しっかり寝たはずなのに眠くて仕方がない時はありませんか。
学業や仕事が忙しく、なかなか眠る時間がない方もいれば、十分な睡眠をとっているのに眠気が強い方もいると思います。
こちらの記事では午前中に眠気がひどい場合に考えられる原因や対処方法、病気の可能性などについて解説していきます。
午前中に眠気がひどい原因は?
午前中に眠気がひどい原因を3つ解説していきます。
睡眠時間・質の問題
まずは十分な睡眠時間の確保が重要です。睡眠中に脳や身体の修復、疲労回復など様々な側面から身体を休養させ、回復させ、翌日の活動に備えることができます。
まずは、しっかり睡眠時間を確保し、それでも眠気が強い場合は、睡眠の質に問題がないか考える必要があります。寝つきが悪い、悪夢をよく見る、夜中に目覚めることがないか確認しましょう。
生活習慣の乱れ
規則正しい生活リズムや適切な運動、バランスの取れた食事は、眠気の管理に役立ちます。
生活習慣と体内時計は密接に関連しています。規則的な生活リズムを保つことで、体内時計は調整され、睡眠や覚醒のパターンが整えられます。
例えば、毎日同じ時間に起床し、同じ時間に就寝することで、体内時計は外部の光のサイクルと同期し、健康的な睡眠を促します。
睡眠前の良くない習慣
睡眠前に快眠を遠ざけることをしてはいませんか。
睡眠前の飲食、カフェインの摂取、興奮するような音楽などの視聴、スマートフォン操作、悩みを深く考えこむなどがあると思います。食事を摂ると消化器官が活発になり、睡眠を妨げることがあります。
また、胃の不快感や胃酸逆流のリスクも高まります。軽いおやつや飲み物を選び、睡眠の数時間前には食事を控えるようにしましょう。カフェインは覚醒作用があり、摂取後数時間は体内に残留します。
睡眠前のカフェイン摂取は、眠りを浅くしたり眠りにくくしたりする可能性があるため、避ける方が良いでしょう。
テレビやスマートフォン、パソコンなどのデジタルデバイスの使用は、ブルーライトの放射や刺激的なコンテンツによって睡眠を妨げる可能性があり睡眠前には特に注意が必要です。
午前中に眠気がひどい場合の対処法
午前中に眠気がひどい場合の対処法を3つ解説します。
睡眠時間確保と質の改善
毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることで、体内時計を整え、眠気を軽減することができます。寝不足は眠気の主な原因です。十分な睡眠を確保するために、夜の睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を取るように心がけましょう。
また、睡眠環境の見直しも重要です。寝室の温度、湿度、明るさ、寝具が季節によって自身に合っているか確認しましょう。
朝の過ごし方
上記でもお話したように、起床、睡眠には体内時計が関与しています。体内時計を適切に整え、身体に覚醒をもたらす日光を朝に浴びることはとても重要です。起床後、窓を開け日光を取り入れましょう。そして、顔を洗うと覚醒しやすくなると思います。
また、朝食をしっかり摂り体内時計を整え、覚醒作用のあるカフェインが含まれた飲料を摂取するのも効果的です。
生活習慣の見直し
決まった時間に眠りにつき、起床すること、忙しい毎日でも朝食はしっかり食べること、定期的な運動を習慣づけ、規則正しい毎日を過ごすようにしましょう。
午前中に眠気がひどい場合に考えられる病気
午前中に眠気がひどい場合に考えられる病気を3つ解説します。
うつ病
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
うつ病は、気分障害の一つで、一日中気分が落ち込み、何事にも興味が持てない、不安が強いなどの症状があります。
メンタル不調から身体的な症状まで見られることも多く、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなどの症状が見られます。日常生活に支障を来していることもあり、睡眠にも大きな影響を与えます。
朝なかなか起きることができず、午前中は眠気などの症状が一日の中で最も強く見られることも特徴です。無理しすぎず、特に体調・メンタルの不調が見られている場合は休息し、早期に医療機関を受診することも重要です。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まる状態が繰り返される睡眠障害の一種です。
一般的には、睡眠中に気道が一時的に閉塞されることによって起こります。これにより、睡眠中に短期間(数秒から数十秒)の呼吸停止を来します。
重症になる程、睡眠中の酸素欠乏や不規則な睡眠サイクルを引き起こし、日中の眠気や集中力の低下などの症状をもたらすことがあります。
また、心血管系の疾患や高血圧、2型糖尿病、脳卒中などの合併症のリスクを高める可能性があります。
夜間のいびき・睡眠中の無呼吸を家族などから指摘される、重要な会議中の居眠りや仕事や学業などでのケアレスミスが増える、運転中に居眠りしてしまうなど危険な状態に発展する可能性もあり早期治療が非常に重要です。
睡眠リズム障害
生体リズムが通常の24時間周期とは異なるために生じる睡眠障害の総称です。
生体リズムは、体内時計によって調整される生理的なサイクルであり、一般的には夜間に睡眠し、昼間に覚醒するリズムが優勢です。このリズムがずれていることで朝起き上がれない、夜眠れないなど様々な問題が発生します。
特に、睡眠相遅延症候群では、通常よりも遅く就寝し、遅く目覚める傾向があります。例えば、深夜や早朝まで起きていて、午前中は眠いというパターンが見られます。したがって、午前中の眠気が見られる場合、睡眠相遅延症候群の可能性があります。
もしかしたら起立性調節障害かも
午前中の眠気がひどい症状はもしかしたら起立性調節障害という病気かもしれません。
起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで様々な症状が現れる病気です。自律神経の乱れは睡眠にも深く関連しています。
起立性調節障害の場合、本来早朝起床時に活性化するはずの交感神経の活性が遅れ、副交感神経も強く働いていることで、身体はなかなか覚醒状態になりません。
したがって、早朝起床時が最も症状が重く、午前中も眠気や頭痛など様々な症状に悩まされます。次第に交感神経が活性化し、午後には症状は緩和されることが多いです。
この病気は特に思春期前後の子どもに多く見られますが、大人でも見られることがあり注意が必要です。気になる症状がある場合は一度セルフチェックをすることをおすすめします。
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【参考文献】
・日本小児心身医学会
・健康づくりのための睡眠ガイド2023 厚生労働省
・厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト