に眠る生活が続くなど、本来の生活時間と睡眠・覚醒のリズムが大きくずれた状態を指す一般的な表現です。
一時的に就寝時間が遅くなっただけであれば、生活リズムを整えることで戻ることもあります。しかし、朝方に眠り、昼や夕方に目が覚める生活が続くと、学校や仕事に行けないなど、日常生活に支障を来すことがあります。
昼夜逆転には、夜更かしや長時間の昼寝などの生活習慣だけでなく、体内時計のずれや睡眠障害、うつ病、起立性調節障害などが関係している可能性もあります。
本記事では、昼夜逆転して眠れない原因や対処法、考えられる病気について解説します。
昼夜逆転によって朝起きられない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感なども伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

昼夜逆転して眠れない時はどうするべき?対処法とは?
昼夜逆転して眠れないときはつらいですよね。私たちの体内には「サーカディアンリズム」と呼ばれる約24時間周期の体内時計が備わっています。昼夜逆転には、この体内時計と実際の生活時間とのずれが関係しています。
一度大きくずれた睡眠リズムは、1日で元に戻そうとせず、起床時間や光の浴び方などを少しずつ整えることが大切です。 主な対処法について解説します。
朝に太陽光を浴びる(体内時計のリセット)
朝起きたらすぐにカーテンを開けて、10〜30分ほど自然光を浴びましょう。体内時計をリセットし、覚醒を促進、夜も眠りやすくなり、いいサイクルへと導いてくれます。
外に出られるなら散歩をしてみてください。日光によりセロトニンが作られ、夜にメラトニン(睡眠ホルモン)に変わり眠りを導きます。
起立性調節障害と光療法の関係や、光を取り入れる際の注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
夜はブルーライトを避ける
寝る2時間前からスマートフォンやパソコン操作を控えるようにしましょう。スクリーンのブルーライトが睡眠を導くメラトニンというホルモンの分泌を抑え、脳を覚醒させてしまいます。
どうしても見る必要がある場合は「ナイトモード」やブルーライトカットメガネを使うようにしましょう。
就寝前のルーティンをつくる
リラックスできる時間を睡眠前に作ることがおすすめです。湯船に浸かり副交感神経を活性化させ、読書やストレッチ、アロマなど自分自身がリラックスできる習慣をつくりましょう。
軽いストレッチはリラックス効果がありますが、寝る直前の激しい運動は逆効果ですので控えましょう。
無理に寝ようとしない
眠くない状態で長時間寝床にいると、「寝床に入っても眠れない」という焦りが強くなることがあります。
寝床に入ってもしばらく眠れない場合は、一度寝床を離れ、照明を暗くした部屋で静かな読書などをして過ごしましょう。眠気を感じてから再び寝床に入ります。
時計を何度も確認すると、「あと何時間しか眠れない」という焦りにつながるため、時計を見続けないことも大切です。
毎日同じ時間に起きる
睡眠リズムを整えるためには、就寝時刻を無理に早めるよりも、まず起床時刻をできる範囲で一定にすることが重要です。
休日も含めて起床時刻が大きくずれないようにし、起きたら光を浴び、朝食をとるなど、朝の習慣をつくりましょう。
日中に強い眠気がある場合は、昼寝を完全に禁止する必要はありません。昼寝をする場合は15~30分程度を目安とし、夕方以降の昼寝は避けましょう。
生活を整えても眠れない状態が続く場合や、学校や仕事に支障が出ている場合は、睡眠外来や精神科、心療内科、小児科などへの相談を検討してください。
昼夜逆転して寝れない時の原因とは?
