血液検査で「異常なし」と言われたのに、子どもが「朝起きられない」「だるい」「頭痛やめまいが続く」といった体調不良を訴えると、保護者は「気のせいではないか」「学校を休みたいだけでは」と悩んでしまうことがあります
実際には、こうした症状の背景に起立性調節障害など、一般的な血液検査では異常が見つからない体の不調が隠れていることも少なくありません。
本記事では、血液検査で異常が出ない理由や考えられる病気、家庭で気づきたいサインについて、わかりやすく解説していきます。
血液検査で“異常なし”なのに子どもの体調不良が続く原因
血液検査で“異常なし”なのに子どもの体調不良が続く原因を5つ解説します。
自律神経の乱れによる体調不良
自律神経は、血圧・心拍・体温・血流など体の働きを自動で調整する大切な仕組みです。思春期は体の成長やホルモンバランスの変化が大きく、自律神経の働きが不安定になりやすい時期でもあります。
自律神経が乱れると、だるさ、めまい、頭痛、朝起きにくいなどの症状が現れることがあります。こうした自律神経の働きは、通常の血液検査では直接評価することができません。そのため、血液検査で「異常なし」と言われても体調不良が続くケースがあります。
睡眠不足や生活リズムの乱れ
夜更かしやスマートフォンの長時間使用などにより、睡眠時間が不足している子どもは少なくありません。また、寝る時間や起きる時間が日によって大きく変わると体内リズムが乱れやすくなります。
睡眠の質が低下すると、朝のだるさや頭痛、日中の集中力低下などの症状が起こることがあります。思春期は体内時計が後ろにずれやすく、夜型生活になりやすい時期でもあります。このような生活リズムの乱れによる体調不良は、血液検査では異常が見つからないことが多いのが特徴です。
成長期の身体の変化(思春期の影響)
小学校高学年から高校生にかけては、身長や体格が急速に変化する成長期です。身長が急に伸びる時期には血圧や血流の調整が追いつかず、立ちくらみやめまいが起こることがあります。
また、思春期はホルモンバランスの変化も大きく、体調が不安定になりやすい時期です。これらの影響によって自律神経の働きが乱れ、だるさや朝の不調などが現れることもあります。このような機能的な体調不良は、血液検査では異常が出ない場合が多くあります。
軽度の栄養不足・鉄不足
食事量が少ない、朝食をとらない、栄養バランスが偏っているといった食生活の乱れも体調不良の原因になることがあります。思春期は体の成長が盛んなため、エネルギーや栄養素を多く必要とする時期です。
特に鉄が不足すると、めまい、だるさ、集中力低下などの症状が出ることがあります。検査結果が「正常範囲」とされていても、体調に影響が出る場合もあります。そのため、食事内容や生活習慣を見直すことが重要になることもあります。
ストレスや環境変化の影響
学校生活や友人関係、勉強などのストレスが体調に影響することもあります。また、新学期や進級、クラス替えなどの環境の変化をきっかけに体調を崩す子どもも少なくありません。
ストレスは自律神経のバランスを乱す要因となり、頭痛、腹痛、倦怠感などの身体症状として現れることがあります。このような体調不良は、体の機能のバランスの問題であることが多く、血液検査では異常が見つからないケースが多いとされています。
血液検査で異常なしでも注意したい症状・受診目安
血液検査で異常なしでも注意したい症状・受診目安を5つ解説します。
朝起きられない・午前中に強い体調不良が続く
朝になると何度起こしても起きられない、起きても体を起こせないといった状態が続く場合は注意が必要です。午前中に頭痛、吐き気、めまい、強いだるさなどの症状が出ることもあります。
一方で、午後になると体調が回復して比較的元気に過ごせる場合は、自律神経の働きの乱れが関係している可能性があります。こうした症状が数日だけでなく、1〜2週間以上続いている場合には、生活リズムだけの問題と決めつけず、医療機関で相談することを検討しましょう。
立ちくらみ・めまい・ふらつきが頻繁に起こる
立ち上がったときに目の前が暗くなる、ふらつく、めまいがするなどの症状が繰り返し起こる場合も注意が必要です。特に朝起きた直後や入浴後、長時間立っていた後などに起こりやすいことがあります。血圧や血流の調整がうまくいかないことや、水分不足などが原因になることもあります。
症状が強い場合は転倒や失神につながる可能性もあるため注意が必要です。頻繁に起こる、または日常生活に支障が出ている場合は医療機関で相談しましょう。
強いだるさ・疲れやすさが続く
十分に休んでいるはずなのに体がだるい、疲れやすい状態が続く場合も受診を考える目安の一つです。学校生活や日常生活で以前より疲れやすくなり、活動量が減っている、横になっている時間が増えているといった変化が見られることもあります。
睡眠不足や生活リズムの乱れが影響している場合もありますが、体調不良が長く続く場合には別の原因が隠れていることもあります。日常生活に影響が出ている場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。
頭痛・腹痛などの体調不良が繰り返し起こる
朝や登校前になると頭痛や腹痛などの症状が出る子どももいます。検査で明らかな異常が見つからなくても、同じ症状が繰り返し起こることは珍しくありません。午後になると症状が軽くなり、比較的元気に過ごせるケースもあります。
こうした症状が週に何度も続いたり、長期間にわたって繰り返される場合は、生活習慣や自律神経の状態が関係している可能性もあります。症状が続く場合には医療機関で相談することを検討しましょう。
血液検査で異常なしと言われたときの親の対応
血液検査で異常なしと言われたときの親の対応を5つ解説します。
子どもの体調不良の様子を記録する
血液検査で異常がないと言われた場合でも、体調不良が続くときは症状の経過を記録しておくことが大切です。いつから体調不良が続いているのか、朝・午前・午後など症状が出やすい時間帯、めまい・頭痛・だるさなど具体的な症状を書き残しておきましょう。
