子供が普段通り元気に遊んでいるのに、ふと顔色が悪いと感じることはありませんか。
顔色が青白い、黄色っぽい、土気色に見えるなど、見た目の変化は保護者にとって大きな不安の種ですよね。しかし実際には、元気で食欲も変わらない場合、大きな病気が隠れていることは少なく、成長期特有の血液量の変化や、皮膚が薄いため血流が透けて見えやすい体質などが原因のことも多いです。
ただし、貧血や肝機能障害、心臓や腎臓の病気が隠れていることもあり、注意が必要です。この記事では、子供が元気だけれど顔色が悪く見える原因や、対処法、病気の可能性などについてわかりやすく解説します。お子さんの健康を守るために、ぜひ参考にしてくみてださい。
子供が元気だけど顔色が悪いのはなぜ?原因とは?
まずは、子供が元気だけど顔色が悪い場合の原因を5つ解説します。
皮膚が薄く血管が透けやすい体質
子供は大人に比べて皮膚がとても薄く、その下に張り巡らされた毛細血管が透けて見えやすいのが特徴です。
特に色白の子供は顔の血管の色が透けやすいため、青白く見えたり、時には目の下がくすんで見えたりします。これは体質によるもので、病気ではありません。
普段から元気に遊び、食事も睡眠もしっかり取れていれば心配いりません。入浴後や外遊びの後に顔色が赤みを帯びて戻るようなら、血流が正常に反応している証拠ですので安心してください。
気温や環境による血行の変化
寒い時期や冷房の効いた室内に長くいると、体は熱を逃がさないように末梢の血管を収縮させます。その結果、顔などの皮膚表面の血流が減り、顔色が青白く見えることがあります。
また、逆に暑い時期でも水分不足で血流が弱まると同様のことが起きます。こうした場合は、温かい部屋で過ごす、軽く体を動かす、しっかり水分を取ることで改善します。日常的に元気であれば、環境による一時的なものと考えて差し支えありません。
睡眠不足や疲れによる一時的な血行不良
子供は睡眠不足や疲れが溜まると、自律神経のバランスが乱れ血管の収縮が起こりやすくなります。これにより顔の血流が減って顔色が悪く見えることがあります。
前の日に遅くまで起きていた、行事や外遊びで普段より多く体を動かした翌日などによく見られます。この場合は十分に睡眠や休養を取ることで回復し、顔色も自然に戻るので心配はいりません。生活リズムを整え、規則正しい睡眠を確保することが大切です。
偏食や食事の間隔が空いた時の血糖低下
子供は成長過程で代謝が活発なため、食事の間隔が空いたり炭水化物や鉄分が少ない偏食が続くと、一時的にエネルギーや栄養が不足し、顔色が悪くなることがあります。特に朝食を抜いた後や、甘いお菓子ばかり食べている場合に起きやすいです。
ただし、通常は次の食事で栄養が補われると顔色も自然に戻ります。バランスの良い食事を心がけ、食事の時間が空きすぎないよう注意していれば問題ありません。
病気の可能性
肝臓、腎臓、心臓などの臓器に問題がある場合、顔色が悪くなることがあります。こちらについては下記で詳しく説明しますのでご参照ください。
子供が元気だけど顔色が悪い場合の対象法とは?
