起立性調節障害とは

子供が寝ても疲れが取れないのはなぜ?原因・対処法・考えられる病気を解説

2024年9月23日

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

  • 十分睡眠時間を確保しているのに、子供が日中だるそう
  • 寝ても疲れが取れない子供の不登校が心配

このような不安や悩みを抱えている親御さんもいるでしょう。

子どもが寝ても疲れが取れない状態が続くと、日中の活動量が減ったり、集中力が続きにくくなったりすることがあります。学校生活や家庭での過ごし方に影響が出る場合もあるため、原因を確認することが大切です。

原因には、睡眠時間の不足、スマートフォンやパソコンの使用、ストレス、食事や運動習慣、就寝環境などが関係している場合があります。一方で、睡眠時無呼吸症候群、うつ病、甲状腺機能低下症、貧血、起立性調節障害などの病気が隠れていることもあります。

この記事では、子どもが寝ても疲れが取れない場合の原因や対処法、考えられる病気について解説します。


子どもが寝ても疲れが取れない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。

朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

子供が寝ても疲れが取れないのはなぜ?原因とは?

子どもが寝ても疲れが取れない場合、生活習慣や睡眠環境が関係していることがあります。だからこそ原因を把握してしっかり是正すれば、症状の改善が見込めます。

ここではよくある原因を5つ紹介します。子供が同じような生活習慣を送っていないかチェックしましょう。

睡眠時間が少ない

子供が寝ても疲れが取れない場合、まずは睡眠時間が不足している可能性があります。適切な睡眠時間に基準はなく、各個人によって身体や精神の調子に合った睡眠時間は異なりますが、それでも明らかに睡眠時間が短い場合は注意が必要です。

Hirshkowitzらの研究によれば、成長に伴って子供の平均睡眠時間は短縮傾向にあり、新生児なら14〜17時間、1〜5歳なら10〜14時間、6〜13歳なら9〜11時間が推奨される睡眠時間とされています。

特に最近では習い事や塾などの理由で夜型の生活を送る子供が増えているため、子供の睡眠時間が少なくなる可能性も高く注意が必要です。睡眠時間が短いと子供の運動能力や記憶能力の低下にもつながるため、子供の睡眠時間はしっかり確保しましょう。

睡眠時間を確保しているつもりでも、睡眠の質が下がっていると日中の眠気や疲れにつながることがあります。子どもの睡眠障害の可能性を確認したい方は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

夜までスマホやPCを見ている

子供が夜までスマホやPCを使っていると、寝ても疲れが取れない可能性があります。これまでのさまざまな研究で、スマホやPCの操作時間が長い子供では睡眠の質や時間が短いことが知られています。

さらに、スマホやPCから発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンである「メラトニン」の産生を抑制することも知られているため注意が必要です。

日中に体内で産生されたセロトニンと呼ばれるホルモンは、夜間光刺激がなくなると脳内部の松果体に取り込まれ、松果体の中でメラトニンの原料となります。

しかし、夜遅くまでブルーライトを浴びているとこの反応が起こらず、メラトニンの産生量の減少によって睡眠の量や質も低下します。そのため、少なくとも就寝の2時間以上前には不必要な光刺激は避けるようにしましょう。

心身にストレスを抱えている

子供が寝ても疲れが取れない場合、心身に重大なストレスを抱えている可能性があります。良質な睡眠には副交感神経の活性化が必要ですが、ストレスを抱えると交感神経が活性化することで副交感神経が相対的に抑制されてしまうため、睡眠の質が低下して疲れが取れにくくなる可能性があるためです。

特に子供は生活のさまざまなシーンでストレスを抱えやすく、周囲にそれをうまく伝えることもできないため、親御さんの気付かぬうちにストレスを抱えている可能性があります。

対人関係やクラス替え、テストや受験など、学校内でのストレスはもちろんのこと、家族内での不和や親の離婚など、ストレスの原因は家庭にもあります。

子供のストレスをチェックするためにも、日頃から子供と積極的にコミュニケーションを取っておくとよいでしょう。

食事や運動習慣が不適切

子供が寝ても疲れが取れない場合、食生活や運動習慣が適切ではない可能性があります。バランスの悪い食事や就寝直前の暴飲暴食は身体の活力を削ぎ、疲労感や倦怠感の原因となります。

また、先述したように、睡眠の質を向上させるにはメラトニンの原料であるセロトニンが重要ですが、このセロトニンの原料はトリプトファンと呼ばれるアミノ酸で、トリプトファンは乳製品に多いため乳製品の摂取も重要です。

次に、運動は交感神経と副交感神経のバランスを整える作用があるため、程よい運動習慣によって睡眠の質や身体の調子が保たれます。運動不足だと自律神経のバランスが乱れてしまうため、体を動かす機会の少ない子供は注意が必要です。

特に食事内容や食事摂取時間は親御さんによってコントロールできる裁量が大きいため、ぜひ子供の健康のためにも食習慣を見直してみましょう。

就寝環境が不適切

子供が寝ても疲れが取れない場合、就寝環境が不適切である可能性があります。就寝環境が不適切な場合、睡眠時間を確保しても睡眠の質が低いため、どんなに寝ても体や頭の疲れが解消されない可能性があります。

高さの合わない枕の使用や固すぎるマットレスの使用は睡眠の質が低下するため、疲れが取れない原因です。 また就寝中の音や光、振動などの外部からの刺激は睡眠中も脳に入力されてしまうため、睡眠にとって有害です。

ほかにも、室温や湿度など睡眠の質に影響する要因は多いため、寝ても疲れが取れない場合は就寝環境を見直すと良いでしょう。

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子供が寝ても疲れが取れない場合に考えられる対処法とは?

