起立性調節障害とは

中学生のめまいが長引くと危険|治し方・原因・考えられる病気について解説

2023年4月8日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

大人と同じように、子どももめまいが見られることがあります。

子どもにめまいが見られた場合、原因は何が考えられるのか。大人とは少し異なるため、この記事では子どもに見られるめまいの原因、その治し方などについて解説していきます。

特に思春期の子どもにめまいが見られた場合、起立性調節障害の可能性も考えられるので、そちらについても詳しく見ていきましょう。


「中学生のめまいが治らない」

その症状、もしかしたら起立性調節障害かも?

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めまいの原因

私たちがめまいを起こす原因は、多くは耳の問題にあります。耳鼻科的な問題以外にも、脳神経の問題や心臓・血管系の問題ということもあります。

医学的にめまいの症状は4種類に分けられます。

回転性めまい

天井がグルグルと回っているように感じ、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。これは耳が原因であることが多いめまいです。

浮動性めまい

自分の体がフワフワしてよろめくような感覚です。これは心血管系や脳神経、自律神経に関連していることが多いです。

立ちくらみ

特に体位を変えた際に見られ、血の気が引き、立っていることが難しい状態で、場合によっては意識が遠のき倒れてしまうことがあります。

これは、心血管系や自律神経が関与していることが多いです。

平衡機能障害

体が傾いてしまう感覚です。これは、耳鼻科的な問題や脳神経系の問題であることが多いです。

めまいがする時に考えられる病気

子どものめまいの原因で多いのは、耳や自律神経の異常です。ストレスによってもめまいが見られることもあります。

以下、子どものめまいの原因と考えられる病気について一つずつ解説していきます。

良性発作性めまい

原因ははっきりとわかっていませんが、何の前触れもなくグルグルと回転性のめまいが数分から数時間続きます。

片頭痛に関連しているとも言われており、大人になると片頭痛に変化することもあります。

前庭片頭痛

特に前触れがない場合もあれば、目の疲れや精神的なストレスがきっかけとなることもあります。

片頭痛とともに回転性めまいや浮動性めまいが見られます。数分から数時間、長い場合は数日続くこともあります。

子どものめまいの原因の約20%ずつが良性発作性めまいと前庭片頭痛です。良性発作性めまいは10歳以下に多く、前庭片頭痛は10代に多いとされています。

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心因性めまい

強い不安やストレスなどで誘発されるめまいです。強い不安やストレスは自律神経のバランス乱すことでめまいを引き起こします。

てんかん

脳内に過剰な電気的興奮が発生することで、けいれんや意識の変容が見られる病気です。子どものてんかんには色々な種類があり、めまいを伴うこともあります。

脳腫瘍

非常にまれではありますが、脳腫瘍が原因でめまいを引き起こすこともあります。

症状は脳腫瘍が発生する場所にもよりますが、脳腫瘍ができることにより頭蓋内の圧が上昇し、頭痛やめまい、吐き気の症状が共通して見られます。

めまいの治し方

上記でご紹介した疾患の治療について解説していきます。

良性発作性めまい

基本的には年齢に伴い自然に治っていくことが多いです。しっかりと休養をとり、栄養バランスの整った食事を摂取しましょう。

前庭片頭痛

しっかりと休養をとり、片頭痛に使用される薬を使用したり、吐き気がある場合は吐き気止めなどが使用されます。

心因性めまい

自律神経のバランスを乱すような不規則な生活をしていないか、生活習慣の見直し、ストレスを溜め込まないような環境作りが重要です。

リラックスできる時間や趣味を見つけたり、運動習慣を身につけることでストレスを発散させましょう。症状が強い場合は、心療内科やカウンセリングに通院するのも有効です。

てんかん

脳に発生している過剰な興奮刺激を抑える抗てんかん薬を使用します。

薬物治療を行うにあたっては、毎日規則正しく服用する、生活リズムを整えて暴飲暴食・睡眠不足を避ける、勝手に服薬を中断しない、ことが大切です。

脳腫瘍

良性か悪性か、また腫瘍ができた部位、病期にもよりますが、基本的には腫瘍を取り除くための外科手術が行われます。

頭蓋内圧を下げるためにステロイドや高浸透圧利尿剤を使用することもあります。

すぐにできる対処法

めまいは主に三半規管や前庭神経などの平衡感覚を司る器官の異常によって生じる症状ですが、中には脳梗塞や脳出血・脳腫瘍などの中枢神経系疾患でも引き起こるため注意が必要です。後者の場合、早急に医療機関を受診する必要があります。

めまいが出現した時の対処法として、まずすぐに横になってください。そのまま立っていると転倒する可能性があり、頭部外傷や顔面外傷など二次被害を引き起こす可能性があるからです。

また、横になる時は仰向けでなく左右どちらか横向きになりましょう。めまいは嘔吐を併発しやすく、仰向けだと吐瀉物が気管に入って誤嚥する可能性が高いからです。横向きであれば口から外に吐瀉物が出て安全です。

さらに、原因が耳鼻科疾患の場合は、悪い方の耳を上にするように横向きになりましょう。重力刺激がめまいの原因となることがあるため、原因となる側の耳を上にしておくことで症状が緩和される可能性があります。

脱水や貧血で脳への血流が低下してめまいが生じている可能性があるため、横になって症状が落ち着いていれば水分摂取も心がけましょう。

生活習慣の乱れが原因となることが多いため、特に睡眠不足には気をつけましょう。人の理想的な睡眠時間については専門家でも意見が分かれますが、一般的に7~8時間の睡眠時間が健康的であることが知られており、6時間未満の睡眠では睡眠不足となりやすいです。

もしかしたら起立性調節障害かも

子どももめまいを起こしますし、実に色々な疾患がめまいを引き起こします。良性発作性めまいと前庭片頭痛は子どものめまいの原因の20%ずつを占めていますが、最も多い原因は起立性調節障害です。

起立性調節障害とは、自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることでめまいやふらつき、たちくらみ、頭痛、腹痛など様々な症状を来す病気です。体が大きく成長し、ホルモンの変動が大きい思春期に多くみられます。

一般的に、私たちは朝起床頃より交感神経が優位になり、午後になると徐々に副交感神経の割合が増加していき、夜間には交感神経の働きは弱くなり、就寝が近くなる頃には副交感神経が優位に働き、睡眠中体を休めます。

起立性調節障害の子どもは交感神経と副交感神経の働きのバランスに不具合が生じ、適切に神経をスイッチすることができないため、色々な症状に悩まされます。

特に、朝は活性化されるべき交感神経がうまく活性化されないために体はなかなか覚醒状態にはなりません。朝起き上がることができず、起きたあともめまいやふらつき、頭痛、吐き気など体調不良が続きます。

時間とともに症状は和らぎ、午後からの活動は特に問題ないことが多いです。

めまいが繰り返しみられており、その他頭痛や倦怠感など様々な症状も見られている場合は一度起立性調節障害のセルフチェックをしてみてください。

下記の記事では起立性調節障害のセルフチェックをすることができます。ぜひ参考にしてみてください。

 

【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

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