- 中学生になってなぜか親の言動1つ1つにイライラする
- 昔は可愛かった子供が思春期になったらひどく反抗的になってしまった
このようなお悩みをお持ちの親子は少なくないでしょう。
思春期は、大きな身体的変化とともに、精神面でもさまざまな外界の影響を受け、自立心や自我を形成していく時期です。一方で、自立心の高まりや自我の形成は、親子関係にも変化を与えます。
これまでのような親の干渉を嫌ったり、自分の意見を強く主張したりする機会も増えるため、子どもの変化に戸惑う親御さんも多いでしょう。また、子ども自身も心身の変化に戸惑い、イライラして親御さんについ強く当たってしまうことがあります。
こうした変化は思春期の成長過程でみられることがありますが、イライラや気分の落ち込みが長く続く、学校生活に大きな影響が出る、睡眠や食欲が大きく変化するといった場合は、心身の不調が関係している可能性もあります。
この記事では、思春期の情緒不安定に対する親子それぞれの対処法や、避けたい言動について詳しく解説します。子どもとの適切な距離感や接し方を考える際の参考にしてください。
思春期の子どもにイライラや気分の変化がみられ、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感なども続く場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

思春期の情緒不安定に対する対処法とは?
思春期の子供は情緒不安定になりがちです。子供も親も、経験がないことであればうまく対処できず、双方を傷つけてしまう可能性もあります。
そこで、ここでは思春期の情緒不安定に対する適切な対処法を5つ紹介します。下記の対処法を実践し、穏やかな日々を手に入れましょう!
成長に伴う変化として受け止める
思春期の情緒不安定に対しては、成長に伴って起こり得る変化として受け止めることが大切です。思春期の子どもは、身体や人間関係などのさまざまな変化に戸惑い、葛藤しながら自我を形成していきます。
そのため、一時的なイライラや反抗的な態度をすぐに問題視せず、子どもの変化を見守ることも必要です。思春期には多くの子どもが感情の揺れを経験することを、子ども自身が知っておくのもよいでしょう。
ただし、イライラや気分の落ち込みが長く続く、以前楽しんでいたことに興味を示さない、睡眠や食欲が大きく変化する、遅刻や欠席が増えるといった場合は、単なる思春期の変化と決めつけないことが重要です。
気になる変化が続く場合は、学校や医療機関などに相談しましょう。
程よい距離感を維持する
子供が思春期で情緒不安定な時は、程よい親子関係の距離感を維持しましょう。思春期の子供は自我の確立とともに、幼少期の時のような親からの干渉を煩わしく感じるためです。
一方で、親御さんは子供の反抗的な態度や幼少期からの変化に気持ちが追いつかず、つい干渉したくなってしまいます。しかし、思春期の子供に干渉しすぎるとより情緒不安定に拍車をかける可能性もあるため、控えましょう。
程よい距離感を保ち、子供が困っている時だけサポートできるように準備しておくと良いでしょう。
頼られたらしっかりサポートする
幼稚園や小学生の時にはあまり自覚しなかった学業や人間関係などについて、思春期になると本格的に悩み始めてしまう子供が増加します。勉強で周りに置いていかれてしまうのではないか、グループの中で仲間外れにされないか、色々なことで情緒不安定になるものです。
そのため、程よい距離感を保ちつつも、子供が何か困っているときはしっかりサポートしてあげましょう。一方で、子供自身も何か困ったことがあるときは親御さんにしっかり伝えて、打ち明けることが重要です。
不機嫌なまま自分の殻の中で閉じ込もっていても、親御さんからすれば何に悩んでいるのかよくわからないため、できる限り伝えることが重要です。
安全に関わる行動には落ち着いて対応する
思春期の変化として受け止めることは大切ですが、暴力や危険な行動、他人を傷つける行為まで容認する必要はありません。安全に関わる行動がみられた場合は、落ち着いて制止し、してはいけない理由を伝えましょう。
門限やスマートフォンの利用時間など、家庭内で必要なルールは、可能な範囲で子どもと話し合って決めることが大切です。ルールを守れなかった場合も、感情的に叱るのではなく、理由やそのときの状況を確認したうえで対応します。
ただし、自傷行為や「消えたい」「死にたい」といった発言、本人や家族の安全を脅かすほどの暴力がみられる場合は、家庭内だけで解決しようとせず、速やかに学校や医療機関などへ相談してください。
第三者に相談する
思春期の情緒不安定の程度には個人差があり、親御さんが受け止められる範囲にも違いがあります。子どもの態度や言動への対応が難しく、自分たちだけでは解決できないと感じたときは、第三者に相談しましょう。
親御さんが一人で抱え込んでいる悩みも、第三者に相談することで整理できる可能性があります。また、子どもも親には話しにくいことを、学校の先生やスクールカウンセラーなどには話せるかもしれません。
相談先としては、担任の先生、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、自治体の保健センターや精神保健福祉センターなどがあります。気分の落ち込みや不安、睡眠・食欲の変化などが続く場合は、小児科や児童精神科、精神科などへの相談も検討しましょう。
自傷行為や「消えたい」「死にたい」といった発言、幻聴などの症状、本人や周囲の安全に関わる行動がみられる場合は、子どもを一人にせず、速やかに医療機関などへ相談してください。
