残業や勉強など徹夜で睡眠不足の状態が続くと体の疲れがとり切れず、体が重たい、だるいなどの症状が見られることは比較的よくあることだと思います。
しかし、睡眠や生活習慣の見直しを行った上でも体のだるさが続く場合、病気の可能性も考えられます。
こちらの記事では、倦怠感が続く原因や病気の可能性、改善方法や注意すべきポイントなどを解説していきます。
倦怠感が起床時や午前中に強く、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などを伴う場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
気になる症状を整理しておきたい方は、下記の起立性調節障害のセルフチェックを参考にしてください。
倦怠感の原因
誰もが経験したことがある体のだるさですが、特に下記の状況下で見られやすいです。
- 身体の酷使
- 休養不足
- 睡眠不足
- 営養不足
- ストレスの蓄積
労働や部活動などのスポーツで身体に過剰な負荷がかかると、疲労が蓄積し身体のだるさが出現します。疲労を蓄積させないためには十分な睡眠、休息、栄養が必要です。
不十分な睡眠、質が悪い睡眠、休憩が十分にとれない、食事時間が不定期で食事内容も偏り外食が多いなども体のだるさが現れる原因になります。
そして、精神的な疲労も身体のだるさ出現につながります。職場や学校での人間関係や業績によるプレッシャーなどストレスを溜め込んでしまうと心と身体両方へ影響し、色々な不調につながってしまいます。
質、時間ともに十分な睡眠、睡眠環境の見直し、食事時間・内容の見直しなど生活習慣を見直し、ストレスをなるべく溜め込まないようにリフレッシュする時間を作ることで身体の倦怠感が改善しない場合は、これからご説明する病気の可能性も考えられます。
倦怠感がある場合に考えられる病気
倦怠感が現れる主な病気について解説していきます。
感染症
風邪などのウイルス感染症では、鼻水、喉の痛み、咳や痰などに加え、全身の倦怠感が現れることがあります。インフルエンザでは、発熱や頭痛、筋肉痛、関節痛などとともに、強い倦怠感を伴うことがあります。
膀胱炎や腎盂腎炎、肺炎などの細菌感染症でも、全身倦怠感が現れる場合があります。膀胱炎では頻尿や排尿時の痛み、残尿感などが見られ、腎盂腎炎では高熱や背中・腰の痛み、肺炎では咳や痰、発熱、息苦しさなどを伴うことがあります。
貧血
血液中の赤血球には、全身へ酸素を運ぶ働きがあるヘモグロビンが含まれています。
貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態です。全身へ十分な酸素を届けにくくなるため、倦怠感や息切れ、動悸、めまい、集中力の低下などの症状が現れることがあります。
よく知られているのは、体内の鉄が不足して起こる鉄欠乏性貧血です。ただし、出血やビタミン不足、腎臓病、血液の病気など、さまざまな原因で貧血になるため、検査で原因を確認する必要があります。
貧血のセルフチェック方法については、下記の記事も参考にしてみてください。
急性・慢性肝炎
ウイルスやアルコール、薬剤や自己免疫疾患など様々な原因で肝臓に炎症が起こった状態です。身体のだるさや食欲不振、重症になると黄疸などが見られます。
慢性腎臓病
腎臓は、血液をろ過して老廃物や余分な水分、塩分を尿として排出するほか、体内の水分量や血圧などを調整する働きを担っています。
慢性腎臓病によって腎機能が低下すると、むくみや倦怠感、食欲不振、吐き気、息切れなどが現れる場合があります。ただし、初期には自覚症状がほとんどなく、健康診断の血液検査や尿検査で初めて異常を指摘されることも少なくありません。
腎機能が大きく低下して老廃物が体内に蓄積すると、強い倦怠感などの尿毒症症状が現れることがあります。ただし、倦怠感だけで慢性腎臓病の進行度を判断することはできないため、血液検査や尿検査による確認が必要です。
糖尿病
膵臓にあるβ細胞から血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されますが、このインスリンの分泌が低下したり、インスリンが分泌されていても作用不足が起こることで血糖値がコントロールされない病気です。
高血糖状態が続くことで倦怠感や体重減少、のどの渇きなどが出現し、長期にわたる糖尿病は動脈硬化を引き起こすことが非常に問題になります。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることを繰り返し、睡眠の質が低下する病気です。
十分な時間眠っても疲れが取れない、朝すっきり起きられない、日中に強い眠気や倦怠感があるといった症状が現れます。大きないびきや、睡眠中の呼吸停止を家族などから指摘されることもあります。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患を発症するリスクが高まるため、疑われる場合は検査を受けることが大切です。
うつ病
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
気分が落ち込み、何事にも興味が持てなくなり、食欲低下や睡眠障害を来し、疲れやすく、日常生活に支障をきたす場合も多い病気です。朝体が動かないことの原因になることも十分に考えられます。
倦怠感の治し方
上記でご説明した倦怠感がある場合に考えられる病気の治療方法について解説していきます。
感染症の場合