「昼夜逆転して寝れない」ときの原因は、いくつかの要因が重なっていることが多いです。
体内時計(サーカディアンリズム)の乱れ
私たちの体には、朝に目覚め、夜に眠るためのリズムを調節する体内時計があります。この体内時計は、朝の光や食事、運動、学校や仕事などの社会的な活動によって調整されています。
夜更かしが続き、朝に光を浴びる機会が減ると、睡眠・覚醒の時間帯が後ろへずれやすくなります。その結果、夜になっても眠くならず、朝に起きられない状態につながることがあります。
夜に交感神経が優位になっている
眠るためには身体をリラックスさせる働きがある副交感神経を優位にする必要があります。
夜になってもスマートフォンやパソコンを使っていたり、作業・考え事をしていると、身体が「今は活動時間だ」と勘違いしてしまいます。交感神経が優位だと、覚醒モードのままになり、なかなか眠ることができません。
日中に活動量が少ない
日中にほとんど外出せず、横になって過ごす時間が長いと、朝や日中に光を浴びる機会が減り、睡眠と覚醒のメリハリがつきにくくなります。
体調に問題がなければ、日中に散歩や軽い運動を取り入れるとよいでしょう。ただし、起立性調節障害などで体調が優れない場合は、無理に激しい運動をする必要はありません。

昼間の長時間睡眠・昼寝
長時間の昼寝や夕方に眠くなって寝てしまうと、本来眠るべき夜間に眠気が来ず、結果的に翌日の昼間に眠くなり寝てしまう、そしてまた夜は眠れないという悪循環に陥ってしまいます。
ストレスや不安・考えごと
「早く寝なきゃ」「また寝られないかも」と焦ることで逆に眠れなくなることはよくあります。
学校や仕事、人間関係などの悩みがあり、寝床に入ってからも考え事が続く場合も、眠りにくくなることがあります。
ストレスを完全になくすことは難しいため、就寝前に考え事を書き出す、家族や専門家に相談するなど、自分に合った方法で負担を減らしていきましょう。
カフェイン・エナジードリンクの影響
コーヒーやお茶、エナジードリンク、栄養ドリンク、チョコレートなどには、量に差はあるもののカフェインが含まれています。
カフェインの影響には個人差がありますが、就寝の6時間程度前に摂取した場合でも、寝つきや睡眠の深さに影響する可能性があります。
夕方以降はカフェインを控えることを目安にし、自分が影響を受けやすい場合は、より早い時間から避けましょう。
昼夜逆転して寝れない時に考えられる病気とは?
昼夜逆転して寝れない時に考えられる病気を3つ解説していきます。
概日リズム睡眠障害
生体リズムが通常の24時間周期とは異なるために生じる睡眠障害の総称です。生体リズムは、体内時計によって調整される生理的なサイクルであり、一般的には夜間に睡眠し、昼間に覚醒するリズムが優勢です。
このリズムがずれていることで朝起き上がれない、夜眠れないなど様々な問題が発生します。自分の意志や努力だけでは戻せないことも多く、専門の治療が必要になる場合もあります。
うつ病
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
うつ病は、気分障害の一つで、一日中気分が落ち込み、何事にも興味が持てない、不安が強いなどの症状があります。メンタル不調から身体的な症状まで見られることも多く、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなどの症状が見られます。日常生活に支障を来していることもあり、睡眠にも大きな影響を与えます。朝
なかなか起きることができず、午前中は眠気などの症状が一日の中で最も強く見られることも特徴です。無理しすぎず、特に体調・メンタルの不調が見られている場合は休息し、早期に医療機関を受診することも重要です。
うつ病の方にみられる行動や症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは中枢性過眠症の一つで、主に10歳代から20歳代に発症し、日中に耐え難い眠気が繰り返し現れる病気です。
食事中や会話中など、通常は眠らない状況でも眠り込んでしまうことがあります。 笑ったり驚いたりしたときに体の力が抜ける情動脱力発作がみられるタイプもあります。
そのほか、入眠時や目覚める際の金縛り、現実のような夢や幻覚、夜間に何度も目が覚めるなどの症状が現れることがあります。
ただし、ナルコレプシーは昼夜逆転そのものを主な症状とする病気ではありません。夜間に十分眠っているにもかかわらず、日中に耐え難い眠気や居眠りを繰り返す場合は、睡眠外来などに相談しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
昼夜逆転して朝起きられない状態には、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数などを調節する働きがうまく機能しないことで、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、頭痛、動悸、腹痛、倦怠感などの症状が現れる病気です。
起立性調節障害では、朝から午前中に症状が強く、午後になると軽くなる場合があります。朝起きられず、午前中に光を浴びたり活動したりする機会が減ると、睡眠・覚醒のリズムが後ろへずれやすくなることがあります。
その結果、午後から次第に体調がよくなり、夜になっても眠気が起こらず、翌朝も起きられないというサイクルにつながる場合があります。
ただし、昼夜逆転しているからといって、必ず起立性調節障害であるとは限りません。夜型の生活習慣や概日リズム睡眠・覚醒障害、うつ病、過眠症など、ほかの原因が関係している可能性もあります。
昼夜逆転に加えて、立ちくらみやめまい、動悸、頭痛、倦怠感などが続く場合は、下記の起立性調節障害のセルフチェックを参考にし、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
起立性調節障害の治し方や、家庭で親ができることについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。









