起立性調節障害とは

イライラして眠れない時の対処法とは?原因・考えられる病気を解説

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • イライラして眠れないけど、どうすれば眠れるの?
  • 毎日イライラして眠れないけど、もしかして何かの病気?

このような疑問やお悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。

どんな人でもイライラして眠れない夜を一度は経験したことがあるとは思いますが、多くの場合は一時的な感情によってもたらされており、問題になることはありません。

しかし、これが頻回に繰り返される場合は何か原因やトラブルが起きている可能性があり、睡眠不足によって翌日の仕事や生活に支障を与える可能性があるため注意が必要です。

そこでこの記事では、イライラして眠れない場合に考えられる原因や病気、対処法について詳しく解説します。この記事を読むことでイライラして眠れない夜から解放され、快眠を手に入れることができるため、ぜひ参考にしてください。

イライラして眠れない時はどうするべき?対処法とは?

イライラして眠れない時、目を閉じてもイライラが収まらず、時間だけが過ぎていくと翌日への焦りも生まれてさらに眠れなくなるため、負のスパイラルに陥ります。

一度負のスパイラルに陥るとなかなか眠ることができなくなり、睡眠時間の減少によって心身が十分回復できなくなるため、さらにイライラしやすくなってしまうのです。

そこでこの記事では、イライラして眠れない時に取るべき対処法を5つ紹介します。イライラして眠れない方は、ぜひ自身にあった方法を実践してみると良いでしょう。

ストレッチを行う

イライラして眠れない場合、ストレッチを行うことがおすすめです。ストレッチには心身のリラックス効果があり、また血行を促進させる効果があるため、イライラして眠れない時には効果的です。

自然に眠気を感じるためには、ベッドに入った後に深部体温が低下することが重要であり、深部体温の低下の幅が大きければ大きいほど睡眠の質が向上することが知られています。

ストレッチによって血行が良くなると体にこもった熱を放散しやすくなるため、深部体温が下がりやすくなり、自然な眠気を感じられるようになります。

一方で、ベッドに入る直前にストレッチを行ったり、身体に負荷のかかるほどの激しいストレッチ・運動は深部体温の上昇を招き、かえって睡眠の質を低下させてしまうため、ストレッチは軽く、就寝の2時間以上前に行うことが重要です。

安眠のツボを押す

イライラして眠れない場合、安眠のツボを押すのもおすすめです。ツボを押すことで経絡(人の体を流れる気と血の通り道)が刺激され、それによって各種臓器が刺激されることでさまざまな効果効能を得ることができます。

特にイライラして眠れない時におすすめのツボは、百会(ひゃくえ)と膻中(だんちゅう)です。百会は両耳を結んだ線と鼻から真っ直ぐ頭頂部方向に引いた線が交差する頭頂部のツボであり、自律神経の働きを整える作用があります。

膻中は左右それぞれの乳頭を結んだ線の真ん中のツボで、緊張や不安を緩和することで安眠効果を得られます。どちらのツボも、イライラして眠れない時にベッドの上で簡単に実践できるためぜひ試しみると良いでしょう。

アロマを炊く

イライラして眠れない場合、アロマを炊くのも効果的です。アロマは自律神経の内、副交感神経を優位に働かせるリラックス効果があります。

人は交感神経が優位になると起床モードに、副交感神経が優位になると睡眠モードになるため、アロマによって睡眠モードに移行させることができます。

アロマ以外にも、音楽やお香など、副交感神経を刺激できる方法はたくさんあるため、試してみると良いでしょう。一方で、自身の好みに合わない匂いや音楽はストレスとなり、逆に交感神経優位になってしまうため、注意が必要です。

また、ゲームやスマホいじりなどでリラックスしようとするのも控えるべきです。これらのデバイスから発せられる光刺激は脳内部での睡眠ホルモン「メラトニン」の合成を阻害するため、かえって睡眠の邪魔になります。

