- 朝起きてもスッキリせず、なぜかイライラする
- 朝イライラしてしまうのはなぜ?
このようなお悩みや疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
朝に精神状態が不安定になってしまう原因は、ストレスやうつ症状、睡眠不足、暴飲暴食、更年期症状などさまざまです。またこれらのうち、原因が単一の要因だけであることはむしろ稀で、複数の要因が重複して朝のイライラを引き起こしていることが多いです。
自身のセルフケアで改善可能なものもあれば、医学的にサポートを受けなければ症状が悪化し、最悪命に関わるような事態に発展する病気もあるため、早期に原因を究明し、適切な対策を取ることが肝要です。
そこでこの記事では、朝イライラするのはなぜ?という疑問をお持ちの方に向けて、朝のイライラの原因や対処法について詳しく解説します。ぜひご一読ください。
朝のイライラに加えて、朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などもみられる場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
気になる症状がある場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。
朝イライラするのはなぜ?原因を解説
「出席したくない会議が朝一からあってイライライしている」「渋滞に巻き込まれて仕事に遅刻しそう」等、朝イライラするようなシチュエーションは日常生活の中に溢れています。
一方で、しっかり睡眠時間を確保したにも関わらず朝の目覚めが悪くイライラしたり、これといった理由が見当たらないにも関わらずイライラすることは、誰しも経験があるでしょう。
多くの場合、睡眠不足やストレス、運動不足などの日々の生活習慣が原因であるため、ここでは朝イライラする原因について詳しく解説します。

過剰な飲酒
過剰な飲酒は、朝のイライラにつながる可能性があります。
アルコールには眠気を促す作用がありますが、睡眠後半の眠りを浅くし、中途覚醒を増やすことがあります。その結果、十分に眠ったつもりでも睡眠休養感が得られず、朝に倦怠感やイライラを感じる場合があります。
また、飲酒によって喉や舌の筋肉が緩むと、いびきや睡眠時無呼吸が悪化する可能性があります。利尿作用によって夜中にトイレへ行く回数が増え、睡眠が中断されることもあります。
継続的に多量の飲酒をしている方では、アルコールの作用が切れたときに、不安、焦燥感、発汗、手の震え、不眠などの離脱症状が現れる場合もあります。
飲酒を睡眠やストレス解消のための習慣にせず、飲酒量や頻度を見直しましょう。毎日のように飲酒しており、自分で量を減らすことが難しい場合は、医療機関に相談することも大切です。
喫煙
喫煙も、朝のイライラに関係する可能性があります。
タバコに含まれるニコチンには依存性があり、ニコチンが体内から減少すると、イライラ、落ち着かなさ、集中しにくさなどの離脱症状が現れることがあります。
また、ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前に喫煙すると寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなったりする場合があります。夜間にニコチンが切れることで睡眠が中断される可能性もあります。
喫煙は動脈硬化や心血管疾患、呼吸器疾患などのリスクにもなるため、禁煙を検討しましょう。自力での禁煙が難しい場合は、禁煙外来などへ相談できます。
暴飲暴食や偏食
就寝前の暴飲暴食や、栄養バランスの偏った食生活も、朝の体調や気分に影響する可能性があります。
就寝直前に大量の食事を取ると、胃腸の不快感や胃もたれ、胸やけなどが起こり、寝つきや睡眠の質に影響することがあります。
また、暴飲暴食が続いて肥満になると、首周りの脂肪などによって気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなる場合があります。睡眠中の呼吸が繰り返し妨げられることで休養感が低下し、朝の倦怠感やイライラにつながることもあります。
特定の栄養素だけを積極的に摂取するのではなく、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。夕食は就寝直前を避け、食べすぎないことも大切です。
低血糖
低血糖になると、イライラや不安感、冷や汗、手の震え、動悸などが現れることがあります。
ただし、健康な方が睡眠中に食事を取らなかったことだけで、朝に低血糖を起こすとは限りません。低血糖は、インスリンや血糖降下薬を使用している方が、食事量が少なかった場合や、普段より激しい運動をした場合などに起こりやすくなります。
朝に空腹を感じてイライラする場合は、朝食を取ることで落ち着くこともありますが、それだけで低血糖だったとは判断できません。
糖尿病の治療中に低血糖が疑われる症状が現れた場合は、主治医から指示された方法で血糖値を確認し、対処しましょう。糖尿病の薬を使用していないにもかかわらず、冷や汗や手の震え、意識が遠のく症状を繰り返す場合は、医療機関に相談してください。
運動不足
運動不足も、朝イライラする原因の1つです。程よい負荷の運動はストレスを発散させ、自律神経の安定を促すことで精神を安定させる効果があることが知られています。
しかし、あまりにも負荷の高い運動は身体にとってかえってストレスとなり、むしろ悪影響を及ぼす可能性もあるため、注意が必要です。また、就寝直前の運動も睡眠中に深部体温が低下しない原因となるため、逆効果です。適切な負荷・タイミングでの運動を心掛けましょう。
朝イライラする時に考えられる病気
朝のイライラは一時的な睡眠不足やストレスで起こることもありますが、病気が関係している可能性もあります。
例えば、睡眠時無呼吸症候群によって睡眠休養感が低下している場合や、うつ病、更年期障害などによって気分が不安定になっている場合があります。
イライラだけで病気を判断することはできませんが、ほかの症状も続いている場合や、仕事・家事・人間関係などに支障が出ている場合は、医療機関へ相談しましょう。
ここでは、朝のイライラに関係する可能性がある主な病気について解説します。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、朝にイライラするときに考えられる病気の一つです。
肥満、下あごが小さい、舌やアデノイド・扁桃が大きいなどの要因によって気道が狭くなり、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりします。
