思春期はホルモンバランスが大きく変化し、体の成長や心の変化など、さまざまな面で変化が起こりやすい時期です。一般的には、体の成長に伴って必要なエネルギー量や栄養素の量が増えやすい時期ですが、さまざまな原因で食欲不振になることもあります。
親から少しずつ自立していく時期でもあるため、外出先で自分の好きなものを購入して食べる機会が増え、食事の時間や内容が乱れることもあります。
こちらの記事では、思春期における食欲不振の原因を中心に、解消方法などについて解説します。
思春期の食欲不振は、生活リズムの乱れやストレス、胃腸の不調などが関係している場合があります。
特に、朝食が食べられない、朝起きられない、立ちくらみや倦怠感を伴う場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。下記のセルフチェックも参考にしてください。
思春期の食思不振は何が原因?男女別に解説
思春期のお子さんをお持ちの親御さんであれば、我が子にはたくさん食べてしっかりと健康的に成長していってほしいと願うと思います。子どもの食事量が少ない、なかなか食べてくれない、どんどん痩せていくなどの状況であれば、とても心配になると思います。
思春期の子どもに食思不振の症状がある場合、原因は何なのか、性別に分けて解説していきます。
男女に共通する原因
男女ともに共通する原因として、主に下記のようなものがあります。
自己イメージや体型への意識
思春期になると、外見や体型への意識が高まりやすくなります。体型への不安から無理なダイエットをしたり、食事を制限したりするケースもあります。
また、男子でも筋肉質な体型を理想として、過度なトレーニングや食事制限を行うことがあります。このような体型への強い意識が、食欲不振につながる場合があります。
ストレス
学校の成績、進学のプレッシャー、部活動、友人関係、家庭内の問題など、思春期の子どもは多くのストレスを感じることがあります。
心理的なストレスが胃腸の働きに影響し、食欲不振につながる場合もあります。思春期は感情が揺れやすく、ストレスが腹痛や吐き気、食欲低下などの身体症状として現れることもあります。
思春期の食欲不振には、学校生活や友人関係、家庭でのストレスが関係している場合もあります。中学生にみられやすいストレスの原因や対処法については、下記の記事も参考にしてください。
不規則な生活習慣
思春期には夜更かしやスマートフォンの長時間使用、徹夜で勉強するなど、様々な要因で睡眠や食事の時間が不規則になることが増えます。
これにより、体内時計が乱れ、食欲を正常に感じるタイミングがずれてしまうことがあります。
感染症や消化器系の問題
風邪やインフルエンザなどの感染症、あるいは胃腸炎など胃腸の不調が原因で一時的に食欲がなくなることがあります。
思春期は成長過程で免疫力が不安定な時期でもあり、病気が食欲不振に繋がることもあります。
男子の場合
こちらでは思春期の男子が食欲不振になる原因を解説します。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、腸に明らかな炎症や病変がないにもかかわらず、腹痛、腹部の不快感、膨満感、下痢や便秘などが続く病気です。
腹痛やお腹の張りは、食事のあとに強くなることがあります。そのため、食事をすると不快感が出るのではないかと不安になり、食べる量が減ってしまう場合もあります。
思春期にみられる過敏性腸症候群の症状や対処法については、下記の記事も参考にしてください。
うつ病
うつ病は、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに不調が起こることで発症すると考えられています。
症状としては、気分の落ち込み、興味や意欲の低下、不安、食欲の変化、疲れやすさ、頭痛、首や肩のこり、睡眠の乱れなどがみられることがあります。
思春期では、こころの不調としてはっきり現れるだけでなく、体の不調や行動の変化として現れる場合もあります。食事に対する興味が薄れたり、食欲が低下したりすることもあります。
思春期のうつ病では、気分の落ち込みだけでなく、食欲の低下、疲れやすさ、睡眠の変化、集中力の低下などがみられることもあります。思春期にみられやすいうつ病の症状については、下記の記事も参考にしてください。
女子の場合
こちらでは思春期の女子が食欲不振になる原因を解説します。
月経前症候群やホルモンバランスに関連した不調
女子の場合、月経周期に伴うホルモンバランスの変化が食欲に影響することがあります。
月経前には、腹部の張り、便秘や下痢、胃の不快感、だるさ、気分の落ち込みなどがみられる場合があります。こうした不調によって、食事が進みにくくなることもあります。
特に思春期は月経周期が安定しないこともあり、体調や食欲の変化が大きく出る場合があります。
摂食障害
摂食障害は、食事や体型、体重への強いこだわりによって、心身に影響が出る病気です。
食事量を極端に減らす、食べたあとに吐く、体重や体型への不安が強い、やせたい気持ちが強いなどの様子がみられる場合があります。
思春期の子どもや若い女性にみられることがあり、体の変化やストレスが関係する場合もあります。気になる様子がある場合は、早めに医療機関や相談窓口につなげましょう。
思春期の食欲不振を解消する方法とは?
