- 子どもが思春期に入ってから不登校になり困っている
- 思春期になると不登校が増えるのはなぜ?
このようなお悩みをお持ちの親御さんも少なくないでしょう。
思春期とは、子どもから大人へと成長していく移行期を指します。始まる時期や終わる時期には個人差がありますが、心身が大きく変化し、自分自身や周囲との関係について悩みやすくなる時期です。
こうした変化に加え、学校での人間関係や学業、生活リズム、心身の不調など、さまざまな要因が重なることで、学校へ行くことが難しくなる場合があります。
文部科学省の令和6年度調査によると、小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人で、過去最多となりました。
児童生徒1,000人あたりの人数は、小学校が23.0人、中学校が67.9人となっており、中学校で特に多い状況です(参照:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)。
不登校の背景は子どもによって異なるため、早く登校させることだけを目標にせず、本人の状態や気持ちに合わせて支援することが大切です。
そこでこの記事では、思春期の不登校の原因や親御さんができる対応、避けたい言動などを詳しく解説します。
思春期の子どもが朝起きられず、遅刻や欠席が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、頭痛、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

思春期の不登校の原因とは?男女別に解説
思春期の不登校の子供に適切に接するためには、まずその原因を理解しておくことが重要です。不登校の原因は子供によってさまざまですが、主に家庭要因・学校要因・本人要因の3つに大別できます。
家庭要因では親子関係の変化や生活環境の変化、学校要因ではいじめや学業不審、本人要因では非行に走ったり無気力などが挙げられます。
どの要因が原因であっても共通しているのは、周りからの評価を過度に気にしたり、同級生の中で自分を表現したり主張することが困難になっているため、不登校になってしまう点です。
ここでは、より具体的に、男の子と女の子に分けて不登校の原因を紹介します。
男の子の場合
実は不登校の男女差はほぼありませんが、小学1年生から中学3年生の間、男児の方が不登校に陥りやすい傾向にあるようです。
ここでは、特に男の子で多い不登校の原因を4つ紹介します。
人間関係に疲れる
人間関係に疲れて不登校に陥る男の子は多いです。小学生の時は親や家族とのコミュニケーションが主であった子どもも、中学生になると親から離れて学校や塾などの同級生とコミュニティーを形成します。
しかし、本人も、同級生も皆思春期であるため、些細なことで反発したり喧嘩してしまい、最悪の場合、仲間の中で孤立してしまう可能性があります。
学校のクラスはもちろん、部活や塾、習い事など、中学生ともなると子どもと言えどさまざまなコミュニティーを持ち、それらの人間関係に疲弊して引きこもりになる可能性があるため、注意が必要です。
いじめ
いじめが、不登校のきっかけや背景になっている場合もあります。
いじめには、暴力や悪口だけでなく、仲間外れ、無視、SNS上での嫌がらせなど、さまざまな形があります。周囲からは些細なやり取りに見えても、本人が深く傷ついている可能性もあります。
いじめが疑われる場合は、無理に登校させたり本人だけで解決させたりせず、安全を確保したうえで学校や教育委員会などに相談しましょう。
学業不振
男の子の不登校の原因として、学業不振が挙げられます。小学生の時は気にする機会も少ない学業も、中学生になると勉強の難易度が急激に上がり、成績の良し悪しがはっきりとわかってしまうため、周囲の子どもとの差がはっきりしてしまいます。
特に進学校に通う子どもの場合、学業の良し悪しがそのまま子どもの序列になってしまうこともあり、それによって劣等感を強く感じた子どもが不登校になってしまう可能性があり注意が必要です。
学業不振によって不登校に陥ると、さらに学業不振が悪化する可能性もあるため、負の連鎖にならないように早期から対策することが肝要です。
遊びや交友関係の変化
思春期になると親から離れて過ごす時間が増え、同年代の友人との関係を重視するようになります。
夜遅くまで外出する、昼夜逆転が続くなどの変化が重なることで、学校へ通いにくくなる場合もあります。また、学校でのつらさや家庭での悩みから逃れるために、外で過ごす時間が増えている可能性もあります。
行動だけを強く叱るのではなく、生活が変化した背景や、本人が困っていることがないかを確認することが大切です。
女の子の場合
女の子の場合、男の子と比較して、より人間関係を気にする傾向にあり、それに起因して不登校になる可能性が高いです。
ここでは、特に女の子で多い不登校の原因を3つ紹介します。
SNSなどによる生活リズムの乱れ
女の子の場合、SNSなどによる生活リズムの乱れが不登校の原因となるため、注意が必要です。特に近年ではSNSが普及し、学校の外でも友人との関係性が継続してしまうため、SNSで繋がっている以上、休む暇がない点が問題です。
SNSで友人の投稿に対してコメントを残さなかっただけで仲間はずれにされるのでは?などと、過度に不安になってしまい、精神が疲弊してしまう可能性もあります。夜遅くまでSNSに縛られ、生活そのものが乱れてしまうこともあるでしょう。
特に思春期の子どもは、SNSと一定の距離感を保って生活することに不慣れであるため、親御さんは注意して観察しておく必要があります。
無気力・不安
女の子の場合、思春期特有の無気力・不安などによって不登校になる可能性があるため、注意が必要です。思春期は心や身体に大きな変化のある時期であり、その影響で精神的に不安定になりやすい時期でもあります。
ホルモンバランスの変化・睡眠不足・過度なストレス・自我の形成・運動不足など、さまざまな要因が精神に影響し、原因を自覚できない無気力や不安感を抱く可能性があります。
この場合、本人はもちろんのこと、周囲の友人や家族も原因をわからずに、不登校に陥ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
周囲からの目線を気にしてしまう
女の子は、周囲からの目線を気にしてしまうことで不登校になる可能性が高いです。女の子は男の子と比較して、周囲の人からどのように見られるか過度に気にする傾向にあり、それによって人間関係に疲れてしまうと不登校になります。
