思春期は身体も心も大きく成長、変化する時期で、多感な時期でもあります。心身の変化が大きい上に、社会生活の幅も広がり、学校生活や受験をはじめとする様々なストレスがかかりやすい環境で過ごすことも多く、精神疾患を引き起こしやすい要因でもあります。
こちらの記事では、思春期に見られやすい精神疾患について原因や対処方法ととも解説していきます。
この思春期に見られやすい疾患の一つに起立性調節障害というものがあります。
うつ病などと症状が似ている場合もあり、診断が困難なこともあります。立ち上がると血圧が急激に変化し、めまいやふらつき、失神などの症状が現れることが特徴です。
この障害は、主に自律神経の調整機能が未熟なために起こります。自律神経には交感神経と副交感神経があり、私たちの身体の様々な調整を行っています。調整する機能や一日の中での時間帯でもどちらが優位に働くかがことなります。
本来早朝起床時に活性化するはずの交感神経の活性が遅れ、朝なかなか起きられない、というのがこの病気の典型的な症状の一つです。早朝起床時が最も症状が重く、交感神経の働きが時間とともに増すことで、症状は次第に改善し、午後には本調子に戻ることが多いことも特徴の一つです。
したがって、朝や午前中に症状が重く、次第に軽快する場合、この病気の可能性が高いかもしれません。この病気は特に思春期前後の子どもに多く見られるので、気になる症状がある場合、セルフチェックを行い早期治療を行うことが望ましいです。
下記記事ではセルフチェックについて解説していますので、気になる症状がある方は是非ご一読ください。
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【参考文献】
・厚生労働省
・日本生物学的精神医学会誌