思春期の食欲不振では、体の成長、生活リズム、ストレス、胃腸の不調など、さまざまな面から原因を考えることが大切です。
ここでは、家庭で取り入れやすい対処法を紹介します。
バランスの取れた食事の工夫
下記の3点意識してバランスの取れた食事を摂りましょう。
少量を頻繁に食べる
どうしても食欲がない、食が進まない場合、無理に大量の食事を摂るのではなく、少量ずつ、栄養価の高い食事を1日に複数回に分けて食べるようにすることも効果的です。
これにより、食べることへの抵抗感が減り、必要な栄養を確保しやすくなります。
消化に良い食品を選ぶ
思春期は胃腸の調子が不安定なこともあります。
消化に優しい食品(スープ、蒸し野菜、柔らかい炭水化物、豆腐、フルーツなど)を中心にした食事が効果的です。
栄養補助食品やスムージーの活用
食欲が低下していて食事量が少ない場合は、スムージーや栄養補助食品を活用する方法もあります。
ただし、栄養補助食品だけに頼るのではなく、食事全体のバランスを意識することが大切です。体重減少がある、食事がほとんど取れない状態が続く場合は、医療機関で相談しましょう。
ストレスとメンタルケアの実践
下記の3点意識してストレスとメンタルケアを実践しましょう。
心理的なストレスの軽減
思春期の食欲不振は、ストレスや不安が原因となることが多いため、メンタルケアが大切です。
カウンセリングや信頼できる人との会話などで、ストレスの根本を見つけ、それを和らげるための対策を考えることが効果的です。
リラクゼーション法
深呼吸、軽いストレッチ、音楽、読書など、子どもが落ち着きやすい方法を取り入れることも大切です。
リラックスした状態で過ごす時間が増えると、食事への負担感がやわらぐ場合があります。
趣味や運動
無理のない範囲で体を動かすことや、趣味を楽しむことは、ストレス解消に役立つ場合があります。
適度な運動は生活リズムを整えるうえでも大切です。子どもが集中して取り組める趣味を見つけることも、気分転換につながることがあります。
規則正しい生活習慣の確立
下記の2点意識して規則正しい生活習慣を確立しましょう。
十分な睡眠
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲にも悪影響を与えるため、十分な睡眠を取ることが大切です。
寝る前にスマホやパソコンを使う時間を減らし、規則正しい生活リズムを作ることがポイントです。
睡眠不足や生活リズムの乱れは、食欲や日中の体調にも影響することがあります。夜眠れない、朝起きられない、日中の眠気が強い場合は、下記の睡眠障害のセルフチェックも参考にしてみてください。
決まった時間に食事を取る
食事の時間を毎日できるだけ同じにして、体内時計を整えることが食欲回復に役立ちます。
朝食を抜かず、決まった時間に3食取るよう心がけましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
思春期の食欲不振では、起立性調節障害が関係している場合もあります。
起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、腹痛、吐き気などの症状がみられることがあります。
特に朝から午前中にかけて体調が悪く、朝食を食べられない場合があります。一方で、午後になると少しずつ体調が回復し、昼食や夕食は食べられることもあります。

ただし、食欲不振だけで起立性調節障害と判断することはできません。胃腸の不調、ストレス、月経に伴う不調、こころの不調などが関係している場合もあるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
朝食が食べられない状態に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などを伴う場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。下記のセルフチェックも参考にしてください。








