起立性調節障害の子どもは朝起きられないことも多く、そのため学校にも行けなかったり、様々な体調不良に苦しんでいることが多いです。
起立性調節障害のお子さんを持つ親御さんは、「どのように接したらいいのか」「どのような言葉をかけてあげたらいいのか」など悩まれることが多いと思います。
こちらの記事では、起立性調節障害の子どもに見られる色々な症状、状況での接し方や言葉のかけ方などについて少しお話していきます。親御さんも不安や焦りが大きいと思いまるので、なかなか難しいことも多いかもしれませんが、少しでも参考になりましたら幸いです。
関連記事:起立性調節障害の子供に親ができること・治し方・治った方の事例
起立性調節障害の子どもにかける言葉
起立性調節障害を患っている子どもは症状の程度にもよりますが、実に色々な症状に苦しみ、日常生活で様々な制限を強いられることがあります。
朝起き上がることが困難で、めまいや気分不良、頭痛や腹痛など多くの症状が見られます。治療は日常生活での塩分・水分摂取の工夫や血圧を上げる薬剤や漢方薬などを使用した薬物療法がありますが、人によってはなかなか効果が見られにくかったり、自分に合った治療方法が見つからなかったりすることがあります。
この様な状況で、子どもは下記のような大きな不安を抱えていることが多いと考えられます。
- いつまで症状が続くんだろう
- ちゃんと治るのかな
- また学校に行けるのかな
- これからどうなっていくんだろう
まずは、「大丈夫だよ」など安心させる声掛けをしてあげてください。
もちろん親御さんもお子さんの症状を見て、同様の不安があるとは思います。ただ、起立性調節障害はホルモンバランスが大きく変化し、体も大きく成長する思春期に多い病気であり、成長とともに自律神経や身体も成長していき症状が改善することがほとんどです。一般的に、軽症例では数か月で、重症例では2-3年程度で改善すると言われておりますので、
焦ることなく、「大丈夫」と声をかけ、お子さんを安心させ、ストレスなくより良い治療環境を作ってみてください。
お子さんの不安や様々な気持ちを受け入れ、共感し肯定的な言葉をかけることができると理想的です。
【関連記事】起立性調節障害の過ごし方・生活時の注意点
- 家での過ごし方・NG行動|起立性調節障害の子ども
- 起立性調節障害で朝起きれない時の起こし方・起こす際の注意点を解説
- 起こす時、起きた後に不機嫌になる|起立性調節障害の子供の対応方法、注意点
- 起立性調節障害の子供がお風呂でめまい・立ちくらみ。原因と対策を解説
- スマホ、ゲームをさせてもいい?依存による悪影響や対策を解説|起立性調節障害
- 起立性調節障害の子どもにかける言葉をシーン別に解説
- 日中にくる眠気(授業、仕事)の対策や原因を解説|起立性調節障害
- 病院に行きたくない|起立性調節障害の子供の対応方法を解説
- 運動制限したほうが良いの?起立性調節障害
- 季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説
- もしかして親のせい?起立性調節障害の子どもへの接し方とは
- 起立性調節障害の子供を持つ親は仕事を辞めたほうが良いの?