子どもが寝ても疲れが取れない状態が続くと、日中の眠気や集中力の低下、朝の起きにくさにつながる場合があります。

まずは生活習慣や睡眠環境を見直し、できることから整えていきましょう。

生活習慣の見直し

子供が寝ても疲れが取れない場合、まずは生活習慣を見直しましょう。多くの場合、その原因は日常の生活習慣や誤った行動パターンにあるためです。

規則正しくバランスの良い食事摂取・規則正しい睡眠習慣・定期的な運動習慣を身につけ、就寝環境を整えるように心がけましょう。

適切なストレス管理

子供が寝ても疲れが取れない場合、子供のストレス状況をチェックし、過剰なストレスを抱えている場合は発散できるように努めましょう。

ストレスが溜まると自律神経が乱れ、心身の調子が乱れて疲れが取れにくくなるためです。ストレス発散の方法は子供によっても異なりますが、運動や映画鑑賞・散歩・読書など、それぞれの子供に合った方法でストレス発散しましょう。

また、ゲームによるストレス発散は逆に心身の疲れや睡眠の質の低下につながる可能性があるため、1日2時間までに留めるなど、ゲームに割く時間の上限を決めてストレス発散すると良いでしょう。

睡眠日誌で睡眠時間をチェック

睡眠日誌とは、布団に入った時間、実際に眠った時間、起きた時間、昼寝の有無、日中の眠気などを記録するものです。

記録を続けることで、睡眠時間や生活リズムの乱れに気づきやすくなります。たとえば、布団に入ってから眠るまでに時間がかかっている、平日と休日で起床時間が大きくずれている、といった特徴を確認できます。

睡眠の状態を把握するために、まずは数日から1週間程度、睡眠日誌をつけてみるとよいでしょう。

子供が寝ても疲れが取れない場合に考えられる病気とは?

子どもが寝ても疲れが取れない原因には、生活習慣や睡眠環境が関係している場合があります。

一方で、症状が長引く場合や日常生活に支障が出ている場合は、病気が関係している可能性もあります。

ここでは、子どもが寝ても疲れが取れない場合に考えられる病気を紹介します。

睡眠時無呼吸症候群

子供が寝ても疲れが取れない場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り、睡眠中に呼吸が減る、もしくは完全に止まることで睡眠中に取り込める酸素量が低下し、脳や身体が十分に休めなくなってしまう病気です。

睡眠時無呼吸症候群の原因としては巨舌や小顎・扁桃肥大やアデノイドなどが挙げられ、これによって気道が狭窄することで睡眠中の呼吸が減る、もしくは止まってしまいます。

また、睡眠時無呼吸症候群が長期化すると持続的な低酸素状態に伴うストレスによって、交感神経が持続的に活性化し、高血圧や糖尿病・心筋梗塞・不整脈・脳血管障害などの重篤な疾患を発症しやすくなることが知られており、注意が必要です。

子供のいびきがうるさい場合には、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため一度医療機関に受診させると良いでしょう。

うつ病

子どもが寝ても疲れが取れない場合、うつ病などのこころの不調が関係していることもあります。

うつ病は、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに不調が起こることで発症すると考えられています。子どもでも、進級や転校、友人関係、家庭環境の変化などがきっかけになる場合があります。

思春期のうつ病では、気分の落ち込みだけでなく、疲れやすさ、睡眠の変化、集中力の低下、頭痛などがみられることもあります。症状が続く場合は、本人だけで抱え込まず、医療機関や相談窓口で相談しましょう。

思春期にみられやすいうつ病の症状については、下記の記事も参考にしてください。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が不足し、体の代謝が低下する病気です。

甲状腺ホルモンは、体の代謝や成長、エネルギーの使い方に関わっています。不足すると、疲れやすさ、むくみ、寒がり、体重増加、便秘、動作がゆっくりになる、集中力の低下などがみられることがあります。

症状だけで判断することは難しいため、気になる症状が続く場合は、小児科や内科で相談しましょう。

貧血

子供が寝ても疲れが取れない場合、貧血の可能性があります。貧血とは血液中の赤血球が不足している状態を指し、赤血球の主な役割である全身への酸素運搬が障害されることで脳や身体が十分に酸素を受け取れなくなるため、疲労感の原因となります。

特に女児の場合は月経開始とともに貧血に陥りやすくなるため、小学生高学年や中学生で症状を認める場合は貧血の可能性が高いです。また、稀ですが骨髄の病気によって赤血球そのものを作る能力が低下している可能性もあるため、注意が必要です。

貧血の場合、通常は鉄剤の内服が一般的ですが、原因によっては対応も異なるため、やはり早期に小児科や一般内科への受診を勧めます。

思春期の貧血でみられやすい症状や対処法については、下記の記事も参考にしてください。

もしかしたら起立性調節障害かも

子どもが寝ても疲れが取れない場合、起立性調節障害が関係していることもあります。

起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気などの症状がみられることがあります。

特に朝から午前中にかけて体調が悪く、午後や夕方になると少しずつ動けるようになる場合があります。そのため、周囲からは「夜は元気なのに、朝は起きられない」「寝ても疲れているように見える」と感じられることもあります。

ただし、寝ても疲れが取れない状態だけで起立性調節障害と判断することはできません。睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、貧血、甲状腺機能低下症、うつ病などが関係している場合もあるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。

寝ても疲れが取れない状態に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。下記のセルフチェックも参考にしてください。

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