子どもにとって、病院を受診することは大人が想像する以上に不安や恐怖を感じる体験かもしれません。診察や検査への怖さ、過去のつらい経験などから、病院へ行くことを嫌がる子どももいます。
小学校高学年や中学生になると、「受診しても症状が変わらない」「医師にうまく説明できない」などの理由から、通院に前向きになれない場合もあります。
起立性調節障害の子どもは、朝から午前中にめまいや吐き気、頭痛、腹痛、強い倦怠感などが現れ、病院へ移動すること自体が難しいこともあります。また、通院を続けてもすぐに症状が改善しないことで、受診への不安や不信感を抱くこともあるでしょう。
一方で、症状の確認や治療方法の見直し、ほかの病気との区別を行うためには、医療機関への相談が必要になる場合があります。
本記事では、起立性調節障害の子どもが病院へ行きたがらない理由と、受診を勧める際に保護者が意識したい対応について解説します。

どうして病院に行きたがらないの?
子どもが病院へ行きたがらない理由は、一人ひとり異なります。診察や検査への恐怖だけでなく、体調が悪く移動できない、医師に症状を説明することが難しいなど、さまざまな理由が考えられます。
小さな子どもは、採血や予防接種などの経験から、病院を「痛いことや怖いことをされる場所」と感じている場合があります。白衣や診察室を見ただけで不安になったり、泣いたりすることも珍しくありません。
小学校高学年や中学生では、次のような理由から受診を嫌がることがあります。
- 体調が悪く、病院まで移動するのがつらい
- 採血や検査が怖い
- 医師に症状をうまく説明できない
- 何度受診しても体調が変わらないと感じている
- 自分の症状を否定された経験がある
- 待ち時間や人の多い場所が負担になる
起立性調節障害では、朝から午前中に症状が強く、起き上がるだけでもつらいことがあります。そのため、本人が病院へ「行きたくない」のではなく、体調のために「行けない」場合もあります。
また、複数回受診してもすぐに症状が改善しないと、「病院へ行っても意味がない」と感じることもあるでしょう。こうした気持ちを、単なる思い込みやわがままと決めつけないことが大切です。
まずは、「何が一番つらい?」「移動と検査のどちらが不安?」などと尋ね、受診を嫌がる理由を確認しましょう。
体調が悪く外出が難しい日は、無理をせず家で休むことも大切です。起立性調節障害の子どもの家での過ごし方や注意点については、下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】起立性調節障害の過ごし方・生活時の注意点
- 家での過ごし方・NG行動|起立性調節障害の子ども
- 起立性調節障害で朝起きれない時の起こし方・起こす際の注意点を解説
- 起こす時、起きた後に不機嫌になる|起立性調節障害の子供の対応方法、注意点
- 起立性調節障害の子供がお風呂でめまい・立ちくらみ。原因と対策を解説
- スマホ、ゲームをさせてもいい?依存による悪影響や対策を解説|起立性調節障害
- 起立性調節障害の子どもにかける言葉をシーン別に解説
- 日中にくる眠気(授業、仕事)の対策や原因を解説|起立性調節障害
- 病院に行きたくない|起立性調節障害の子供の対応方法を解説
- 運動制限したほうが良いの?起立性調節障害
- 季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説
- もしかして親のせい?起立性調節障害の子どもへの接し方とは
- 起立性調節障害の子供を持つ親は仕事を辞めたほうが良いの?
病院に行かせるべきなのか?
起立性調節障害は発症後約1年で50%程度が、発症後2-3年もすれば80%程度が自然に症状が改善すると言われています。重症化する子供はわずか1%程度と言われています。
しかし、なかには症状が長引く人もいます。症状が長引く主な原因は、疾患への適切な理解や対応ができていないこと、そして心理的な負担が大きいことなどが挙げられます。これらの理由からも病院への受診は必要だと考えられます。
起立性調節障害の治療過程では、疾患への適切な理解を持ち症状とうまく付き合っていく必要性があります。起立性調節障害という疾患に対する知識や理解を育む上では、やはり医療機関への受診が必要です。
非薬物療法として生活の中で行える工夫を親御さんだけでなく、子供自身が理解しておくことが治療の過程で非常に重要なのです。
また、心理的サポートとして専門のカウンセラーによる心理療法を受けること、症状が重症の場合は医師の判断のもと薬物療法を受けることもできるため、やはり医療機関との結びつきは重要だと思います。
しかし、子供は病院に行きたくない訳ではなく行けないという状況もあり得るため、親御さんは子供の意見や状態をよく鑑みて判断する必要があります。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説
病院に行きたがらない場合の対応方法
子どもが病院へ行きたがらない場合は、まず理由を聞き、負担を減らす方法を一緒に考えましょう。
症状が強く、午前中の移動が難しい場合は、比較的動きやすい午後や夕方に予約を変更できないか医療機関へ相談します。待ち時間が負担になる場合は、予約制の医療機関を選ぶことも一つの方法です。
また、次のような工夫も検討できます。
- 検査内容を事前に医療機関へ確認する
- 本人が話したい内容をメモにまとめる
- 待ち時間の短い時間帯を確認する
- 移動手段や付き添う人を変える
- 現在の医療機関が合わない場合は、別の医師へ相談する
子ども本人が最も症状や将来への不安を抱えている場合があります。保護者も焦って結論を出さず、本人の気持ちを受け止めながら、受診しやすい方法を一緒に探していきましょう。
病院へ行きたくない子どもにどのような言葉をかければよいか迷う場合は、無理に説得する前に、本人の不安やつらさを受け止めることが大切です。具体的な声のかけ方については、下記の記事も参考にしてください。
また、下記記事では「起立性調節障害の治し方・子供に対して親御さんができること」をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説
【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)







