起立性調節障害は、小学校高学年から中学生に発症しやすい身体疾患です。午前中や起床時を中心に、頭痛、ふらつき、めまい、吐き気・嘔吐、腹痛など、さまざまな症状が現れます。症状が強い場合は、授業や通学などの学校生活に支障をきたすことも少なくありません。
一方、発達障害とは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(限局性学習症)など、脳機能の発達に関係する障害の総称です。現れる特性や生活上の困りごとは一人ひとり異なります。
発達障害のある子供にも、朝の起床困難や頭痛、腹痛などがみられることがあります。そのため、起立性調節障害と症状が重なり、見分けにくい場合があります。また、起立性調節障害と発達障害が併存するケースも報告されています。
そこで本記事では、起立性調節障害と発達障害の関係について分かりやすく解説します。両者の関係や違いを理解し、適切な対処につなげるための参考にしてください。

起立性調節障害は発達障害が原因?
「起立性調節障害に罹患する子供は、自閉スペクトラム症やADHDなどの発達障害を併存しやすいため、発達障害がODの原因なのでは?」と考える方も少なくありません。
結論からいえば、発達障害そのものが起立性調節障害の直接的な原因となるわけではありません。ただし、起立性調節障害と発達障害が併存するケースがあることは報告されています。
両者が併存する背景には、発達特性に伴うストレスや睡眠の問題、学校生活への適応の難の問題、学校生活への適応しさ、活動量の低下など、複数の要因が関係している可能性があります。
発達障害は、発達障害者支援法において、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など、通常低年齢で現れる脳機能の障害と定義されています。現在は、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの名称も一般的に用いられています。
発達障害の詳しい原因や仕組みには、現在も明らかになっていない部分があります。また、現れる特性は発達障害の種類や本人によって異なります。
主な特性としては、対人関係やコミュニケーションの難しさ、特定の物事への強いこだわり、読み書きや計算など特定分野の学習の難しさ、不注意、多動性・衝動性などが挙げられます。
こうした特性により、学校生活や人間関係で強い負担を感じることがあります。その結果、ストレスや睡眠不足などに伴って、頭痛、腹痛、下痢、めまいなどの身体症状が現れる場合もあります。
例えば、周囲の子供ができていることをうまくできない、集団のペースに合わせることが難しいなど、日常生活に苦しさや生きづらさを感じ、ストレスを抱える子供もいます。こうしたストレスが、起立性調節障害の症状に影響する可能性があります。
ストレスは起立性調節障害の直接的な原因とは限りませんが、症状の悪化に関係する場合があります。ストレスと起立性調節障害の関係については、下記の記事も参考にしてください。
また、発達障害のある子供には、寝つきの悪さや夜中に目が覚める、生活リズムが後ろにずれるといった睡眠の問題がみられることがあります。約半数の子供に何らかの睡眠の問題がみられたとする報告もあります。
睡眠不足や生活リズムの乱れが続くと、疲労が回復しにくくなり、起立性調節障害の症状にも影響する可能性があります。ただし、ストレスや睡眠の問題だけで起立性調節障害を発症すると断定することはできません。
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起立性調節障害の原因
起立性調節障害とは、起立した際の血圧や心拍数などを調節する自律神経の働きがうまく機能せず、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸などの症状が現れる疾患です。小学校高学年から中学生頃に発症しやすく、身体が大きく成長する思春期に多くみられます。
健康な状態では、立ち上がったときに重力によって血液が下半身に移動すると、自律神経が血管を収縮させ、心拍数などを調節して脳への血流を保ちます。
一方、起立性調節障害では、こうした循環調節がうまく働かず、脳への血流が一時的に低下しやすくなるため、立ちくらみやめまいなどの症状が現れると考えられています。
起立性調節障害の発症には、自律神経の働きや体質、遺伝的な要因などが関係すると考えられています。さらに、次のような要因が症状に影響する場合があります。
- 睡眠不足や不規則な生活リズム
- 水分や塩分の摂取不足
- 精神的なストレス
- 活動量の低下や長期間の臥床
これらは必ずしも直接的な発症原因ではありませんが、起立性調節障害の症状を悪化させる要因になることがあります。
また、起立性調節障害の原因については下記記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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起立性調節障害と発達障害が併発する可能性
発達障害のある子供に起立性調節障害が併存するケースがあることは、これまでの研究でも報告されています。ただし、発達障害があるからといって、必ず起立性調節障害を発症するわけではありません。
発達障害のある子供は、その特性と周囲の環境が合わないことにより、学校生活や人間関係で負担を感じる場合があります。例えば、次のような状況がストレスにつながることがあります。
- 口頭での指示を理解したり、複数の作業を同時に進めたりすることが難しい
- 忘れ物や不注意などを繰り返し注意される
- 音や光、人混みなどの刺激に強い負担を感じる
- 友人関係や集団行動で困難を抱える
中学生頃になると、周囲との違いを本人が意識し、劣等感や強い疲労を感じることもあります。また、睡眠の問題や学校生活への不適応、活動量の低下などが重なる場合もあります。
こうした要因は、起立性調節障害の症状に影響する可能性があります。ただし、両者が併存する仕組みは一つに限定できず、ストレスだけが原因であると断定することはできません。
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起立性調節障害と発達障害の関係
起立性調節障害と発達障害では、朝の起床困難、身体の不調、集中力の低下、学業の遅れ、不登校など、表面上は似た状態がみられることがあります。そのため、症状だけでは見分けにくい場合があります。
ただし、起立性調節障害では、立ち上がったときや午前中に症状が強くなり、午後になると軽くなるなど、姿勢や時間帯によって症状が変化しやすい傾向があります。一方、発達障害の特性は幼少期からみられることが多く、対人関係、コミュニケーション、学習、注意力など、複数の場面に現れます。
実際には、発達障害のある子供が周囲に無理に合わせて疲弊することもあり、「周囲に合わせられるかどうか」だけで両者を区別することはできません。また、起立性調節障害と発達障害が併存している可能性もあるため、本人のこれまでの発達や生活の様子、症状が現れる時間帯や状況を総合的に確認することが大切です。
子供のできないことや苦手なことを一方的に責めると、本人のストレスが強くなり、心身の状態に影響する場合があります。怠けや本人の努力不足と決めつけず、困っていることや症状を具体的に確認しましょう。
下記記事では、起立性調節障害の治し方についてさらに詳しく解説されているため、ぜひ参考にしてください。
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