ゲームやスマホいじりでリラックスしたい場合は、最低でも就寝の2時間以上前には止めるようにしましょう。

ホットミルクを飲む

イライラして眠れない場合、ホットミルクやココアなどを飲むのも効果的です。これらのドリンクには心身をリラックスさせる効果もあり、また深部体温を一時的に引き上げるため、その後の深部体温の低下の幅が増加し、より深い睡眠を得ることができます。

また、ホットミルクなどの乳製品にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が豊富で、このトリプトファンが睡眠ホルモンであるメラトニンの原料となるため、ホットミルクを摂取することでより質の高い睡眠が期待できます。

一方で、お茶類やコーヒーには多くのカフェインが入っており、カフェインには中枢神経の覚醒作用があるため、睡眠の質を低下させることが知られており、避けるべきです。

ゆっくり湯船に浸かる

イライラして眠れない場合、ゆっくり湯船に浸かることも重要です。ゆっくり湯船に浸かることで深部体温が上昇し、その後の睡眠で深部体温の低下する幅が大きくなるため、より質の高い睡眠を得ることができます。

またゆっくり湯船に浸かることはリラックス効果もあり、心身の不調の改善などにも有効です。一方で、就寝の直前にゆっくり入浴してしまうと深部体温が高いまま下がらなくなってしまい、逆に睡眠の質が低下してしまいます。

そのため、就寝直前の入浴は控え、就寝の少なくとも2時間以上前に、38〜40℃くらいのぬるま湯に10〜20分程度浸かるのが睡眠にとって最適な入浴方法です。ぜひ実践してみると良いでしょう。

イライラして眠れない眠れない原因とは?

イライラして眠れない場合、原因がはっきりしないと適切に対処できないため、しっかりと原因を把握しておくことが重要です。

ここでは、イライラして眠れない時の主な原因を3つ紹介します。

ストレス

イライラして眠れない原因としてストレスが挙げられます。精神的ストレスが蓄積している場合や、何らかの身体的ストレスを抱えている場合、交感神経が活性化してしまい、身体が睡眠モードに移行できなくなるためです。

また環境的なストレスとして、寝室の温度や湿度が不適切・防音や遮光が不十分・寝具の硬さや高さが体に合っていないなど、就寝環境もイライラの原因となるため注意が必要です。

会社の上司や仕事そのものへの不満、恋人や友人との人間関係、将来や進学への不安など、現代はさまざまなストレスが生じやすい環境であるため、どの年代の方でもイライラによる不眠のリスクを抱えていることが覚えておきましょう。

自律神経の乱れ

イライラして眠れない原因として自律神経の乱れが挙げられます。自律神経とは、先述したように交感神経と副交感神経の総称のことで呼吸や血圧・脈拍・体温・排尿・排泄など、体のさまざまな生理機能をコントロールしている神経です。

もちろん睡眠も自律神経によってコントロールされていますが、この自律神経はさまざまな要因によって影響を受けます。不適切な食習慣や不十分な睡眠の質や量、ストレス、ホルモンバランスの乱れ、便秘などが影響します。

自律神経の乱れを改善するためにも、自分の生活習慣が規則正しいかどうか、改めて見直してみると良いでしょう。

ホルモンバランスの乱れ

イライラして眠れない原因として、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。特に女性の場合、月経周期によって体内の女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの血中濃度は周期的に変化しますが、この変化が精神状態や自律神経にも影響を与えるため、イライラしたり、睡眠が障害されてしまうのです。

閉経に伴って女性ホルモンの分泌量が低下する更年期は、より睡眠も障害されやすいため、注意が必要です。また、注意すべきは女性だけではありません。

男性の体内を流れる男性ホルモンも更年期に差し掛かると分泌量が低下し、イライラしやすくなったり不眠症状をきたすことがあります。ホルモンバランスの乱れは、やはり日常生活の質によっても左右されるため、規則正しい生活を営むことが肝要です。

イライラして眠れない時に考えられる病気とは?