周りの子にどのように思われているのか、周りの子に嫌われていないか、周りと比べて容姿が劣っていないかなど、さまざまなことが気になってしまい、精神的に疲弊してしまいます。
また、思春期には身体も成長によって変化するため、見た目や容姿を周囲と比較してしまい、不登校になってしまう可能性もあります。

思春期に不登校になった場合の対応方法とは?親ができることを解説
子どもが不登校になってしまった場合、原因によって親御さんの取るべき対応も変わってきますが、原因がはっきりとしないケースも少なくありません。
原因がはっきりとしない場合、親御さんの自己判断で闇雲に子どもに接すれば、さらに状態が悪化する可能性もあり、注意が必要です。特に、過度な干渉や過度な放置は子どもの状況を悪化させる可能性があるため、控えるべきです。
子どもをどのように復帰させるかよりも、どうしたら安心して日々を過ごせるかに重きを置いて接することが重要であり、ここでは具体的な対応方法を紹介します。
また、夏休み明けに子どもが学校へ行けなくなった場合の接し方について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
必要な休養を認める
子どもが学校へ行けないときは、必要な休養を取れるようにしましょう。
原因や心身の状態を確認しないまま無理に登校させると、子どもの負担がさらに大きくなる場合があります。「今は休んでも大丈夫だよ」と伝え、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
ただし、長期間何もせずに様子を見るだけではなく、本人の状態に応じて学校や医療機関、相談機関などと連携し、必要な支援を検討しましょう。
できていることや努力を認める
不登校の子どもは、学校へ行けない自分を責めたり、自信を失ったりしている場合があります。
そのため、食事を取れた、家族と会話ができた、好きなことに取り組めたなど、現在できていることや本人なりの努力を認めることが大切です。
ただし、何でも大げさに褒めると、かえって本人が負担に感じることもあります。「今日は少し話せたね」「手伝ってくれて助かったよ」など、具体的な事実や感謝を自然に伝えましょう。
学校や関連機関との連携を図る
子どもが不登校になった時、親御さんにできることは家の外にもたくさんあります。特に、学校や関連機関との連携を図ることが重要です。
学校の教師と連携をとることで、クラスの中での自分の子どもの立ち位置や境遇をより詳しく知ることができます。
また、教育センターや教育相談所、教育支援センター、児童相談所などの関連機関と連携をとることで、学校以外のコミュニティーや学びの場を子どもに提供することができます。
さらに、親御さん自身が相談できる場所にもなるため、これらの機関との連携を進めておくべきです。
不登校を解決する上で親がやってはいけないNG言動
親御さんからしたら良かれと思ってとった行動が、子どもにとってはプレッシャーやストレスとなってしまい、より不登校が悪化してしまう可能性があるため、注意が必要です。
ここでは、不登校を解決する上で親がやってはいけないNG言動を3つ紹介します。ぜひ自身の言動が当てはまっていないか、見つめなおしてみると良いでしょう。
子どもの意見や考えを否定する
不登校の子どもを持つ親御さんは、子どもの意見や考えを否定することはNGです。自分の子どもが不登校になってしまい、つい子どもを叱責したり、なぜ学校に行けなくなってしまったのか問い詰めてしまうケースは少なくありません。
しかし、これらの行動が全て子どもにとって逆効果です。子どもにとってストレスになってしまい、さらに症状が悪化する可能性があります。また、ただでさえ心身が疲弊している時に追い込んでしまうため、子どもとの間に将来的にも深い亀裂が入る可能性もあります。
必ず子どもの意見を尊重し、否定から入らずにしっかり話に耳を傾けるように努めましょう。
無理やり登校させる
不登校の子どもを無理やり登校させるのも控えるべきです。原因もわからず、子どもの休息したいという気持ちを無視してまで学校に行かせても、何も問題は解決されず、ただストレスを与えるばかりです。
特に、不登校の原因が学校要因であった場合、無理に登校させるのは非常に危険であり、絶対に控えるべきです。子供が心身ともに疲弊していることをしっかり理解し、再登校よりもまずは心身の回復を優先するように努めましょう。
本人の状態を確認せず、すべてを任せきりにする
不登校中に十分な休養を取らせることは、甘やかしではありません。ただし、本人の状態を確認せず、生活や将来のことをすべて本人だけに任せることは避けましょう。
睡眠や食事のリズム、ゲームやSNSの利用については、一方的に制限するのではなく、現在の体調や生活状況を確認しながら親子で話し合うことが大切です。
朝起きられない、食欲がない、頭痛や倦怠感が続くなどの症状がある場合は、生活習慣の問題と決めつけず、小児科などの医療機関へ相談しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
思春期の子どもが朝起きられず、遅刻や欠席が続いている場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。思春期に発症しやすく、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、腹痛などの症状が見られます。
症状は午前中に強く、午後になると軽くなることがあるため、朝は登校できなくても夕方には元気になる場合があります。本人のやる気や怠けの問題と決めつけず、症状の現れ方を確認することが大切です。
日本小児心身医学会によると、起立性調節障害は軽症例を含めて中学生の約10%に見られるとされています。ただし、朝起きられないことや不登校の原因が、すべて起立性調節障害とは限りません。
症状が続く場合は小児科などの医療機関を受診し、適切な診断を受けましょう。診断後は、症状や重症度に応じた治療に加え、家庭や学校での生活環境を調整することも重要です。
下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しています。朝起きれずに登校が遅れたり、学校を休みがちの場合はぜひ一度確認してみてください。






