大人と同じように、高校生の子どもにも頭痛がみられることがあります。
頭痛というと片頭痛を思い浮かべる方も多いですが、思春期にみられやすい起立性調節障害でも、症状のひとつとして頭痛が出ることがあります。
そのため、子どもが頭痛を頻繁に訴えている場合、片頭痛だけでなく、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
こちらの記事では、高校生にみられる頭痛の原因や考えられる病気、対処法について解説します。
高校生の頭痛が長引く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。
高校生で頭痛がする原因
高校生を含め子どもの頭痛の多くを占めるのが片頭痛です。片頭痛は、脳の血管や神経の働きが関係して起こると考えられています。
頭痛が出現するメカニズムには血管や脳圧、神経伝達物質、筋肉などが深く関与しています。
脳への血流は体を循環する血流量や体位によって変化し、自律神経により調整されています。したがって、自律神経のバランスが崩れることでも頭痛は出現します。
気温や気圧の変化によって頭痛が出やすくなる場合もあり、雨の日や曇りの日に症状が強くなる人もいます。
特に、高校生の場合、学業や部活動での成績へのプレッシャーや人間関係などのストレス、大学・就職への不安などで頭痛が見られることが多いと考えられます。
授業中に頭痛が見られることで集中力が低下し、授業を理解できない焦りから頭痛が悪化するということもあります。
高校生で頭痛がする時に考えられる病気
頭痛がする時に考えられる病気としては以下のものがあります。
片頭痛
詳しいメカニズムは不明ですが、脳血管が拡がることで血管周囲の神経が刺激され頭痛が引き起こされると言われています。
誘因はない場合も多いですが、よく知られているものとしては、飲酒や空腹、チョコレートやワイン、ナッツ類の摂取、睡眠不足や過眠、天候や気温の変化、ストレス中やストレスから解放された後などに頭痛が見られることが多いです。
やや女性に多く、生理周期や女性ホルモンとの関与も指摘されています。
片頭痛ですが、片側だけにとどまらず両側のこめかみが心臓の拍動に従ってズキンズキンと痛みます。
光や音、臭いに敏感になることもあります。発作は数時間から長ければ数日継続することがあります。
緊張型頭痛
後頭部から首、肩などの筋肉の緊張により起こる頭痛で、片頭痛とは異なり、基本的には両方が痛みます。
最近では、スマートフォン操作による姿勢の悪化が原因でこの緊張型頭痛が見られているケースが増えています。
うつ病
起床時に頭痛がある人では、うつ病や不安障害、不眠などが多いと報告されています。
うつ病は気分が強く落ち込み、何事にも意欲が出なくなり、睡眠や食事などへも影響を与える病気です。
不眠や過眠により頭痛が出現したり、体の色々な不調が見られます。起床時や午前中が特に不調であることも良くある特徴の一つです。
脳腫瘍
非常にまれではありますが、脳腫瘍でも頭痛が起こることがあります。
脳腫瘍では、頭痛のほかに、視力の異常、耳鳴り、吐き気や嘔吐、手足の動かしにくさ、けいれんなどの症状がみられる場合があります。
頭痛は脳腫瘍の患者さんの30〜60%程度にみられるとされており、早朝に頭痛が出るケースもあります。ただし、頭痛だけで脳腫瘍かどうかを判断することはできません。
これまでに経験したことがない強い頭痛や、吐き気・嘔吐、麻痺、けいれん、視力の異常などを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
高校生で頭痛がする時の治し方
上記でご紹介した頭痛がする場合に考えられる病気についての治療法をそれぞれ解説していきます。
片頭痛
片頭痛では、症状に応じてロキソニンやアセトアミノフェンなどの鎮痛薬が使われることがあります。ただし、頻繁に使用すると薬物乱用頭痛につながる場合があるため注意が必要です。
症状が強い場合や頭痛を繰り返す場合は、医師の判断でトリプタン製剤が検討されることもあります。トリプタン製剤は、片頭痛の痛みに関わる血管や神経の働きに作用し、頭痛をやわらげる目的で使われる薬です。
発作時には光や音の刺激がない部屋で十分な休養をとる必要があります。また、日ごろより十分な睡眠時間を確保しストレスを溜めないように心がけましょう。
緊張型頭痛
首などの筋肉に負担がかからないように寝具の見直し、スマートフォン操作などでの長時間の同一姿勢を控えることなどが必要です。
また、運動不足により筋力が低下することでも首や肩に負担がかかりやすくなるため、適度な運動も重要です。
痛みが強い場合は鎮痛薬を使用することもあり、その他場合によって筋弛緩薬や抗うつ剤、抗不安薬が一時的に使用されることもあります。
うつ病
うつ病などのこころの不調が関係している場合は、十分な休養や心理的なサポートが大切です。
症状に応じて、医師の判断で薬物療法やカウンセリングが検討されることもあります。
脳腫瘍
良性か悪性か、また腫瘍ができた部位、病期にもよりますが、基本的には腫瘍を取り除くための外科手術が行われます。
頭蓋内圧を下げるためにステロイドや高浸透圧利尿剤を使用することもあります。
すぐにできる対処法
寝不足やダイエットなどによる栄養不足など生活習慣の乱れがないかを再確認してみてください。
介入できそうな問題を改善しても頭痛が継続する場合、市販の頭痛薬を漫然と使用するより、やはり一度は医療機関を受診することをおすすめします。
緊張型頭痛であれば温めやマッサージで痛みが和らぐことも多いのですが、温めやマッサージを片頭痛の子どもにすると痛みがひどくなってしまいます。
この様に、頭痛のタイプによっても対処方法が異なるため、医療機関を受診し診断をつけることは重要です。場合によっては脳の病気がないか検査をする必要があります。
また、今まで経験したことがないような強い痛みの場合は、早急に受診してください。
もしかしたら起立性調節障害かも
高校生の頭痛では、起立性調節障害が関係している場合もあります。起立性調節障害では、めまいやふらつき、立ちくらみ、頭痛、腹痛、吐き気など、さまざまな症状がみられることがあります。
特に、朝から午前中にかけて体調が悪く、午後になると少しずつ動けるようになる場合は、起立性調節障害が関係している可能性があります。朝起き上がれない、起きたあとも頭痛やめまい、吐き気が続くといった症状がある場合は注意が必要です。
ただし、頭痛だけで起立性調節障害と判断することはできません。片頭痛や緊張型頭痛、睡眠不足、ストレス、こころの不調などでも頭痛は起こるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
頭痛に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感などが続く場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。セルフチェックの項目や受診の目安を知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。






