起立性調節障害とは

中学生におすすめのストレス解消法は?潜んでいる病気や原因も解説

2024年7月15日

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 中学生の子供が家で常にイライラしている
  • 中学生がストレスを溜める原因は思春期だから?それ以外になにがあるのか?

このような疑問やお悩みの方も少なくないでしょう。

中学生はホルモンバランスの変化や複雑な精神状態などの影響で、ちょっとしたストレスでもイライラしやすかったり精神的に不安定になりやすいです。一緒に生活する親御さんにとって悩みのタネとなっていることもあるかと思います。

ストレスが溜まった状態をうまく解消できなければ、学校に登校出来なくなったり、場合によっては精神疾患の発症など、健康被害が出てしまう可能性もあるため、早期から適切に解消することが重要です。

そこで、この記事では中学生のストレスに対する解消法や原因などについて詳しく解説します。注意すべき病気についても紹介するため、ぜひご一読ください。

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中学生におすすめのストレス解消法4選

中学生は成人と比較して精神的にもまだ未熟で、またホルモンバランスも不安定であるため、ちょっとしたことでもストレスを溜め込みやすいです。放置してストレスが溜まってしまうと非行に走ったり、最悪の場合なんからの病気を発症する可能性もあります。

ストレスの解消法は人によっても異なりますが、ここでは中学生におすすめのストレス解消法を4つ紹介します。

定期的に運動する

中学生のストレス発散のために、定期的な運動習慣を身に付けましょう。特に、部活動や習い事で体を動かす機会が少ない子供の場合は、心や体をリフレッシュする機会が少ないため、ストレス発散のためにも定期的な運動がおすすめです。

また、ほどよい疲労感は夜間の睡眠の質を向上させることが知られており、ストレスを緩和させる効果が期待されます。ランニングや水泳などのほどよい負荷の運動や、友人と一緒に楽しむ卓球やサッカー・バスケットなどがおすすめです。

一方で、過剰な負荷の運動はかえってストレスとなってしまうことがあるため、適度な負荷の運動を心掛けましょう。

日記をつける

中学生のストレス発散法として日記をつけることもおすすめです。日記に今日あった嫌なことやストレスの原因となったことを書き、誰にもぶつけられない不満や不平を日記にぶつけることでストレス発散が期待できます。

また、日記に思いの丈を書くことで自分の思考が整理できたり、思わぬ発見を得られることもあるため、普段から習慣付けておくと良いでしょう。

一方で、ただ不満を書き続けるだけの日記では、不満などの負の感情から抜け出せなくなってしまうため、あくまで気持ちや感情の整理をつけるためのツールとして使うことを勧めます。

ゲームや好きな音楽や映画鑑賞などを楽しむ

中学生のストレス発散法として、ゲームや好きな音楽や映画鑑賞などを楽しむことが挙げられます。中学生に限らず、自分の好きな音楽や映像、時間を楽しむことは誰にとっても心地良く、ストレス発散効果が期待できます。

一方で、これらの趣味嗜好にのめり込んでしまうと、夜中までゲームやテレビに夢中で、睡眠時間が乱れてかえってストレスが発散できなくなってしまうため、注意が必要です。

あくまでゲームやテレビは、1日のうちの決められた時間やタイミングでのご褒美としてとっておくと良いでしょう。

友達との時間を楽しむ

中学生のストレス発散法として、友達との時間を楽しむことが重要です。特に、親子関係や家庭環境が主なストレスの原因の場合、家に帰るだけでストレスが溜まってしまうため、友人と家の外で会っている時間は非常に重要です。

休み時間や放課後に一緒に話したり、部活動で切磋琢磨するなど、友人との過ごし方は人によって異なるため、自分の楽しいと思える方法で友人との時間を過ごしましょう。

一方で、度が過ぎてしまうとそのまま友達と非行に走ってしまう子供もいるため、注意が必要です。友人と過ごす時間や頻度にはある程度節度を持つことが重要です。

中学生でストレスが溜まる原因とは?

