- 子供の頭痛は睡眠不足が原因って本当?
- 子供の繰り返す頭痛は病院に行くべき?
このようなお悩みや疑問を抱える親御さんも少なくないでしょう。
睡眠不足は子供の頭痛の原因であり、睡眠不足による自律神経の乱れやストレスによって頭痛が生じます。睡眠不足以外にも眼精疲労や過剰なストレスなど、さまざまな要因で頭痛は生じます。
また、何らかの病気を発症した結果、頭痛が生じている可能性もあり、中には命の危険性もある病気もあるため、早期発見・早期治療が重要です。
この記事では、睡眠不足と頭痛の関係や睡眠不足以外の頭痛の原因、病院の受診の目安などについて詳しく解説します。
子供の頭痛は睡眠不足が原因のことが多い?仕組みを解説
子供はさまざまな原因で頭痛を引き起こしますが、特に睡眠不足は非常に多い原因の1つです。
これは睡眠不足が脳にたくさんの悪影響を与えるためであり、その主な仕組みは下記の5つです。
睡眠不足で自律神経が乱れ、頭痛が起こりやすくなる
睡眠不足の子供では自律神経が乱れやすく、頭痛が起こりやすくなります。自律神経とは交感神経と副交感神経の総称のことで、それぞれが相互に作用し合うことで血圧・脈拍・体温・呼吸・排尿・排便・睡眠などのさまざまな生理機能をコントロールしている神経です。
睡眠不足に陥るとこの自律神経のバランスが乱れ、血圧や脈拍にも影響が出るため、脳への血流が変化してしまいます。特に、脳の血管が拡張すると痛覚を司る神経が刺激されるため、頭痛が生じます。(これを片頭痛という)
また自律神経が乱れることで筋肉への血流も不安定になり、一部の筋肉が酸素不足に陥ると、その筋肉は硬直してしまい、頭痛の原因となるため注意が必要です。(これを筋緊張型頭痛という)
なお、自律神経の乱れによる頭痛の場合、発熱などの症状は認めず、なんとなく全身が不調になるという点が特徴です。
“脳の休息”が追いつかず、痛みを感じやすくなる
睡眠不足の子供の場合、“脳の休息”が追いつかず、痛みを感じやすくなります。睡眠時間が少ない、もしくは睡眠の質が低い場合、十分脳が休息することができなくなり、痛みに対する感受性が上がってしまうためです。
通常、痛みの感覚は脳の後頭葉に位置する一次体性感覚野と呼ばれる部位で感知されますが、睡眠不足の場合、一次体性感覚野の働きが亢進してしまうため、痛みを感じやすくなります。
一方で、視床や側坐核と呼ばれる部位は一次体性感覚野に伝わる疼痛刺激を緩和・調整する部位であり、これらの部位は睡眠不足によって働きが減弱してしまうため、総じて痛みを感じやすくなってしまうのです。
夜更かし・スマホ習慣による慢性化のリスク
近年ではスマホ、タブレット、ゲームなどのデジタル端末の操作によって睡眠不足に陥る子供は増加傾向であり、社会問題にもなっています。
これらの端末を操作すると首が前傾してしまい、重たい頭を支えるために後頭部や頚部、肩の筋肉に負担がかかり、肩こりや頭痛の原因となります。
また、スマホやタブレットの光刺激は脳内における睡眠ホルモン「メラトニン」分泌を抑制し、睡眠の質が低下してしまうため、先述したような機序で痛みを感じやすくなってしまう点でも注意が必要です。
スマホやタブレットの操作は1日の上限時間を設定したり、操作の終了時刻を設定することが睡眠不足の解消や頭痛の改善に有効です。
生活リズムの乱れが“朝の切り替え”を妨げる
睡眠不足の子供で頭痛が多い原因として、生活リズムの乱れが“朝の切り替え”を妨げる点も挙げられます。
先述したように自律神経は睡眠をコントロールしており、起床時には交感神経が活性化することで脳や身体を覚醒させ、活動的に変化させます。夜になると逆に副交感神経が活性化し、脳や身体の活動性を下げて睡眠モードに変化させるのです。
