起立性調節障害とは

中学生が不登校になる原因とは?親の対処法・潜んでいる病気を解説

2024年3月24日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

もう長い間学校に行けていない。。。

いわゆる不登校の状態に悩まれている親御さん、お子さんもおられると思います。不登校の原因は様々で子どもから明確な理由を聞き出せないことも多く非常に難しく、悩まれる問題だと思います。

こちらの記事では、特に中学生のお子さんが不登校になる原因、病気の可能性、対処方法について解説していきます。少しでも参考に、ヒントになることがありましたら幸いです。

中学生が不登校になるのはなぜ?主な原因とは

中学生という年頃は身体的、精神面での成長が著しく、感受性が非常に高い思春期という時期なので、不登校になる原因は子どもによって様々です。

学校生活が合わない、人間関係がしんどい、部活動がきつい、勉強がわからずついていけない、家庭内の問題、体調不良など実に様々です。以下に代表的なものを挙げ解説していきます。

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学校生活への適応が困難

小学校から中学校にあがると、様々な新しい環境が待っています。新しい校舎、新しい友達環境、新しい先生、と本当に急激な変化が見られます。

その中でうまく適応できない場合、学校が楽しくない、学校に行きたくないという状態になることが考えられます。

精神的ストレスなど心理的な問題

学校で先生や友達との人間関係がうまくいっていないストレスなどが蓄積することで不登校につながっていくことが考えられます。

学業についていけないなどの難しさ

高校受験に向け学業も難易度が増し、科目が増え、学習しなければならない量も増えます。受験に向けたプレッシャーや試験への不安、部活動との両立など学業での不安は大きいと思います。

学業についていけない、しんどいと感じると学校へ行きたくなくなってしまう場合もあると考えられます。

もしかしたら病気?中学生が不登校になった場合に考えられる病気とは

学校へ行きたくない原因の一つとして、体調不良も大きな問題だと考えられます。

風邪を引いた、頭痛がするなどの体調不良があれば、もちろん学校を休むと思います。親御さんからみてもしんどそうなのでわかりやすいのですが、普段と特に大きく変わりがない場合でも実は病気により体調がすぐれず不登校になってしまっている場合もあります。

うつ病

はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。

症状としては、気分の落ち込み、何事にも興味が持てない、不安、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなどがあります。寝つきが悪い、食欲の極端な増進・低下など睡眠、食事に変化が見られている場合はうつ病の可能性もあるので注意して観察する必要があります。

注意欠陥多動症

はっきりとした原因はわかっていませんが、脳の前頭前野、線条体、小脳の機能低下などが関与していると言われています。

症状としては、集中力が続かない、飽きやすいなどの不注意、授業中にも関わらず動き回る、じっとできず貧乏ゆすりをするなどの多動性、人が話し終わるのを待てない、突然怒り出すなどの衝動性の3つに分けられます。

これらが原因で学校生活に支障を来し、学校に行きなくないと言い出すこともあります。

適応障害

日常生活の中での様々なストレスにうまく対応できない結果、心と身体に多様な症状が出現します。

意欲の低下や不安、緊張、焦りなどの心の症状と、食欲低下、不眠、倦怠感、疲労感、めまい、吐き気などの身体の症状が結果的に行動面に変化を及ぼし、学校生活を含む社会生活に影響を及ぼしてしまいます。強いストレスがある場合は注意が必要です。

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中学生が不登校になった場合の対処法|親ができることとは?

不登校の原因を子どもから言わない場合、どうしたらいいかわからずとても不安になりますよね。このままずっと不登校のままなのか、学業の遅れやこの先の人生に影響を与えないか、早く学校に行ってほしい、など親御さんはとても心配になることと思います。

中学生のお子さんが不登校になった場合の対処法、親にできることをご紹介します。

子どもをよく観察する・コミュニケーションをとる

子どもが不登校になった理由や気持ちを理解しようとする姿勢がとても重要だと思います。子どもが話したがらなくても、聞く耳を持ち続け、子どもが話しやすい状況を作ることが大切です。

子どもの状態を良く観察し、食事や睡眠のパターンなども把握し、体調不良などがないかにもアンテナを張っておく必要があると思います。

学校に協力を求める

学校とコミュニケーションを取り、子どもの問題に対処するために協力することが重要です。

子どもの学校での様子、友達関係、部活動の様子などを通して担任を含め教師が何か異常を感じている場合もあります。教師や学校のカウンセラーとの対話を通じて、適切な支援策を検討しましょう。

専門家の助言を求める

家庭内で解決が難しい場合も多いと思います。学校への相談以外にも公的機関に相談するというのも選択肢です。

都道府県や指定都市に設置されている教育相談センターや地域支援センター、保健所や児童相談所などがあります。

もしかしたら起立性調節障害かも

学校に来たくない理由は様々です。友達関係、先生との関係、先輩後輩の関係など人間関係からいじめ、体調不良、学業の問題、部活動などが考えられますが、なかなか言い表せない場合も多いものです。

学校に行きたくない場合、中にはうつ病や起立性調節障害などの病気が潜んでいる可能性も十分に考えられます。

特に起立性調節障害は身体的・精神的な発達、ホルモンバランスが大きく変動する思春期に多い病気です。自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで、特に早朝起きられないことが大きな問題になります。

夜はなかなか眠気がおきず、つい夜更かしをしてしまい、適切で良質な睡眠を十分にとることができません。そのため、めまいや頭痛、腹痛、気分不良、動悸など様々な症状がみられます。

早朝起床時に活性化する交感神経の働きに不具合が生じ、朝起きることができない、特に午前中は体調が悪いので、学校に行けないという状況になることもしばしばあります。

起立性調節障害の場合、早期受診・早期治療が症状の早期改善に重要です。セルフチェックを行い起立性調節障害の可能性が疑われる場合、早期受診をおすすめします。

関連記事:起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

【参考文献】
日本小児心身医学会

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