小学生と違い、中学生になると交友関係が広がったり、友人と過ごす時間が増えることで、より多くの場面でストレスを感じるようになります。

また、思春期に差し掛かるとホルモンバランスが不安定になり、これまでなんともなかったことでもイライラしたりストレスを感じやすくなるため、注意が必要です。

ここでは、中学生でストレスが溜まりやすい原因を4つ紹介します。

親子関係・家庭環境

中学生のストレスの原因として、親子関係や家庭環境が挙げられます。中学生になって自我や自立心が強くなっていくと、子供は親子との時間よりも友人や恋人との時間を重視するように変化してきます。

これまでは親御さんとの時間が大好きであった子供でも、中学生になって家族との時間が煩わしくなったり、親からの干渉を嫌うように変化することもあるため、注意が必要です。

しかし、こういった子供の変化はある種正常な成長の過程であるため、子供の変化に対して暖かい目で見守ってあげることが重要です。

また、子供自体に変化がなくても、両親が家庭内で喧嘩をしていたり、不和があればその雰囲気は子供にも伝わってしまい、子供にとって強烈なストレスの原因ともなります。

子供は変化しても、親御さんたちは変わらずに良い家庭環境を維持することが子供のメンタルにとっては重要です。

コンプレックスを自覚する

中学生のストレスの原因として、コンプレックスの自覚が挙げられます。小学生から中学生になって徐々に精神的に成熟していくと、視野が広がり自分と周囲との違いや差を自覚してしまうためです。

頑張って勉強しても周囲と比べて成績が悪い、部活動を人一倍頑張ってもレギュラーになれないなど、自分と周囲を比較できるようになってしまうことでストレスを感じてしまいます。

また、最近では中学生でもスマホを持ち、SNSで友達が自分以外の人と楽しそうに過ごしているのを見るだけでストレスを感じてしまう子供もいます。

人には得意なことと不得意なことがあり、それぞれに良いところがあるなど、子供が自己肯定感を高く保てるように導いてあげる事が重要です。

進路や将来に対する不安

中学生のストレスの原因として、進路や将来に対する漠然とした不安が挙げられます。特に中学生高学年では高校受験などを控え、自分がどのような進路や将来に向かって行きたいのか、意識する時間が増えるためです。

特に、これといってやりたい事が思い浮かばない子供や、努力しても試験やテストの点数が上がらない子供は不安が拡大していく傾向にあります。

勉強して志望校に行くことも重要ですが、一生懸命勉強に励む姿勢や勉強することそのものの大切さを、親御さんから子供に伝えて行く事が重要です。子供が将来への不安でストレスを溜め込みすぎないように配慮してあげましょう。

友人関係

中学生のストレスの原因として、友人関係が挙げられます。先述したように、友人との時間は中学生にとってストレス発散のための時間でもありますが、その反面に大きなストレスの原因となることもあります。

人と人との繋がりは子供の成長に繋がる一方で、友人間でのいじめや確執、部活動で経験する上下関係、スクールカーストなど、ストレスの原因となるようなことも少なくありません。

学校や部活動での友人関係は親御さんからは見えにくい部分でもあるため、子供が友人関係で悩んでいる場合は注意が必要です。

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中学生でストレスが溜まる場合に考えられる病気とは?

中学生がストレスを感じた場合、多くの子供は上記で紹介したような解消法で対応できますが、中には解消しきれず自分の中に溜め込んでしまう子供もいます。

あまりにも大きいストレスは子供の心身を侵し、さまざまな病気を発症してしまうため、注意が必要です。ここでは、中学生でストレスが溜まる場合に考えられる病気を4つ紹介します。

胃・十二指腸潰瘍

ストレスが溜まった中学生が発症しうる病気の1つが、胃・十二指腸潰瘍です。ストレスが溜まると脳から胃へと胃酸分泌の刺激が与えられ、胃酸が必要以上に過剰に分泌されます。