通常、イライラして眠れない場合は一時的なストレスや生活の乱れが原因であり、時間の経過とともに改善しますが、もし長期的に続く場合は何らかの病気を発症している可能性があるため、注意が必要です。

イライラして眠れない状態が続くと、その原因となる疾患そのものが重症化してしまう可能性もあるため、早期発見・早期治療を行うことが大切です。

ここでは、イライラして眠れない時に考えられる代表的な病気を3つ紹介します。

更年期障害・PMS

イライラして眠れない時、特に女性の場合は更年期障害やPMSを疑う必要があります。PMSとはPremenstrual Syndromeの略で、日本語で月経前症候群と呼ばれる病気です。

月経前に生じる女性ホルモンの変動によって脳内における神経伝達物質のバランスが乱れ、心身にさまざまな症状をきたす疾患ですが、更年期障害と同様にイライラや不眠の原因となります。

また、イライラして不眠が続くとそのストレスでさらにPMSの症状が悪化する可能性もあるため、早期から適切に治療することが重要です。

日常生活の食事や睡眠を見直すことで症状を改善できることもありますが、症状が進行するとピルの内服など、専門的な治療が必要となります。心当たりのある女性は一度婦人科を受診すると良いでしょう。

うつ・躁うつ病

イライラして眠れない時、うつや躁うつ病の可能性があります。うつや躁うつ病はどちらも精神疾患の1つであり、うつ病は抑うつ気分や意欲の低下を認める病気で、躁うつ病は多弁や興奮などの躁状態とうつ状態を相互に繰り返す病気です。

どちらの疾患も脳内におけるセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の分泌に異常がある病気と考えられており、それによってイライラしたり不眠症状をきたす可能性があります。

これらの病気は努力や根性で改善するものではなく、精神科で適切な治療が必要となります。またうつ症状が進めば自殺企図や希死念慮などの症状が進行する可能性もあるため、必ず早期から医療機関を受診するようにしましょう。

甲状腺機能低下症

イライラして眠れない時、甲状腺機能低下症を発症している可能性があります。甲状腺機能低下症とはその名の通り、甲状腺ホルモンの分泌が障害される病気であり、全身の代謝に関わる甲状腺ホルモンの機能低下によってさまざまな症状をきたします。

無気力・易疲労感・易怒性・便秘・むくみ・心機能低下・体重増加などが代表的な症状です。また甲状腺機能低下症はうつ病を併発しやすいことも知られており、併発すればさらにイライラして眠れなくなるため注意が必要です。

甲状腺機能低下症は原因によって治療法も異なりますが、少なくとも治療のためには甲状腺ホルモンの補充が必要となるため、疑わしい場合は必ず内分泌科や内科を受診しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

イライラして眠れない場合、もしかしたら起立性調節障害の可能性もあります。起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることで動悸や発汗など、さまざまな症状をきたす疾患です。

先述したように自律神経は睡眠も司っているため、起立性調節障害によって自律神経が乱れると睡眠のバランスも乱れてしまいます。

本来であれば朝に交感神経が活性化して身体は起床モードになり、逆に夜になると副交感神経が活性化して睡眠モードに切り替わりますが、起立性調節障害の場合は朝に交感神経が活性化しないため朝に起きれなくなり、夜に交感神経が活性化してしまうため眠れなくなってしまいます。

うつ病や甲状腺機能低下症、更年期障害やPMSと比較して、発症年齢が比較的若く、主に小学生や中学生で多い疾患ですが、中には大人でも発症する方がいるため注意が必要です。

もし仮に小学生や中学生で起立性調節障害を発症した場合、症状が悪化して夜眠れず朝起きれなくなれば不登校に陥る可能性もあり、最悪の場合進級や進学にも支障をきたします。こういった状況を未然に防ぐためにも、早期に発見してしっかりと適切な治療を受けることが重要です。

下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。

 

また、大人で発症する場合は仕事や家庭生活にも大きな支障をきたす可能性があります。下記の記事では、大人における起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、ぜひ一度チェックしてみましょう。

【無料】起立性調節障害診断

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエメガネ

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

開志創造高校 ナイトスクーリング

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは