思春期には、体と心が急激に変化するため、頭痛、腹痛、だるさ、めまい、気分の落ち込みなど、さまざまな体調不良がみられることがあります。
一時的な不調で落ち着く場合もありますが、症状が続く場合は、ホルモンバランスの変化やストレス、睡眠不足、貧血、起立性調節障害などが関係している可能性もあります。
こちらの記事では、思春期の子どもにみられる体調不良の原因や、考えられる病気について解説します。
思春期の体調不良が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

思春期の体調不良は何が原因?
思春期は、体や心が大きく変化する時期です。身長や体重が増え、性ホルモンの分泌も活発になるため、体のだるさ、頭痛、腹痛、めまい、気分の不安定さなどがみられることがあります。
また、学業や友人関係、進路への不安など、ストレスを感じやすい時期でもあります。ストレスや睡眠不足が続くと、体調不良や気分の落ち込みにつながる場合もあります。
このように、思春期の体調不良には、体の成長、ホルモンバランスの変化、生活リズムの乱れ、ストレスなどが複雑に関係していることがあります。
ここでは、男の子・女の子それぞれでみられやすい不調について解説します。
男の子にみられやすい思春期の不調
男の子の場合の原因について解説します。
成長痛
思春期には身長が急に伸びることがあり、膝や脚の痛みを訴える場合があります。夕方から夜にかけて痛みを感じることもあります。
ただし、痛みが強い、片側だけが痛い、腫れや発熱を伴う、歩きにくいといった場合は、ほかの病気やけがが関係している可能性もあるため、医療機関で相談しましょう。
過敏性腸症候群
腸に目立った炎症や病変がないにもかかわらず、腹痛や不快感、便通の異常(下痢や便秘)が慢性的に続き、消化機能に問題が生じる疾患です。
腹痛やお腹の張り、腹部の不快感は排便によって軽減することが多く、排便後もすっきりしない、残便感が続く場合もあります。
明確な原因は完全には解明されていませんが、ストレスや不安、緊張が腸の機能に大きく影響を与えることが多く、心理的なストレスが症状を悪化させることが知られています。
ニキビなどの肌トラブル
思春期には性ホルモンの影響で皮脂の分泌が増え、ニキビや脂性肌などの肌トラブルがみられることがあります。
肌の変化が気になり、精神的なストレスにつながる場合もあります。症状が強い場合や長引く場合は、皮膚科で相談しましょう。
不安障害
不安障害は、強い不安や恐怖が続き、日常生活に支障が出ることがある状態です。
不安は誰にでも起こる自然な感情ですが、不安が長く続く、学校生活や家庭生活に影響している、体調不良を伴うといった場合は、医療機関や相談窓口につなげることが大切です。
うつ病
うつ病は、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに不調が起こることで発症すると考えられています。
症状としては、気分の落ち込み、興味や意欲の低下、不安、食欲の変化、疲れやすさ、頭痛、首や肩のこり、睡眠の乱れなどがみられることがあります。
思春期では、こころの不調としてはっきり現れるだけでなく、体の不調や行動の変化として現れる場合もあります。症状が続く場合は、本人だけで抱え込まず、医療機関や相談窓口で相談しましょう。
思春期のうつ病では、気分の落ち込みだけでなく、疲れやすさ、頭痛、睡眠の変化、集中力の低下などがみられることもあります。思春期にみられやすいうつ病の症状については、下記の記事も参考にしてください。
女の子にみられやすい思春期の不調
女の子の場合の原因について解説します。
やせ
思春期は身長や筋肉、骨格が発達し、体に必要なエネルギー量も増えやすい時期です。食事量が不足すると、体重が増えにくくなったり、やせにつながったりすることがあります。
また、思春期は外見や体型への意識が高まりやすい時期でもあります。食事制限が強くなると、栄養不足や月経の乱れ、体調不良につながる場合があるため注意が必要です。
過換気症候群
過換気症候群は、不安や緊張などをきっかけに呼吸が速くなり、息苦しさ、胸の違和感、めまい、手足や口のまわりのしびれなどがみられる状態です。
思春期は感情の変化が大きく、ストレスや不安を感じやすい時期でもあるため、過換気症候群がみられることがあります。症状を繰り返す場合は、医療機関で相談しましょう。
月経前症候群
月経が始まる1~2週間前に心身にさまざまな不快な症状が現れ、月経が始まると軽減または消失する状態を指します。
PMSは一般的に思春期以降の女性に見られますが、特に思春期においてはホルモンバランスの変動が激しく、PMSの症状が強く出ることがあります。
症状としては、乳房の張りや痛み、だるさ、むくみ、頭痛などの身体の症状、イライラや集中力低下などの精神的な症状があります。
摂食障害
摂食障害は、食事や体型、体重への強いこだわりによって、心身に影響が出る病気です。食事量を極端に減らす、食べたあとに吐く、体重や体型への不安が強いなどの様子がみられる場合があります。
思春期の子どもや若い女性にみられることがあり、体の変化やストレスが関係する場合もあります。気になる様子がある場合は、早めに医療機関や相談窓口につなげましょう。

片頭痛
片頭痛は、ズキズキとした痛みがみられることがある頭痛です。光や音がつらい、吐き気を伴うなどの症状が出る場合もあります。
睡眠不足や寝すぎ、空腹、気圧や天候の変化、ストレス、月経周期などが関係することがあります。
思春期の頭痛は、片頭痛だけでなく、睡眠不足やストレス、起立性調節障害などが関係している場合もあります。
中学生・高校生それぞれでみられやすい頭痛の原因や対処法については、下記の記事も参考にしてください。
貧血
思春期ではエネルギー、栄養素などすべての面で需要が増しており、特に鉄の不足から鉄欠乏性貧血に注意が必要です。
特に女の子の場合、月経が始まることで鉄分が不足しやすくなるので、食事で栄養素をしっかり摂取することを心がけることが重要です。
思春期の貧血では、だるさ、息切れ、動悸、立ちくらみ、集中力の低下などがみられることがあります。中学生の貧血でみられやすい症状や対処法については、下記の記事も参考にしてください。
思春期で体調不良が続く場合に考えられる原因とは?
思春期は、身体的・心理的・社会的に大きな変化を経験する時期です。身長や体重が増え、性ホルモンの分泌も活発になるため、体の不調を感じやすくなることがあります。
また、自我が発達し、他人からの評価に敏感になったり、友人関係や進路への不安が強くなったりすることもあります。こうしたストレスが、頭痛、腹痛、だるさ、睡眠の乱れなどにつながる場合もあります。
まずは、食事、睡眠、運動などの生活リズムを整えることが大切です。栄養バランスのよい食事、十分な睡眠、無理のない運動を意識しましょう。
それでも体調不良が続く場合や、学校生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
思春期の体調不良が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気、動悸などの症状がみられることがあります。
特に朝から午前中にかけて体調が悪く、午後になると少しずつ動けるようになる場合があります。そのため、周囲からは「午後は元気なのに、朝だけ起きられない」と見えることもあります。
ただし、思春期の体調不良だけで起立性調節障害と判断することはできません。貧血、片頭痛、月経に伴う不調、うつ病、ストレス、睡眠不足などが関係している場合もあるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
思春期の体調不良に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。下記のセルフチェックも参考にしてください。









