起立性調節障害とは

うつ病の人がとる行動|仕事・学校・家庭・恋愛別に医師が解説

2023年8月17日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

「強いストレスを感じて食欲が湧かない」「不安で夜も眠れない」このような症状でお悩みの方もいるのではないでしょうか?

不安が強く、意欲や興味が減退する場合、うつ病の可能性があります。

しかし、自分が本当にうつ病なのかどうか自信を持てず、中にはほとんど症状を自覚できない方もいます。また、精神科に通う事へのハードルが高く、周囲にも相談できないため、発見が遅れることも少なくありません。

うつ病が進行すれば希死念慮や自殺企図など命に関わる状況にまで追い込まれてしまう可能性もあるため、注意が必要です。自分や周囲の人がうつ病であることに、なるべく早く気づく事が重要です。

本記事では、うつ病の人がとる行動について、シチュエーション別に解説します。自分自身や自分にとって大切な人の健康を守るためにも、本記事を参考に、うつ病のサインを把握しましょう。

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うつ病の人がとる行動【仕事編】

うつ病の人がとる行動【仕事編】

特に上司からの叱責や対人関係、プレッシャーのかかる業務など、職場にはうつ病になりやすい環境が少なくありません。仕事に真面目に取り組みすぎるあまり、うつ病を患ってしまえば仕事から離れる必要があるため、本末転倒です。

ここでは、仕事中によく見られるうつ病の行動パターンを紹介します。

仕事のミスの増加

うつ病の人がとる行動として、仕事におけるミスの増加が挙げられます。

うつ状態に陥ると、仕事に対する集中力や熱意・情熱が低下し、作業効率も低下するため、周囲からみてケアレスミスが増加するでしょう。

書類における誤字脱字・細かな数字の間違いなどに始まり、重要な会議の時間を忘れたり、上司への報告を怠るなど、社会人としての常識的な業務にも影響が出るでしょう。

これまで仕事のパフォーマンスが高かった人ほど、周囲からは気付きやすいです。単純に疲れているだけなら良いですが、継続してミスが増えた同僚などいれば注意が必要です。

遅刻や無断欠勤

うつ病の人がとる行動として、遅刻や無断欠勤・業務中のサボりなどが挙げられます。

うつ病では夜なかなか寝付けず、眠れても精神不安から途中で起きてしまいがちです。その結果寝不足状態が続き、朝起きるのが困難となります。

発症初期はちょっとした遅刻や早退が増える程度ですが、進行すれば無断欠勤や仕事中の居眠り・サボりなどが散見されるようになります。これまで真面目に出勤できていた人にこのような行動が見られた場合は要注意です。

モチベーションが低い

うつ病の人がとる行動として、著しいモチベーションの低下が挙げられます。

うつ病では脳内での神経伝達物質の分泌が低下し、抑うつ気分や興味・意欲の減退などの症状が出現します。

これまで高いモチベーションで仕事に取り組んでいた人でも、うつ病の発症とともにモチベーションを失い、投げやりな仕事態度が目立つようになるでしょう。また睡眠不足で仕事に集中できないことも原因の1つです。

もともと仕事へのモチベーションが高い人の場合、上がらないモチベーション自体にストレスを感じてしまうため、うつ病が悪化してさらに悪循環に陥る可能性もあり注意が必要です。

身だしなみへの意識の低下

うつ病の人がとる行動として、身だしなみへの意識の低下が挙げられます。

興味や関心が無くなり、細かな身だしなみや周囲からの目線に対する意識が低下するためです。

具体的にはネクタイの乱れ・シャツの汗染み・スーツのシワなどが多いでしょう。また、寝癖が直っていない・無精髭が生えている・目ヤニがあるなど、清潔感が失われることも多いです。

女性の場合もうつ病が進めば身だしなみが乱れる事があるため、注意が必要です。

コミュニケーションの低下

うつ病の人がとる行動として、コミュニケーションの低下が挙げられます。

うつ状態になると自分の中に閉じこもり、他者とのコミュニケーションを極力避けるように行動する方が多いです。

今まで一緒に昼食を食べていた同僚が突然一人で食事を摂るようになれば、注意が必要でしょう。また、仕事を円滑に進める上で必要最低限のコミュニケーションすら怠るようであれば深刻です。

元からコミュニケーションが苦手な方もいるため、あくまでコミュニケーションの量ではなく、変化に注目するようにしましょう。

うつ病の人がとる行動【学校編】

うつ病の人がとる行動【学校編】

うつ病はストレスのかかりやすい社会人で多い印象をお持ちの方も少なくないですが、学生でも発症する事が多い病気の1つです。早ければ小学生も発症しうるため注意が必要です。

特に、10〜20代の若年者では精神的に未発達であり、うつ病の発症率が高い事が知られています。そこで、ここでは学校でよく見られるうつ病の行動パターンを紹介します。

授業中によく寝る

授業中によく寝てしまう場合、うつ病のサインの1つです。

うつ病は睡眠障害を伴う事が多く、夜間の不眠の影響で日中の授業中に寝てしまう事が増えてしまいます。

また、うつ病に罹患した人の中には過眠症状をきたす方もいるため、授業中によく寝るようになった場合は注意が必要です。また、眠るために保健室に行く頻度が増えるケースもあります。

