子どもの欠席や遅刻が増え、勉強の遅れが目立つようになると、不安を感じる保護者も多いでしょう。受験を控えている場合は、子ども自身も焦りやプレッシャーを抱えることがあります。
起立性調節障害では、朝起きられない、倦怠感が強い、頭痛や立ちくらみがあるといった症状によって、登校や授業への参加が難しくなることがあります。その結果、学習機会が減ったり、集中しにくくなったりして、勉強が遅れる場合があります。
これは、必ずしも本人のやる気や努力が不足しているためではありません。体調が不安定な状態で無理に勉強を促すと、本人の負担が大きくなることもあります。
本記事では、起立性調節障害の子どもが勉強に取り組みにくくなる理由や、学習の遅れがある場合に家庭や学校でできる対応について解説します。

起立性調節障害によってやる気がでない理由
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数などを調節する自律神経の働きに不調が生じる病気です。朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、腹痛、強い倦怠感などが現れ、登校や授業への参加が難しくなることがあります。
特に朝から午前中に症状が強い場合は、起床や身支度に時間がかかり、遅刻や欠席につながることがあります。登校できても、頭痛や倦怠感、頭がぼんやりする感覚などによって、授業に集中しにくい場合があります。
欠席が増えると授業を受ける機会そのものが減り、学習内容を理解しにくくなることもあります。また、「周囲より遅れている」「教室に入りづらい」といった不安が重なると、学校や勉強への負担をさらに強く感じる場合があります。
体調が悪い状態で注意されたり、怠けていると決めつけられたりすると、子どもが自信を失い、勉強への意欲が低下することもあります。
そのため、起立性調節障害の子どもが勉強に取り組めないときは、本人のやる気だけを問題にせず、症状の強さや学習環境、心理的な負担などを含めて考えることが大切です。
欠席や遅刻が続く場合は、勉強の遅れだけでなく、出席や進級、進路について不安を感じることもあります。起立性調節障害の子どもの進路の考え方については、下記の記事も参考にしてください。

起立性調節障害による勉強の遅れ・やる気がでない場合の対応方法
起立性調節障害によって勉強が遅れている場合は、まず子どもの体調や、学習しやすい時間帯を確認しましょう。
起立性調節障害では、朝から午前中に症状が強く、午後になると動きやすくなる人もいます。その場合は、朝から無理に机に向かわせるのではなく、比較的体調のよい時間帯に短時間から取り組む方法があります。ただし、症状の現れ方には個人差があるため、本人の状態に合わせることが大切です。
勉強の遅れを一度に取り戻そうとすると、子どもの負担が大きくなります。すべての教科を同じように進めるのではなく、提出が必要な課題や理解が不足している単元など、優先順位をつけて取り組みましょう。
また、家庭だけで対応しようとせず、学校の担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどに相談することも大切です。体調に応じて、次のような対応が可能か確認してみましょう。
- 遅刻や早退を含めた柔軟な登校
- 別室や保健室での学習
- 課題や提出期限の調整
- 授業資料やプリントの共有
- オンライン授業やICT教材の活用
- 試験時間や受験方法への配慮
家庭教師やオンライン学習、通信教育などを利用する方法もありますが、子どもの体調や希望に合っていなければ、かえって負担になることがあります。本人と相談し、無理なく続けられる方法を選びましょう。
保護者が勉強を教える場合も、親子の関係が「教える側と教わる側」だけにならないよう注意が必要です。勉強の進み具合だけでなく、体調や気持ちを確認しながら、できたことを認める声かけを意識しましょう。
下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
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【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)






