- 子供がストレスや不安を抱えやすく、日常生活にも支障が出ている
- ちょっとしたことで食欲がなくなったり、不眠に陥っている
このような症状を抱えている場合、不安障害、もしくはうつ病を発症している可能性があります。
どちらの疾患も精神疾患の1つであり、症状も類似点が多く、さらには併発する可能性も高いため、時に両者は見分けがつきにくいです。しかし、どちらも発症すると人とのコミュニケーションや学校生活・学業などに悪影響を及ぼし、場合によっては不登校などに陥るリスクもあるため、注意が必要です。
重症化を未然に防ぐためにも早期発見・早期治療が重要であり、両者は特徴や症状の出方に違いもあるため、この記事では両者の違いや特徴・セルフチェック方法などについて詳しく解説します。この記事を参考に、不安障害とうつ病をセルフチェックし、早期から正しい治療を受けられるようにしましょう。
不安や気分の落ち込みとともに朝起きられない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
子どもに朝起きられない症状や立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが見られる場合は、下記のセルフチェックも参考にしてください。

不安障害とうつ病の違いとは
不安障害とうつ病の主な違いは、中心となる症状です。
不安障害では、過度な不安や恐怖、それに伴う回避行動などが中心となります。一方、うつ病では、気分の落ち込みや、それまで楽しめていたことに興味を持てなくなる状態などが中心となります。
ただし、どちらにも不眠、食欲の変化、疲労感、集中力の低下、動悸などの症状が現れる場合があります。また、不安障害とうつ病が併存することもあるため、症状や発症のきっかけだけで明確に区別できるとは限りません。
いずれも原因は一つではなく、心理的・身体的なストレスや環境、体質など、複数の要因が関係すると考えられています。正確に見分けるためには、症状の内容や続いている期間、生活への影響などを医師が総合的に確認する必要があります。
不安障害の特徴
不安障害は、過度な不安や恐怖が続き、心身の症状や回避行動によって日常生活に支障をきたす病気です。
不安障害には、主に以下のような種類があります。
- 社会不安障害:人前や人目に対して過剰に緊張してしまい、そのことを考えるだけでも動悸や息切れが出るほど緊張してしまう。
- 全般性不安障害:生活上のありとあらゆること(家族や学校生活・友人関係・将来のことなど)が全体的に不安で気になってしまい落ち着かず、安眠できなくなる。
- パニック障害:特に誘因なく、突如急激な不安感と共に激しい動悸や発汗・呼吸困難など、身体症状の発作が起こり、発作がいつ起こるかわからない不安感を抱く。
また、強迫性障害は不安障害とは異なる分類ですが、頭から離れない考えや、繰り返さずにはいられない行動に不安を伴うことが多い関連疾患です。
不安障害の種類によって症状や治療方法が異なるため、日常生活への支障が続いている場合は、医療機関へ相談しましょう。
うつ病の特徴
うつ病は、気分の落ち込みや、何をしても楽しめない状態などが続き、日常生活に大きな支障が生じる病気です。
発症の原因は完全には分かっていませんが、心理的・身体的なストレスなどを背景に、感情や意欲に関わる脳の働きに不調が生じている状態と考えられています。
うつ病では、主に以下のような症状が見られます。
- 毎日気分が落ち込む
- 興味の減退
- 食欲低下や体重減少
- 不眠もしくは過眠
- 易怒性
- 易疲労感
- 自信の低下
- 集中力の低下
- 希死念慮
- 自殺企図
症状の現れ方には個人差があり、子どもや思春期では、悲しさよりもイライラや身体症状、登校困難などが目立つこともあります。
死にたい気持ちや自傷行為が見られる場合は、本人を一人にせず、安全を確保して速やかに医療機関へ相談してください。
不安障害とうつ病は併発しやすい?