部活を休む

部活を休む機会が増えることも、うつ病のサインの1つです。

うつ病では意欲や活力が低下するため、精力的に部活動に励む機会は減ってしまうでしょう。

また、朝練などがある部活の場合はさらに参加が困難です。これまで部活動に積極的に取り組んでいたにも関わらず急に参加頻度が減っている場合は注意が必要です。

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テストの点数が下がる

うつ病になるとテストの点数が下がる可能性もあります。

うつ病に伴う集中力の低下、日中の眠気に伴い授業にも集中できないためです。また、自宅での自習にも目標を見出せず、以前ほど身が入らないでしょう。

得意科目であるにも関わらず、継続的に点数が下がった場合は注意が必要です。

一人行動が増える

一人行動が増えた場合も注意が必要です。

うつ病では他人に対する興味・関心が減退し、自分の世界に閉じこもりがちです。よく友達と話していた子供や、友達が多いような子供で一人行動が増えた場合は要注意です。

うつ病の人がとる行動【家庭編】

うつ病の人がとる行動【家庭編】

一緒に暮らす家族は、職場や学校よりも相手の変化に敏感に気付けるでしょう。職場や学校よりもストレスから回避しやすい環境だからこそ、回避行動が見た目に出やすいです。

ここでは、家庭でよく見られるうつ病の行動パターンを紹介します。一緒に暮らす大切な人に症状が見られるかどうか、チェックしましょう。

食事量が減った

食事量が減った場合はうつ病の可能性があります。

うつ病では意欲や食欲が減退するためです。食欲そのものがなくなるため、好き嫌いに関わらず食事量そのものが減ってしまいます。

ダイエットなど行っていないにも関わらず食べ残しが増えた場合は注意しましょう。一方で、アルコール摂取が増えることもあるため、飲酒量もチェックするといいでしょう。

会話が減った

会話が減った場合はうつ病の可能性があります。

これまで色々と会話していた時間が減り、無口の時間が増えた場合は何か考え事をしている可能性があります。

特に、上の空で適当な返事、話しかけても聞いていないなどの症状が見られる場合は精神的に追い込まれている可能性があるため、注意しましょう。

朝起きてこない

平日にも関わらず朝起きてこない場合はうつ病の可能性があります。

うつ病の場合、夜間に入眠困難・中途覚醒の割合が増加し、寝不足になります。

また、仕事や学業への意欲も低下するため、なかなか朝起きられなくなります。一緒に暮らす家族だからこそ気付けるポイントでもあるため、ただ疲れているだけなのか、連日のように起きてこないのか、注視しましょう。

うつ病の人がとる行動【恋愛編】

うつ病の人がとる行動【恋愛編】

うつ病になると恋愛面でもさまざまな症状が出現します。恋愛は家族関係や友人関係よりもエネルギーを必要とする関係のため、うつ病で意欲や活力が低下した状態ではうまくいかない可能性も高いです。

パートナーの変化に気づけば早期治療も可能なため、どのような症状が見られるとまずいのか把握しておきましょう。

性欲の減退

うつ病の場合、性欲が減退する可能性があります。

食欲や意欲と同様、男女問わず性欲が減退する可能性もあり、恋愛において弊害となる可能性もあるでしょう。

これまで盛んだったスキンシップが減ったと感じた場合、異性としての興味がなくなったのか、性欲や意欲が減退したのか、判断が難しいところですが、勇気を持って確認してもいいでしょう。

相手自身が自覚できていない可能性もあるため、指摘することで解決できる可能性もあります。

会う機会が減る

会う機会が減った場合、うつ病の可能性があります。

うつ病に罹患すると自分の世界に閉じこもり、対人関係への恐怖心から会う頻度が減少してしまうこともあります。

また、自己評価が低くなる傾向にあるため、新たな恋愛への意欲も湧かないでしょう。これまでたくさん会っていたにも関わらず、急に会う頻度が減った場合は注意が必要です。

依存度が高まる

会う機会が減るのとは反対に、依存度が高まる可能性もあります。

自分に自信が持てず不安が強い場合、自分を受け止めてくれる家族や恋人に対して甘えてしまうためです。可能な依存は健全な恋愛とは言えず、互いに負担となるため、注意が必要です。

うつ病は起立性調節障害と症状が似ている

自分自身や自分の周りの人がこれまでの行動に当てはまる場合はうつ病の可能性がありますが、安易な自己判断は注意が必要です。他にも似たような病気があるからです。

似たような症状をきたす代表的な疾患として起立性調節障害が挙げられます。うつ病が精神疾患であるのに対し、起立性調節障害は自律神経が乱れてしまう身体疾患です。

起立性調節障害の場合は、不眠症状や体動困難・意欲の低下など、うつ病との類似点が多く、ストレスによって病状が悪化する点でも似ているため、時折誤診されることの多い疾患です。

しかし、うつ病だと誤診されて起立性調節障害の患者が抗うつ剤を内服すると、かえって症状が悪化する可能性もあるため、注意が必要です。まずは自宅でセルフチェックを行い、当てはまる場合は早急に医療機関を受診しましょう。

下記の記事では、子どもの起立性調節障害のセルフチェックについて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

>>起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

 

また、一般的には子どもに多い病気ですが、大人でも発症するリスクはあります。大人の場合は子供よりも生活への影響が大きいため、注意が必要です。

下記の記事では、大人の起立性調節障害のセルフチェックについて詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

>>大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

 

【参考文献】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)
日本うつ病学会
厚生労働省(うつ病を知る)
MSDマニュアル(うつ病)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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