思春期にみられることがある精神疾患や、医療機関への相談を考えたい症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

思春期の情緒不安定に対して避けたいNG言動
思春期に伴う子どもの情緒不安定は、いつ始まり、どの程度現れるのか事前にはわかりません。これまで親を頼ったり甘えたりしていた子どもが、急に素っ気ない態度や反抗的な態度を取るようになり、戸惑う親御さんも多いでしょう。
しかし、親御さんが感情的に対応すると、子どもが悩みや体調不良を話しにくくなり、その後の親子関係にも影響する可能性があります。
ここでは、思春期の情緒不安定に対して避けたい言動を5つ紹介します。
過干渉
思春期の情調不安定を治す上で、子供に対する過干渉は控えましょう。幼稚園生や小学生低学年の子供の場合、親御さんがさまざまなことを手取り足取り導いてあげる必要がありますが、思春期に差し掛かった子供の場合は違います。
結果として失敗したとしても、自分で考えた上で行動することが成長のために必要な時期です。また、思春期は周囲の子供と話すことで、これまで知ることのなかった自分の家族以外の価値観を知る時期でもあります。
新しい価値観を知り、これまで自分の価値観を形成してきた自分の家族と距離を取りたくなる時期でもあるため、親御さんは過干渉は控え、遠くから温かい目で見守ってあげましょう。
理想を押し付ける
思春期の情調不安定を治す上で、親の理想を子供に押し付けるのは控えましょう。思春期に差し掛かって子供の自我が確立され始めると、親御さんによっては「私の思っていたような成長の仕方ではない」と感じてしまう方もいます。
酷く反抗的な態度を取るようになった、全然勉強しようとしない、遊んでばかりで部屋も片付けないなど、自分と違ったパーソナリティーの変化に違和感を持ってしまうのです。
最悪の場合、周りの子供と自分の子供を比較して、「〇〇君は一人でできるのにどうしてあなたはできないの!」などど、自分の子供の至らない点を本人に伝えてしまう親御さんもいます。
しかし、子供は子供であって、親御さんと同じパーソナリティーで育つわけではありません。理想を押し付けたり比較するのではなく、温かい目で成長を見守ってあげることが重要です。
叱責する
思春期の子供を必要以上に叱責すると、情緒不安定が悪化するため控えるべきです。子供の反抗的な態度にイライラしたり、自分の考えと違う子供の行動を強く指摘しても、思春期の子供との溝が深まってしまいます。
先述したように、思春期の子供の変化は「思春期とはそういうものだよね」と、ある程度は受け止めてあげるようにしましょう。
一方で、あまりにも子供の態度が反抗的な場合や、非行に走りそうな時は親としてしっかり引き留めたり、正しい方向に導くために諭してあげましょう。
子供扱いする
思春期の子供を子供扱いしすぎると、さらに情緒不安定になるため注意が必要です。思春期の子供は身体的にも大人に近づき、また周囲から大人になったと言われる機会も徐々に増える一方で、家族からの子供扱いは変わらないため、その間で葛藤するものです。
例えば、中学生の男の子が友達の前で親から「〇〇ちゃん」と呼ばれると、恥ずかしさから反抗的な態度を取ってしまいます。その結果、さらに親子関係に亀裂が入ってしまう可能性があります。
思春期には大人と子供の間で揺れ動き、自分自身のアイデンティティーが不安定になることでさらに情緒不安定になるため、子供が大人の階段を登っていることを認識し、これまでのように子供扱いするのは控えるべきでしょう。
無関心になる
思春期の情緒不安定な状態に対して、無関心になるのも良くないです。大人の階段を登っているとはいえ、まだまだ子供なのが思春期。親が自分に関心がないと感じてしまうと、愛情の不足や寂しさからさらに家族との距離を置いてしまいます。
家に帰るのが遅くても誰も心配しない、自分の学業に誰も期待していないなど、親の無関心によって自己肯定感が下がってしまい、子供の成長にとって良くありません。
無関心ではなく、子供の良い行動に対してはしっかり誉めて、一定の距離感を常に保って温かく見守るように意識しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
思春期の子供が情緒不安定な場合、もしかしたら起立性調節障害かもしれません。起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることでさまざまな症状をきたす疾患です。
特に、身体の成長著しい小学生高学年〜中学生で発症しやすく、まさに思春期で発症しやすい病気です。特に午前中に症状が強く、めまい・立ちくらみ・腹痛・嘔吐・起床困難などの症状をきたし、午前中は学校に行けない子供も少なくありません。
一方で、午後や夕方になると症状が改善するため、ただ学校をサボりたいだけと誤解を受けやすい病気でもあります。ただし、起立性調節障害は自律神経の乱れを伴う歴とした身体疾患であり、決してサボりたい状態ではないです。
基本的には自然軽快する病気ですが、人によっては重症化し、通学どころか進級や進学にも支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。
ただの思春期とは異なり、起立性調節障害を患っている場合は早期発見・早期治療が重要です。下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。