不安障害とうつ病は併発しやすいことが知られています。どちらも元来の性格や気質・遺伝などの素因が発症に関わるため、不安やストレスを感じやすい性格の方はどちらも発症するリスクが高まります。
また、不安障害を発症して常に不安感や悩みを抱えている状態が続くと、多大な精神的エネルギーを奪われてしまい、その結果精神が磨耗してうつ病を発症しやすくなるわけです。
実際に、不安障害の方がうつ病を併発する割合は約70%、逆にうつ病の方が不安障害を併発している割合も約40%と言われており、相互に発症するリスクが高いです。
併発するとそれぞれの症状が悪化しやすいことも知られており、やはり何らかの心理的変化や身体症状を認めた場合は、早期に医療機関を受診して適切に対応することが肝要です。

不安障害・うつ病のセルフチェック
繰り返しになりますが、不安障害やうつ病は早期発見が重要です。しかし、両者の症状は類似点も多く、自分では判断できない!という方も少なくないでしょう。
そこで、ここでは不安障害・うつ病のセルフチェック方法をそれぞれ紹介します。自宅でも簡単に実施できるため、ぜひこれを機にチェックしてみましょう。
不安障害のセルフチェック
前述したように不安障害は大きく4つに分類でき、それぞれの病態によって出現する症状も異なります。ここでは、それぞれの特徴的な症状を踏まえたチェック項目を紹介します。
- 特に理由のない漠然とした将来への不安に悩んでいる
- 公共の場や人前での食事に不安を覚える
- 人前に立ったり、人前で電話をするのが苦手
- 不安が強く、夜眠れない
- 疲労感が強い
- 最近、集中力・記憶力が低下している
- 落ち着きがない
- 自分のことを噂されていると過度に心配してしまう
- 鍵の閉め忘れや手の汚染などが気になって、その思考から抜け出せない
- 急に発汗や動悸が出て、身動きがとれなくなることがある(パニック発作)
- パニック発作が出るか気になって、人前に出るのが怖い
- 上記のような症状が1回ではなく、半年以上継続して出ている
上記チェック項目に当てはまる数が多い人ほど、何らかの不安障害を発症している可能性が高く、注意が必要です。特に、項目9に当てはまる方は強迫性障害、項目10や11に当てはまる方はパニック障害の可能性が高いです。
それ以外の項目に多く当てはまる場合は、社会不安障害や全般性不安障害の可能性があります。あくまで簡易的なチェックであるため、必ず正確な診断をつけるためにも医療機関を受診しましょう。
うつ病のセルフチェック
うつ病のセルフチェックには、簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS-J)を用いることが一般的です。
この評価尺度では、寝つき・夜間の睡眠・早朝の覚醒・過眠・悲しい感情・食欲低下もしくは増加・体重の減少もしくは増加・集中力・自分に対する見方・死や自殺についての考え・興味・疲れやすさ・身体の活動性・落ち着きなどの項目をそれぞれ点数化します。
より点数が低いほどうつ病の可能性は低く、点数が高いほどうつ病の可能性が上がるため注意が必要です。うつ病は放置すれば自殺の可能性もあり、不安障害よりも早期発見が重要であるため、ぜひこれを機にセルフチェックしてみましょう。
※ 参考文献:厚生労働省
もしかしたら起立性調節障害かも
不安や気分の落ち込みに加えて、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが見られる場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。
主な症状には、朝起きられない、立ちくらみ、めまい、頭痛、倦怠感、動悸、腹痛などがあります。症状は午前中に強く、午後になると軽くなる傾向がありますが、現れ方には個人差があります。
不安障害やうつ病でも、不眠、動悸、めまい、倦怠感、腹痛などの身体症状が現れる場合があります。そのため、これらの症状だけで病気を区別することはできません。また、起立性調節障害と不安障害やうつ病が併存する可能性もあります。
下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、ぜひ一度確認してみてください。
また、起立性調節障害は身体の急激な成長で発症しやすく、小児に多い疾患ではありますが、大人でも発症することが知られています。
ぜひ下記の記事を参考に、大人における起立性調節障害をセルフチェックしてみましょう。