無呼吸や低呼吸によって血液中の酸素濃度が繰り返し低下し、睡眠が中断されるため、十分に眠っても休養感が得られない場合があります。その結果、朝の倦怠感や頭痛、イライラ、日中の強い眠気などが現れることがあります。
治療せずにいると、高血圧、不整脈、脳卒中、虚血性心疾患などの発症・悪化に影響する可能性もあります。
家族から大きないびきや睡眠中の無呼吸を指摘された場合や、日中の眠気が強い場合は、睡眠外来、呼吸器内科、耳鼻咽喉科などに相談しましょう。
うつ病
うつ病でも、イライラや怒りっぽさがみられることがあります。
うつ病は、気分の落ち込みや興味・喜びの低下などが続き、日常生活に支障が現れる病気です。発症には、精神的・身体的なストレス、環境、体質など、さまざまな要因が関係すると考えられています。
主な症状として、下記が挙げられます。
- 一日中気分が落ち込み、これまで楽しめていたことに興味を持てない
- 眠れない、または眠りすぎる
- 食欲や体重が変化し、疲れやすくなる
- 集中できない、自分を責める、死にたいと感じる
人によっては朝に症状が強く、夕方にかけて軽くなることもあります。ただし、症状の日内変動には個人差があり、朝のイライラだけでうつ病と判断することはできません。
気分の落ち込みや興味の低下などが2週間以上続き、日常生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科などに相談しましょう。
うつ病の人にみられやすい行動や、周囲が気づくためのサインについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
更年期障害
更年期障害でも、イライラや不安感、不眠などが現れることがあります。
更年期とは、一般的に閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた約10年間を指します。日本人の平均閉経年齢は約50歳であるため、45〜55歳ごろが一つの目安ですが、閉経時期には個人差があります。
更年期には、卵巣機能の低下に伴って女性ホルモンのエストロゲンが大きく変動しながら減少します。加えて、加齢に伴う身体の変化や仕事・家庭の状況など、複数の要因が重なることで、心身にさまざまな症状が現れます。
主な症状として、ほてり、発汗、動悸、頭痛、めまい、不眠、イライラ、不安感などが挙げられます。これらの症状によって日常生活に支障が出る状態を更年期障害と呼びます。
更年期に当たる年代でイライラや不眠などが続いている場合は、我慢せず婦人科に相談しましょう。

朝イライラする時の対処法
朝のイライラが一時的なものであれば、睡眠や食事、運動などを見直すことで軽くなる場合があります。
一方、イライラが長く続く場合や、ほかの症状を伴う場合は、病気が関係していないか確認することも大切です。
ここでは、朝イライラするときの対処法について解説します。
生活習慣の見直し
朝イライラするときは、まず睡眠や食事、飲酒、喫煙などの生活習慣を見直しましょう。
就寝・起床時刻をできるだけ一定にする、必要な睡眠時間を確保する、就寝前の過度な飲酒を避ける、バランスの良い食事を取るといった工夫によって、朝の体調や気分が安定することがあります。
一度にすべてを変えようとすると負担になるため、取り組みやすいものから少しずつ見直しましょう。
寝室の光や音を調整する快眠グッズを使用する方法もありますが、サプリメントを利用する場合は、持病や服用中の薬との組み合わせに注意が必要です。必要に応じて、医師や薬剤師に相談しましょう。
継続的な運動
朝のイライラへの対処法として、無理のない範囲で運動を習慣にすることも挙げられます。
日中に適度な運動を行うことは、気分転換や睡眠休養感の向上につながります。ウォーキング、軽いジョギング、サイクリング、ダンスなど、自分が継続しやすい運動を選びましょう。
ただし、運動の効果や適した強度には個人差があります。疲労や痛みが残るほど無理をせず、自分の体力に合わせて行うことが大切です。
医療機関への受診
生活習慣を見直しても朝のイライラが続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
特に、下記のような症状がある場合は受診が必要です。
- 大きないびきや睡眠中の無呼吸、日中の強い眠気がある
- 気分の落ち込みや興味の低下が2週間以上続いている
- ほてりや発汗、月経の変化、不眠などを伴う
- イライラが強く、自分や周囲の人を傷つけそうになる
受診先を判断できない場合は、一般内科やかかりつけ医に相談するとよいでしょう。症状に応じて、睡眠外来、精神科・心療内科、婦人科などを紹介してもらえる場合があります。
もしかしたら起立性調節障害かも
子どもの朝のイライラに加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛などがみられる場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、起立時の血圧や心拍数などを調節する働きがうまく機能しないことで、さまざまな身体症状が現れる病気です。特に小学校高学年から中学生ごろの思春期に多くみられます。
症状は朝や午前中に強く、午後から夕方にかけて軽くなる場合があります。朝の体調不良や起床困難が続くことで、本人が焦りや不安を感じ、イライラした様子をみせることもあります。
ただし、朝イライラしていることだけで起立性調節障害と判断することはできません。また、症状の経過や回復までにかかる期間には個人差があります。
子どもに朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などがみられる場合は、起立性調節障害のセルフチェックを紹介している、下記の記事も参考にしてください。セルフチェックを行い、必要に応じて小児科などの医療機関を受診しましょう。
また、起立性調節障害は子供だけでなく、大人でも発症しうる病気です。子供の時期に治ったと思っていても、大人になって再発する例も少なくありません。
そこで、下記の記事を参考に、気になる方は起立性調節障害のセルフチェック(大人)してみましょう。
起立性調節障害の治し方や、家庭で親ができることについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
【参考文献】
・アルコールの作用 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
・抑うつ症状とミネラル摂取との関係―断面調査の結果から―|臨床研究センター
・こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
・こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省








