「子どもが朝起きてこない」「学校に行きたがらない」といった状況に、戸惑った経験がある親御さんも多いのではないでしょうか。
朝起きられない様子を見ると、「やる気の問題なのでは」「少し頑張れば登校できるのでは」と感じてしまうことがあるかもしれません。しかし、なかには起立性調節障害のように、本人の意思だけでは朝起きることや登校することが難しくなる病気が関係している場合もあります。
起立性調節障害では、朝に体調が悪く、午後から少しずつ動けるようになることがあります。そのため、周囲からは「学校に行きたくないだけ」「夜更かしが原因では」と誤解されてしまうこともあります。
もし起立性調節障害が関係している場合、頭ごなしに叱ったり無理に起こしたりするだけでは、本人の負担が大きくなることがあります。まずは体調や生活リズムの様子を確認し、必要に応じて医療機関で相談することが大切です。
本記事では、起立性調節障害と学校に行きたがらない状態の関係、親御さんができる対応について解説します。

学校に行きたがらないのは甘えではなく病気の可能性が
子どもが学校に行きたくないと訴えると、親御さんは「やる気の問題なのでは」「甘えているだけなのでは」と感じてしまうことがあるかもしれません。
しかし、なかには朝起きたくても起きられない、夜に寝たくても眠れないなどの不調によって、登校が難しくなっている子どももいます。
学校に行きたくないのではなく、朝起きたくても起きられない、夜に寝たくても眠れないなどの不調によって、登校が難しくなっている子どももいます。起立性調節障害と不登校の関係や対応の考え方を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
具体的には、甲状腺機能低下症、鉄欠乏性貧血、不整脈、こころの不調など、さまざまな要因が関係していることがあります。起立性調節障害も、朝起きられない、学校に行きたくても行けないといった状態につながる原因のひとつと考えられます。
場合によっては、医療機関で相談し、必要な検査を受けることも大切です。
たとえば、甲状腺機能低下症や鉄欠乏性貧血は採血検査、不整脈は心電図検査などで確認することがあります。
また、起立性調節障害とこころの不調は症状が重なることもあるため、自己判断で決めつけないことが大切です。必要に応じて検査や問診を受け、身体面と心理面の両方から状態を確認してもらいましょう。
親御さんは、子どもが学校に行きたくないと訴えたときに、やる気の問題だけで判断せず、体調不良が背景にある可能性も考えて対応することが大切です。
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起立性調節障害の症状が、甘えややる気の問題と混同されやすいのには、病気としての特性が関係しています。
起立性調節障害の病態は一言で言えば自律神経のバランスが崩れることです。自律神経とは交感神経と副交感神経のことを指します。
交感神経は心臓や筋肉を活動的にする神経で、体をアクティブなモードにシフトチェンジしてくれます。起床時に活性化することで起床後の行動や運動をコントロールする神経です。
逆に副交感神経は体を休息モードにする神経で、睡眠に向けて活性化することで睡眠や休息に関与する神経です。
起立性調節障害ではこのバランスが崩れることで、朝起きても交感神経が活性化しませんので起床後の運動に心臓の動きが連動しないため体がついてきません。

逆に午後になると徐々に交感神経が活性化してくるため、夜間にも交感神経が活性化した状態が継続してしまい、副交感神経が活性化するのがずれ込んでいきます。
結果的に朝は体調が優れず学校に行けなくても、午後には徐々に体調が改善していくため放課後には友達とは遊べてしまうのです。
夜になっても活動モードが続きやすく、寝つきにくくなることがあります。そのため、昼夜逆転のような生活リズムになり、朝の登校がさらに難しくなる場合があります。
起立性調節障害では、夜に眠れず、朝起きられない状態が続くことがあります。昼夜逆転が起こる理由や家庭での対応を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
これが起立性調節障害の子供の体に起きている症状の医学的解説になりますが、親御さんからしたら素直に受け止めることが難しいかと思います。
朝は起きない、午後になると元気で遊ぶ、夜は寝ないでスマホをいじる。これらの行動だけ見れば怒りたくなるのも無理はありません。
しかし、上記のとおり起立性調節障害の病態はまさにそういう状態を生み出してしまうのです。まずはそういう病気があるということを認識することが重要です。
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親の対応方法
では、学校に行きたがらない子供に対して、親御さんはどういった対応を取ることが適切なのでしょうか?
まず、学校に行きたがらない子どもに対して、頭ごなしに叱ったり、やる気の問題だと決めつけたりすることは避けましょう。本人の意思だけで体調をコントロールするのが難しいこともあるため、声かけの仕方にも配慮が必要です。
ストレスは自律神経の働きと関係していると考えられています。緊張したときに心拍数が上がったり、冷や汗をかいたりするように、心身の負担が体調に影響することがあります。
そのため、強い叱責や過度な干渉は、子どもにとって負担になり、体調や気持ちのつらさにつながることがあります。まずは「本人の意思だけでは難しいことがある」と理解し、体調の波を確認しながら対応していくことが大切です。
起立性調節障害が疑われる場合は、医療機関で相談し、必要な検査を受けることも検討しましょう。ほかの病気の可能性を確認する意味でも、自己判断だけで決めつけないことが大切です。
その後、起立性調節障害と診断された場合は、子どものペースに合わせて見守りながら、家庭や学校での過ごし方を調整していきます。子ども自身も、学校に行けない理由や今後の生活について不安を抱えていることがあります。
親御さんに大切なのは、子どもの気持ちを決めつけずに受け止め、医療機関や学校と連携しながら、少しずつ対応を考えていくことです。親御さん自身も不安になりやすい場面ですが、焦りすぎず、本人のペースに合わせて支えていきましょう。
起立性調節障害では、家庭での接し方や生活リズムの整え方を、子どもの体調に合わせて考えていくことが大切です。親ができるサポートや治療の考え方を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
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【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)








