- 高校生の子供が他人と話すとき、過度に緊張していて様子がおかしい
- 元々あがり症だけど、学園祭の発表など緊張する日は登校できなくなる
このような状態が続き、学校生活や人間関係に支障が出ている場合は、不安障害の可能性があります。
高校生は心身ともに大きく成長し、学校生活や進路、人間関係などにさまざまな変化が生じる時期です。不安障害とは、特定の状況や出来事などに対する強い不安や恐怖が続き、心身に症状が現れることで日常生活に支障をきたす病気です。
不安障害には、突然強い不安や動悸、発汗などが現れるパニック障害、人との会話や人前での行動などに強い不安を感じる社会不安障害、さまざまな出来事への不安や心配が続く全般性不安障害などがあります。
また、強迫性障害は不安障害とは異なる分類ですが、頭から離れない考えや、繰り返さずにはいられない行動に不安を伴うことが多い関連疾患です。
一時的な緊張やあがり症だけで不安障害と診断されるわけではありません。不安の続く期間や強さ、学校生活や人間関係への影響などを総合的に確認する必要があります。
そこでこの記事では、高校生に見られる不安障害の症状を確認するためのセルフチェックや、疑われる場合の受診先について詳しく解説します。
強い不安とともに朝起きられない状態が続く場合、不安障害だけでなく、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、頭痛、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

高校生の不安障害セルフチェックシート
まずは下記の項目に何個当てはまるか、チェックしましょう。
- 特に理由のない漠然とした将来への不安に悩んでいる
- 公共の場や人前での食事に不安を覚える
- 人前に立ったり、人前で電話をするのが苦手
- 不安が強く、夜眠れない
- 疲労感が強い
- 最近、集中力・記憶力が低下している
- 落ち着きがない
- 自分のことを噂されていると過度に心配してしまう
- 鍵の閉め忘れや手の汚染などが気になって、その思考から抜け出せない
- 急に発汗や動悸が出て、身動きがとれなくなることがある(パニック発作)
- パニック発作が出るか気になって、人前に出るのが怖い
- 1〜11のような症状が1回ではなく、半年以上継続して出ている
不安や身体症状が長く続いている場合や、学校へ行けない、人と会えない、眠れないなどの支障が出ている場合は、項目の数にかかわらず、保護者や学校の先生、スクールカウンセラーなどに相談しましょう。必要に応じて、医療機関を受診することも大切です。
3つまで当てはまる方は青信号
当てはまる項目が3つ以下の方は、不安障害というよりもただのあがり症や緊張しやすいパーソナリティー、もしくはそのほかの病気(感冒など)の可能性が高く、青信号です。
人前で話したり、見ず知らずの人と一緒に行動することは、誰にとっても不安や緊張を伴うものであり、あがり症の場合はその感じ方が普通の人よりも大きいですが、不安障害と言えるほどの症状ではありません。
ただし、ストレスを感じやすいため、放置すれば不安障害やその他の精神疾患に進行する可能性もあるため、何か症状が強まったり、セルフチェックの項目が増えてしまった場合は早期に医療機関を受診すると良いでしょう。
また、当てはまる数が3つ以下でも、9.10.11に当てはまっている方は、それだけでパニック障害や強迫性障害を強く疑える症状であるため、気になる方はやはり医療機関の受診を検討しましょう。
4つ以上7つまで当てはまる方は黄信号
当てはまる項目が4つ以上7つまでの方は、不安障害の可能性が否定できず、黄信号です。この段階では、自分の不安感を自覚したり、不安の原因となる対象を避けるような行動パターンを自覚できることが多いです。
不安障害の場合、人との食事や目上の人との会話、学校のトイレや着替え、発表会など、さまざまなシーンで不安を感じるため、これらを避けたり、それによって日常生活にも支障が出始めている場合は要注意です。
この段階で早期に治療介入できれば、症状が重症化する前に未然に対処できる可能性が高いため、まずは医療機関を受診しましょう。また、不安障害と思いきや、うつ病や双極性障害などの他の精神疾患の可能性もあるため、やはり正確な診断をつけるためにも医療機関への受診を勧めます。
8つ以上当てはまる方は赤信号
当てはまる項目が8つ以上の方は、不安障害の可能性が大変高く、赤信号です。今は学校に行けていても、症状が進行すれば遅刻や早退が増え、最悪の場合は引きこもりや不登校になってしまう可能性があります。
不安障害は努力や根性でどうにかなる病態ではなく、医療機関での治療が必要となる精神疾患であることを理解しましょう。また、医療機関での治療はその症状の程度に合わせて、環境調整、認知行動療法、家族療法、力動的精神療法、薬物療法を含めたハイブリッドな治療が必要となります。
できるたけ早期に発見し、適切な治療介入を行えば、重症化を未然に防ぐことができるため、赤信号の方は必ず親御さんに相談し、医療機関を受診するようにしましょう。

高校生の不安障害は何科を受診すべき?
高校生の不安障害が疑われる場合は、児童精神科や精神科、心療内科などが主な受診先になります。
ただし、小児科の対象年齢は医療機関によって異なり、高校生を診療している小児科もあります。受診先に迷う場合や、動悸、頭痛、腹痛などの身体症状が目立つ場合は、まずは小児科やかかりつけ医に相談することも選択肢です。
不安や緊張だけでなく、気分の落ち込みや睡眠の変化などが見られる場合は、うつ病などほかの病気が関係している可能性もあります。また、動悸や発汗などの身体症状は、精神疾患以外でも現れることがあります。
医療機関では、症状が現れる場面や続いている期間、学校生活への影響、身体疾患の可能性などを確認したうえで診断します。必要に応じて、心理療法や薬物療法、家庭・学校での環境調整などが検討されます。
精神科や児童精神科の受診に抵抗を感じる場合は、学校の養護教諭やスクールカウンセラー、小児科などに相談し、適切な受診先を案内してもらう方法もあります。
不安障害とうつ病には似た症状が見られることがあります。両者の主な違いについて知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
もしかしたら起立性調節障害かも
不安や緊張に加えて遅刻や欠席が増えている場合は、不安障害だけでなく、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。主な症状には、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、腹痛などがあります。
症状は午前中に強く、午後になると軽くなる傾向があります。また、立ったり座ったりすると症状が強まり、横になると軽くなる場合もあります。ただし、すべての人に同じような日内変動が現れるわけではありません。
一方、不安障害でも動悸や発汗、息苦しさ、不眠などの身体症状が現れることがあります。そのため、動悸や不眠などの症状だけで、不安障害と起立性調節障害を区別することは困難です。また、どちらか一方だけではなく、両方が併存する可能性もあります。
朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが続いている場合は、小児科やかかりつけ医などの医療機関へ相談しましょう。診断後は、症状や重症度に応じた治療に加え、家庭や学校での環境調整を行うことも大切です。
下記の記事では、子どもの起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度確認してみてください。