こちらでは、子供が元気だけど顔色が悪い場合の対象法を3つ解説します。
食事内容を見直し、鉄分や栄養バランスを意識する
顔色の悪さは、子供に多い鉄欠乏性貧血が関わっていることがあります。偏食やお菓子中心の食事で鉄分が不足しがちな場合、まずは普段の食事を見直すことが大切です。
赤身の肉や魚、レバー、卵、ほうれん草や小松菜など鉄を多く含む食品を積極的に取り入れましょう。ビタミンCを一緒に摂ると鉄の吸収率が上がるため、野菜や果物も一緒に食べると効果的です。
食事だけで不安な場合や、食欲が落ちているときは、医師に相談して必要なら血液検査や鉄剤の投与を考えましょう。
睡眠や休息をしっかりとり体調を整える
睡眠不足や疲れがたまると、自律神経のバランスが崩れ血行が悪くなり、顔色が青白く見えることがあります。夜遅くまでのテレビやゲームを控え、規則正しい生活を心がけることが何より大切です。寝る前のスマホやタブレットも睡眠の質を下げる原因になるため注意しましょう。
また、運動会や旅行など行事が続いて疲れた後は、いつもより早めに寝かせて十分に休ませることがポイントです。しっかり睡眠をとると血流が整い、顔色も自然に戻ってきます。疲れを感じるときは無理をさせず、家でのんびり過ごす時間をつくることも重要です。
血行をよくする生活環境や工夫をする
寒さや冷房で体が冷えると血管が収縮し、顔色が青白く見えやすくなります。特に冬場やクーラーの効いた室内では、衣服で調節して冷やさないことが大切です。
また、入浴で体を温めたり、軽い体操やストレッチをして血流を促すのも効果的です。食後やテレビを見た後など長時間同じ姿勢でいる場合は、時々立って体を動かすように促しましょう。
さらに、水分不足も血液の循環を悪くするので、こまめに水やお茶を飲ませる習慣をつけると良いです。こうした工夫で顔色が自然に戻るようであれば、心配は少ないでしょう。ただし改善しない場合は早めに小児科に相談することが大切です。
子供が元気だけど顔色が悪い場合に考えられる病気とは?
こちらでは、子供が元気だけど顔色が悪い場合に考えられる病気を3つ解説します。
鉄欠乏性貧血
子供に多い貧血の原因の一つが鉄欠乏性貧血です。成長期には血液量が増加するため、鉄分の需要が高まりますが、食事からの鉄分摂取が不足すると赤血球をつくる材料が足りなくなり、血液中のヘモグロビンが減少します。これにより酸素を運ぶ力が低下し、顔色が青白く見えるのです。
軽度の場合は子供が普段通り元気に過ごしていることも多く、顔色の悪さだけでは気づきにくいですが、進行すると疲れやすさ、動悸、息切れ、食欲不振などの症状が出てきます。偏食や小食が続く子供は要注意です。気になる場合は小児科で血液検査を受け、必要に応じて食事指導や鉄剤治療を行いましょう。
肝機能障害や軽度の黄疸
顔色が黄色っぽく見える場合、肝臓で処理されるはずのビリルビンという色素が血液中に増加し、軽い黄疸を起こしていることがあります。小児では風邪や胃腸炎などの軽い感染症のあと、一時的に肝臓の働きが低下して黄疸が出ることもありますが、元気で食欲があり、自然に改善する場合がほとんどです。
しかし、顔だけでなく白目(強膜)まで黄色くなっている、尿が濃い、便が白っぽいといった場合には肝炎や胆道閉鎖症などの可能性もあり、注意が必要です。そうした場合はすぐに小児科を受診し、血液検査や超音波検査で原因を調べる必要があります。
先天性心疾患や軽度の循環器異常
顔色が土気色(灰色がかった色)に見える場合や、唇や爪の色が紫っぽい(チアノーゼ)場合には、心臓や肺の循環に問題がある可能性があります。先天性心疾患の中には軽度で普段は元気に見えるものもありますが、血液の中の酸素がやや少ない状態が続いて顔色に反映されることがあります。
また、激しい運動後にすぐ疲れる、呼吸が荒くなる、寝汗がひどい、体重の増え方が遅いなどの症状があればさらに注意が必要です。こうした兆候がある場合は早めに循環器専門医で心臓のエコー検査などを受け、適切なフォローをしていくことが大切です。
もしかしたら起立性調節障害かも
子供が普段通り元気に見えるのに、なんとなく顔色が悪いと感じることはありませんか。もしかするとその原因のひとつに「起立性調節障害」があるかもしれません。
起立性調節障害は自律神経である交感神経と副交感神経の働きが乱れ、血圧や心拍数の調節がうまくいかなくなる病気です。特に朝起きたときや立ち上がったときに血流が脳へ十分に送られず、顔色が青白くなったり、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。
小中学生に多く見られ、思春期の体の成長やストレスが関係しているともいわれています。朝が苦手で寝起きが悪い、午前中に調子が悪いが午後には元気、というパターンも特徴です。
普段は元気そうでも、顔色の悪さが続いたり、だるさや頭痛、食欲不振があるときは早めに医療機関を受診しましょう。成長に伴って自然に改善することもありますが、生活習慣の見直しや必要に応じた治療で症状を軽くできることがあります。
以下の記事では、起立性調節障害のセルフチェックに関して詳しく解説していますので是非参考にしてみてください。