朝起きれない場合にかける言葉
起立性調節障害のお子さんの大きな特徴として、早朝起床時の時間帯の症状が最も重いことです。本来起床時に活性化される交感神経の活性化が遅れ、身体がなかなか覚醒状態にならないため、起き上がることができず、起きてもふらつきや頭痛、気分不良などの症状がみられます。
起こす際には強く体を揺さぶったり、怒鳴って怒るようなことはさけましょう。ご本人は起きたくても起きあがれないので、ご家族の対応がストレスと感じてしまうと症状が更に悪化することがあります。余裕を持って複数回起こすよう促しましょう。
また、睡眠リズム、体内時計を整えるために、睡眠時間を決め、眠くなくても床につくことや、起床時間には窓を開け日光を部屋に入れることも重要です。
学校に行きたくない場合にかける言葉
症状がひどくて学校に行きたくないのか、学校での人間関係などで悩んでいて学校に行きたくないのか、まずは、可能な範囲でなぜ学校に行きたくないのか、理由を聞いてみてください。お子さんが理由を話してくれることもあれば、そうでないこともあります。
しかし、どんな理由であれ学校に行きたくないとお子さんが言った場合、一旦は学校を休ませて状況を観察してみることを提案してます。「行きなさい」と叱って無理やり学校に行き、状況がさらに悪くなってしまうことも考えられます。
起立性調節障害の症状がひどい場合はしっかりと休養させることは重要です。
お子さんも他の皆と同じように登校したいと考えているので、「体調がよくなったら学校に行こうね」「無理して体調が悪化することも心配だから、今は体調を整えることに専念しよう」などと穏やかに声をかけることが望ましいです。
病院に行きたくない場合にかける言葉
病院に行きたくない原因として、下記が考えられます。
- 体調が悪く病院まで移動したくない/できない
- 病院で様々な検査をするのが怖い
- 病院に行っても病状が一向に良くなってないから行きたくない
現状を主治医に診てもらうことは、治療方法の見直しや別の疾患の可能性などを確認するために必要です。
症状が重くて病院に行きたくてもいけない場合は、それほど症状が重いわけですから当然医療機関を受診する必要性があります。
「これだけ症状がひどいからしっかり先生に診てもらって少しでも良くなる治療方法を試してみよう」など病気のことを子供とよく相談することが重要です。
基本的に、起立性調節障害のお子さんは午前中は症状が重いことが多いですが、午後には改善する傾向にあるため、午前中の受診が難しくても症状が緩和しやすい午後や夕方に通院時間を変更するなどのちょっとした工夫で受診できるようになるかもしれません。
また、医療機関への不信感が強い場合は、子供が医療機関に受診する意味や必要性を理解出来ていない可能性があるため、親御さんがしっかり子供に説明することが重要です。
いきなり受診を勧めるのではなく、まず子供の辛さに耳を傾けて共感してあげる必要があり、医療機関に受診することの意味やメリットを理解できるように説明してあげてください。
ご家族で起立性調節障害の病気に対する知識を深めることもが非常に重要です。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説
ストレスを与えずに見守ることが重要
ここまで、様々な状況での言葉のかけ方についてお話してきましたが、親御さんも大きな不安や焦りを抱えている中で、実際はこのように常に穏やかに、肯定的な言葉をかけることは簡単ではないと思います。
お子さんがストレスを感じると症状が悪化しやすくなってしまいますので、この点には注意したいですが、時々少々きつい言葉をかけてしまうこともあると思います。
そのような場合は、事後に親御さんもお子さんのことが心配であることを素直に話されたらいいと思います。そのうえで、より良い家族関係、より良い治療環境になり、症状が改善していくのではないかと考えます。
お子さんも親御さんも共に病気を治したい、今の状況からよくなりたいとの思いは同じなので、できるだけ対話をしながら少しずつ進んで行かれたらいいと思います。
起立性調節障害の治し方の詳細は下記の記事でご紹介していますので、是非一度お読みになってください。
【関連記事】起立性調節障害の治し方
- 起立性調節障害の治し方・親ができること・治った方の事例を解説
- 起立性調節障害を改善するためには乳酸菌が重要-期待できる効果を解説
- 起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説
- セロトニン・ストレス・起立性調節障害の関係|セロトニンの分泌方法を解説
- 今すぐ実践できる運動療法|起立性調節障害
- 自宅でできる栄養療法!起立性調節障害にオススメの食べ物などを紹介
- 起立性調節障害に効果的な食べ物(栄養素)とは?1日の摂取量や控えたい食べ物を解説
- 起立性調節障害はプロテイン(タンパク質)で症状が改善されるの?
- 起立性調節障害はサプリで症状が改善されるの?
- 起立性調節障害における硬膜外酸素注入療法とは?期待できる効果を解説