また、学校の遅刻や欠席、活動量の変化など生活への影響も記録しておくと参考になります。こうした情報は再受診の際に医師へ状況を伝える手がかりとなり、原因の判断や治療方針を考えるうえで非常に役立ちます。
生活リズムを整える
体調不良が続くときは、まず生活リズムを見直すことが大切です。起きる時間と寝る時間をできるだけ一定にし、夜更かしやスマートフォンの長時間使用を控えるようにしましょう。朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びることで体内時計が整いやすくなります。
また、休日に遅くまで寝てしまうと生活リズムが崩れやすいため、平日と大きく変わらない時間に起きることが望ましいです。生活リズムの乱れは、だるさや朝の不調など体調不良の原因になることがあります。
水分・食事など生活習慣を見直す
水分不足や食生活の乱れも体調不良に関係することがあります。特に水分が不足すると、めまいや立ちくらみなどの症状が起こりやすくなります。朝食をとる習慣をつけることも重要で、必要に応じて適度な塩分を含む食事を意識することもあります。
また、偏食や食事量の不足がないかを確認し、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。思春期は体の成長に多くの栄養が必要な時期のため、食事内容を見直すだけでも体調が改善する場合があります。
無理をさせず子どもの体調を優先する
体調が悪いときには無理をさせず、子どもの体調を最優先に考えることが大切です。登校や習い事などを一時的に休む判断が必要な場合もあります。体調不良が続くと、子ども自身が不安を感じたり、周囲から「怠けているのでは」と誤解されたりすることもあります。
しかし実際には体の不調が原因であることも少なくありません。家庭では安心して休める環境を整え、子どもの気持ちにも寄り添いながら回復を見守ることが重要です。
症状が続く場合は再度受診する
血液検査で異常がないと言われても、体調不良が続く場合は再度医療機関で相談することを検討しましょう。受診の際には、これまでの症状の経過や生活への影響、家庭で記録した体調の変化などを医師に伝えることが役立ちます。
必要に応じて追加の検査が行われたり、専門の診療科を紹介されたりすることもあります。体調不良が長く続く場合は、家庭だけで判断せず医療機関に相談することが、安心して対処するためにも大切です。
血液検査で異常なしなのに体調不良が続いた子どもの体験談
血液検査で異常なしなのに体調不良が続いた子どもの体験談を3つ紹介します。
小学5年生男子|立ちくらみやめまいが続いたケース
サッカーが好きで活発な性格でしたが、ある時期から朝の登校前に「めまいがする」「ふらつく」と訴えるようになりました。体育の授業や朝礼など長時間立っている場面で立ちくらみが起こることも増え、保護者が心配して小児科を受診しました。
血液検査では貧血などの異常は見つからず、家族は原因がわからないことに不安を感じていました。医師からは、水分不足や睡眠時間の不足、生活リズムの影響が関係している可能性を指摘されました。
そこで、朝起きたら水分をしっかりとること、寝る時間を早めることなど生活習慣を見直しました。すると数週間ほどで立ちくらみの頻度が減り、現在は水分補給を意識しながら以前のように学校生活を送れる日が増えています。
中学2年生女子|朝起きられず学校を休みがちになったケース
もともと真面目な性格で部活動にも参加していましたが、ある頃から朝になると強いだるさや頭痛があり、起きられない日が増えてきました。午前中は体調が悪いものの、午後になると比較的元気になることが多く、学校を遅刻したり休んだりすることが続きました。
家族が心配して医療機関を受診し血液検査を行いましたが、特に異常は見つかりませんでした。医師からは睡眠不足や生活リズムの乱れが関係している可能性を説明され、就寝時間を早めることやスマートフォンの使用時間を見直すことを勧められました。
生活習慣を整えることを続けるうちに、徐々に朝の体調が安定し、現在は無理のないペースで学校生活を送れる日が増えてきています。
高校1年生男子|起立性調節障害と診断されたケース
入学後しばらくしてから朝起きることが難しくなり、めまい、だるさ、頭痛などの症状が続くようになりました。午前中は特に体調が悪く、学校に行けない日もありましたが、午後になると症状が軽くなることが多くありました。
保護者とともに医療機関を受診し血液検査を受けましたが、明らかな異常は見つかりませんでした。その後、専門外来で詳しい検査を受けた結果、起立性調節障害と診断されました。
医師の指導のもとで生活リズムの改善や水分・塩分補給を意識するようになり、少しずつ朝の体調が安定してきました。現在も無理をしない生活を心がけながら、体調に合わせて学校生活を続けています。
もしかしたら起立性調節障害かも
血液検査で「異常なし」と言われても、朝起きられない、めまいや立ちくらみが続く、午前中に強いだるさがあるといった症状が続く場合、起立性調節障害の可能性が考えられます。
起立性調節障害は、自律神経の働きがうまく調整できなくなることで、血圧や血流のコントロールが不安定になり、さまざまな体調不良が起こる病気です。特に思春期の子どもに多くみられ、血液検査では異常が見つからないことも少なくありません。
そのため「検査で問題がないから大丈夫」と判断され、原因が分からないまま悩むご家庭もあります。もし朝の不調やめまい、強いだるさなどが長く続く場合は、生活習慣の見直しとともに医療機関で相談することが大切です。
早めに原因を知り、適切な対応をすることで、症状とうまく付き合いながら学校生活を続けられるケースも多くあります。
まずは、一度起立性調節障害のセルフチェックをしてみてください。下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェックについてわかりやすく解説していますので、是非ご一読ください。