胃や十二指腸は一定以上の胃酸分泌には耐え切れず、胃酸によって胃壁や十二指腸自身が焼かれてしまい、胃・十二指腸潰瘍に至ります。

早期に対策すれば薬物療法で十分治療できますが、症状が進行すると手術療法が必要となることもあるため、心窩部不快感や背部痛・嘔気嘔吐などの症状を認める場合は早期に内科・小児科に受診しましょう。

うつ病

うつ病は大人の病気と思われがちですが、実は小中学生でも発症しうるため注意が必要です。うつ病は強いストレスなどを契機に、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが枯渇してさまざまな精神症状をきたす病気です。

抑うつ気分・興味や喜びの減退・食欲の減退・不眠もしくは過眠・易疲労感・無価値観・思考力や集中力の低下・希死念慮などの症状が出現します。努力や根性でどうにかなるような病気ではないため、必ず医療機関を受診しましょう。

また、放置すれば希死念慮からの自殺企図まで発展し、最悪命を失う可能性もあるため、上記症状のいずれかを認める場合は早期に医療機関を受診すべきです。

適応障害

中学生がストレスを溜め込むと、適応障害に至る可能性もあります。適応障害とは、その人にとってある特定の事象が苦悩の原因となり、気分的に落ち込んでしまい、その原因に近づくとさまざまな心理的症状や行動面での変化をきたす精神疾患です。

心理的な症状としては、抑うつ気分・不安・怒り・焦りや緊張などが挙げられます。行動面では、暴飲暴食・無断欠席・無謀な運転やけんかなどの攻撃的な行動がみられることもあります。

また、ストレスの原因に近ずくと、動悸や発汗・めまいなど、身体症状をきたすこともある点が特徴です。うつ病と違って放置しても命の危険性はないですが、適応障害から他の病気を併発してしまう可能性があるため、やはり早期対応が求められます。

統合失調症

中学生がストレスを溜め込んでしまうと、統合失調症を発症する恐れがあり注意が必要です。統合失調症とは、現実とのつながりの喪失や幻覚、幻聴、異常な思考や行動などをきたし、日常生活に問題が生じる精神疾患です。

統合失調症の原因は現在に至るまで解明には至っていませんが、遺伝的要因と環境的要因の2つの要因が重なって発症すると考えられています。環境的要因の1つにはストレスが挙げられ、特に小児期に強いストレスがかかると発症しやすくなると考えられています。

統合失調症は一度発症すると、長期的に薬物療法を継続していかなければ再発しやすい病気です。予後としては、発症者の1/3は大幅に改善し、1/3は再発と改善を繰り返し、残りの1/3は重度の無能力状態に陥ります。

予後改善のためには、早期発見・早期治療が重要であるため、上記のような症状を訴えた場合は早期に医療機関を受診しましょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

中学生がストレスによって心身の不調を訴えている場合、もしかしたら起立性調節障害かもしれません。

起立性調節障害とは、特に小学生高学年〜中学生において発症しやすい身体疾患で、急激な身体の発達に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経が乱れてしまう病気です。

自律神経が乱れることでさまざまな症状が出現し、特に午前中や起床時にめまい・体動困難・ふらつき・腹痛・嘔気嘔吐などが出現します。重症化すると通学に支障が出て、不登校に陥ってしまう子どもも少なくありません。

あくまで原因はストレスではなく、自律神経の乱れですが、ストレスによって自律神経が乱れることがあるため、症状の増悪要因としてはストレスも重要な要因です。そのため、症状増悪を防ぐにもストレスの解消が重要です。

また、基本的には自然軽快する病気ですが、約1%の子どもでは重症化することが知られているため、早期発見・早期対応が肝要です。

下記の記事では、子供における起立性調節障害を簡単にセルフチェックする方法が詳しく紹介されているため、まずは下記記事を参考にセルフチェックして見ましょう。

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