大人と同じように、中学生でもめまいがみられることがあります。めまいの原因は、耳の不調、自律神経の乱れ、貧血、片頭痛、ストレス、睡眠不足などさまざまです。
中学生は成長期にあたり、体の変化や学校生活の負担によって体調が不安定になりやすい時期です。特に、朝起きられない、立ちくらみ、ふらつき、倦怠感、頭痛、吐き気などを伴う場合は、起立性調節障害が関係していることもあります。
ただし、めまいだけで原因を判断するのは難しく、なかには早めの受診が必要な病気が隠れている場合もあります。めまいが長引く場合や、繰り返す場合、強い頭痛や嘔吐、意識がぼんやりするなどの症状を伴う場合は、医療機関で相談しましょう。
本記事では、中学生のめまいの原因や考えられる病気、対処法、起立性調節障害との関係について解説します。
めまいの原因
めまいは、耳の平衡感覚に関わる部分の不調、自律神経の乱れ、貧血、片頭痛、心臓や血管の病気、脳や神経の病気など、さまざまな原因で起こることがあります。
めまいの感じ方は人によって異なり、医学的にはいくつかのタイプに分けて考えられます。
回転性めまい
天井がグルグルと回っているように感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。これは耳の不調が関係している場合があります。
浮動性めまい
自分の体がフワフワしてよろめくような感覚です。これは心血管系や脳神経、自律神経に関連していることが多いです。
立ちくらみ
立ちくらみは、立ち上がったときや体勢を変えたときに、血の気が引くように感じる症状です。
ふらつきや気が遠くなる感覚を伴うことがあり、貧血や脱水、自律神経の働き、血圧や脈拍の変化などが関係する場合があります。
平衡機能障害
平衡機能障害は、体が傾く、まっすぐ歩きにくい、バランスが取りにくいと感じる状態です。
耳の不調や脳・神経の病気が関係する場合もあるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
めまいがする時に考えられる病気
子どものめまいでは、耳の不調、自律神経の乱れ、片頭痛、ストレスなどが関係することがあります。ここでは、中学生のめまいで考えられる主な病気を紹介します。
良性発作性めまい
原因ははっきりとわかっていませんが、何の前触れもなくグルグルと回転性のめまいが数分から数時間続きます。
片頭痛に関連しているとも言われており、大人になると片頭痛に変化することもあります。
前庭片頭痛
特に前触れがない場合もあれば、目の疲れや精神的なストレスがきっかけとなることもあります。
片頭痛とともに回転性めまいや浮動性めまいが見られます。数分から数時間、長い場合は数日続くこともあります。
子どものめまいの原因の約20%ずつが、良性発作性めまいと前庭片頭痛です。良性発作性めまいは10歳以下に多く、前庭片頭痛は10代に多いとされています。
心因性めまい
強い不安やストレスなどで誘発されるめまいです。強い不安やストレスは自律神経のバランス乱すことでめまいを引き起こします。
てんかん
脳内に過剰な電気的興奮が発生することで、けいれんや意識の変容が見られる病気です。子どものてんかんには色々な種類があり、めまいを伴うこともあります。
脳腫瘍など注意が必要な病気
非常にまれではありますが、脳腫瘍などの病気がめまいの背景にある場合もあります。頭痛、吐き気、嘔吐、視力の異常、ふらつき、けいれん、手足の動かしにくさなどを伴う場合は注意が必要です。
これまでにない強い頭痛を伴うめまいや、意識がぼんやりする、歩きにくい、症状が急に悪化する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
めまいの治し方
めまいの治し方は、原因となる病気や症状の程度によって異なります。めまいが繰り返す場合や長引く場合は、自己判断で対処し続けず、医療機関で相談しましょう。
良性発作性めまいの場合
基本的には年齢に伴い自然に治っていくことが多いです。
しっかりと休養をとり、栄養バランスの整った食事を摂取しましょう。
前庭片頭痛の場合
前庭片頭痛では、休養をとり、光や音などの刺激を避けることで楽になる場合があります。症状に応じて、医師の判断で片頭痛に用いられる薬や吐き気止めなどが検討されることもあります。
睡眠不足、ストレス、天候の変化などがきっかけになる場合もあるため、誘因を記録しておくと受診時に役立ちます。
心因性めまいの場合
自律神経のバランスを乱すような不規則な生活をしていないか、生活習慣の見直し、ストレスを溜め込まないような環境作りが重要です。
リラックスできる時間や趣味を見つけたり、運動習慣を身につけることでストレスを発散させましょう。症状が強い場合は、心療内科やカウンセリングに通院するのも有効です。
てんかんの場合
てんかんが原因と考えられる場合は、医師の診断に基づいて治療が行われます。薬物療法が必要になることもあり、処方された薬は自己判断で中断しないことが大切です。
生活リズムを整え、睡眠不足を避けることも重要です。発作の様子や頻度を記録しておくと、診察時に役立ちます。
脳腫瘍など注意が必要な病気の場合
脳腫瘍などが疑われる場合は、症状や検査結果に応じて専門的な治療が行われます。治療法は、病気の種類や部位、進行度によって異なります。
強い頭痛、繰り返す嘔吐、視力の異常、けいれん、手足の動かしにくさなどを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
すぐにできる対処法
中学生がめまいを訴えた場合は、まず転倒を防ぎ、安全な姿勢で休むことが大切です。
まずは安全な場所で休む
めまいが出たときは、無理に立ち続けず、すぐに座るか横になりましょう。そのまま立っていると転倒して、頭や顔をぶつけるおそれがあります。
学校や外出先で症状が出た場合も、周囲の大人に伝え、安全な場所で休むようにしましょう。
吐き気がある場合は横向きで休む
吐き気や嘔吐がある場合は、仰向けではなく横向きで休むと安心です。吐いたものがのどに詰まるのを防ぎやすくなります。
無理に動いたり、急に起き上がったりするとめまいが強くなる場合があるため、症状が落ち着くまでは安静にしましょう。
症状が落ち着いたら水分補給をする
脱水や貧血、睡眠不足などがめまいに関係している場合もあります。症状が落ち着き、飲める状態であれば、水分を少しずつ摂りましょう。
食事がとれていない、暑い環境にいた、運動後にめまいが出た場合は、脱水にも注意が必要です。
危険な症状がある場合は早めに受診する
めまいに加えて、強い頭痛、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする、けいれん、手足の動かしにくさ、ろれつが回らない、歩けないほどのふらつきがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
めまいが何度も繰り返される場合や、日常生活に支障が出ている場合も、原因を確認するために医療機関で相談することが大切です。
もしかしたら起立性調節障害かも
中学生のめまいでは、起立性調節障害が関係している場合もあります。起立性調節障害では、めまい、ふらつき、立ちくらみ、頭痛、腹痛、吐き気、倦怠感など、さまざまな症状がみられることがあります。
起立性調節障害では、自律神経の働きや血圧・脈拍の調整がうまくいかず、立ち上がったときに脳への血流が一時的に不足しやすくなることがあります。そのため、朝起きられない、立ち上がるとふらつく、午前中に体調が悪いといった症状が出る場合があります。
朝から午前中にかけて症状が強く、午後になると少しずつ動けるようになることがあるのも、起立性調節障害でみられる特徴のひとつです。
ただし、めまいだけで起立性調節障害と判断することはできません。貧血、耳の病気、片頭痛、睡眠不足、ストレスなどでもめまいは起こるため、症状が続く場合は医療機関で相談しましょう。
めまいに加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感などが続く場合は、起立性調節障害の可能性を確認することも大切です。セルフチェックの項目や受診の目安を知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。