基本的に、風邪などウイルス感染の場合は解熱鎮痛剤など対症療法で改善していきます。細菌感染が原因の膀胱炎や腎盂腎炎、肺炎などの場合は、抗生物質による治療が必要になります。重症度によっては入院での加療が望ましいこともあります。
貧血の場合
貧血の原因はさまざまであり、月経による出血、胃や腸からの出血、鉄やビタミンの不足、腎臓病、血液の病気などが関係することがあります。
過多月経がある場合は経血量が多くなったり、大きな血の塊が見られたりすることがあります。胃や十二指腸から出血している場合は、みぞおちの痛みや黒い便などが現れることもあります。
貧血が分かった場合は、血液検査などで原因を確認し、それに応じた治療を行います。鉄欠乏性貧血では食事の見直しや鉄剤による治療などが行われますが、自己判断で鉄のサプリメントを飲み続けず、医師に相談しましょう。
急性・慢性肝炎の場合
ウイルス性肝炎の場合、治療薬があります。適応については、消化器内科医や肝臓専門医とご相談ください。
禁煙や生活習慣の改善も重要です。ウイルス性肝炎やアルコール性肝炎から肝がんの発症も言われており、適切な治療を行うことが重要です。
慢性腎臓病の場合
慢性腎臓病の治療では、腎機能の低下をできるだけ抑え、合併症を防ぐことが重要です。腎機能が回復するかどうかは、原因や病状によって異なります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などは慢性腎臓病の進行に関係するため、血圧や血糖、脂質などを適切に管理します。塩分やたんぱく質などの摂取量について指導を受ける場合もありますが、自己判断で厳しく制限せず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
糖尿病の場合
糖尿病では、食事療法や運動療法を基本とし、血糖値や病状に応じて飲み薬や注射薬、インスリンなどを使用します。
治療方法は糖尿病の種類や年齢、合併症などによって異なるため、医師の指示に従って血糖値を管理することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の場合
肥満が関係している場合は、食事や運動を見直して減量に取り組みます。ただし、肥満ではない方にも睡眠時無呼吸症候群は起こります。
検査結果や重症度に応じて、睡眠中に気道へ空気を送り込むCPAP療法や、マウスピースによる治療などが検討されます。
うつ病の場合
うつ病の治療では、心身を十分に休ませることに加え、症状や重症度に応じて抗うつ薬などによる薬物療法や精神療法が行われます。
治療方法は一人ひとり異なるため、自己判断で薬を開始・中止せず、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。
すぐにできる対処法
倦怠感は、身体的な疲労や睡眠不足、過度の飲酒、精神的ストレスなど、さまざまな要因によって現れます。一方で、感染症や貧血、肝炎、慢性腎臓病、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などの病気が関係している場合もあります。
まずは、倦怠感が現れる時間帯やきっかけ、ほかに伴っている症状などを記録してみましょう。睡眠時間や食事、体温なども記録しておくと、医療機関を受診した際の手がかりになります。
倦怠感が強いときは無理に活動せず、十分な休息や睡眠を取りましょう。食事が取れる場合は、栄養が偏らないように心がけ、脱水を避けるためにこまめに水分を取ることも大切です。
睡眠不足が原因と考えられる場合は、日中に短時間の昼寝を取り入れる方法もあります。ただし、夕方以降や長時間の昼寝は夜の睡眠に影響することがあるため、昼寝をする場合は早めの時間帯に短時間を目安としましょう。
発熱や胸痛、息苦しさ、意識がもうろうとする、急激に症状が悪化するなどの場合は、速やかに医療機関へ相談してください。また、倦怠感が長引く場合や、休養を取っても改善しない場合も、自己判断で運動などを続けず、内科やかかりつけ医を受診しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
体がだるくなることは誰にでもあります。仕事や学業で忙しく、疲労が蓄積していたり、睡眠時間が不足していたりすると、倦怠感が現れることも珍しくありません。
ただし、倦怠感が起床時や午前中に強く、午後になると軽くなる場合や、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、動悸などを伴う場合は、起立性調節障害が関係している可能性があります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。思春期に多く見られますが、大人にも症状が現れることがあります。
起立性調節障害では、倦怠感や朝の起床困難のほか、めまい、立ちくらみ、頭痛、腹痛、吐き気、動悸などが現れます。午前中に調子が悪く、午後になると症状が軽くなることがあるのも特徴の一つです。
ただし、このような症状だけで起立性調節障害と診断することはできません。貧血や心疾患、甲状腺疾患などでも似た症状が現れるため、医療機関では必要な検査を行ってほかの病気がないか確認します。
下記記事では起立性調節障害のセルフチェックについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。