しかし、生活リズムの乱れによって自律神経が乱れると、朝になっても交感神経が活性化されず、快活に起床できなくなります。さらに、夜になっても副交感神経が活性化しないため、夜は眠れなくなってしまうのです。
夜は眠れないのに朝は起きないといけないという状況に陥り、睡眠時間が短縮することで頭痛を生じやすくなるため、注意が必要です。
成長ホルモンの分泌が乱れ、疲労が蓄積する
睡眠不足の子供で頭痛が多い原因として、成長ホルモンの分泌が乱れ、疲労が蓄積する点も挙げられます。
成長ホルモンは子供の心身の健康的な発育のためには必要不可欠なホルモンであり、睡眠中に分泌されることによって疲労の回復や損傷した細胞・組織の修復効果が得られます。
特に成長ホルモンの分泌は就寝から2-3時間に豊富ですが、成長ホルモンの分泌は自律神経の影響を強く受けるため、睡眠不足で自律神経が乱れると十分に成長ホルモンが分泌されず、疲労が蓄積してしまうのです。
疲労の蓄積によって脳の痛みの感受性が高まり、頭痛を感じやすくなるため、注意が必要です。また他にも、成長ホルモンの分泌低下は気力の低下や筋肉の減少など、さまざまな悪影響を及ぼします。
子供の頭痛は睡眠不足だけじゃない?考えられる“他の病気”の可能性
睡眠不足は自律神経の乱れや筋肉の緊張など、さまざまな要因で頭痛を招きますが、子供が頭痛に陥る原因は睡眠不足だけではありません。
強いストレスなどの心理的要因による頭痛や、何らかの病気を発症した結果頭痛が生じている可能性もあるため、注意が必要です。
そこで、子供の頭痛における、睡眠不足以外の考えられる病気を5つ紹介します。
起立性調節障害
子供の頭痛の原因として、睡眠不足以外では起立性調節障害が挙げられます。起立性調節障害とは、自律神経の乱れによってめまい、ふらつき、倦怠感、吐き気、腹痛など、さまざまな症状をきたす疾患です。
特に小児の中でも小学生高学年〜中学生は身体の成長に対して自律神経の成長が間に合わず、自律神経が乱れやすいことから発症しやすいです。自律神経が乱れると脳の血管は収縮と拡張を繰り返し、特に拡張時には脳内部の圧が上昇してしまうことで頭痛を感じます。
起立性調節障害を発症したほとんどの子供は自然に軽快しますが、中には症状が遷延し、通学が困難になることで学業や進級、将来の進路にも大きく影響が出てしまうことがあるため、早期発見・早期治療が肝要です。
片頭痛
子供の頭痛の原因として、睡眠不足以外では片頭痛が挙げられます。片頭痛とは、頭の片側(もしくは両側)に拍動性のズキンズキンとする頭痛が生じ、吐き気や音・光への過敏性を示す疾患です。
また、片頭痛の特徴的な症状として、頭痛の前に目がチカチカして、光が視野に入り込む「閃輝暗点」と呼ばれる前駆症状が挙げられます。
睡眠不足、疲労などのストレスによって血管収縮作用のあるセロトニンが分泌されなくなり、これによって脳血管が拡張することで頭痛を発症するため、睡眠不足の子供では発症しやすいです。
片頭痛自体は命に直結するような病気ではないですが、生活の大きな妨げになるため、疑わしい場合は早期に医療機関を受診しましょう。
副鼻腔炎(鼻づまり)
子供の頭痛の原因の1つが、副鼻腔炎(鼻づまり)です。鼻の奥には顔面骨で形成されたいくつかの空洞があり、これを副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞の4つ)と呼びます。
副鼻腔は空気の加温・加湿・頭部の軽量化、音声の共鳴などの役割を担っていると考えられていて、分泌物などを鼻腔へ排出しています。しかし、風邪などをきっかけに鼻腔の粘膜が腫脹すると、蓄積した分泌物をうまく鼻腔に排出できなくなり、副鼻腔炎を発症します。
鼻の奥で炎症が生じるため、主な症状としては鼻汁や鼻づまりなどですが、頭痛や吐き気を訴える方も少なくありません。特に小児の場合、風邪をひきやすい上に鼻腔が元から狭いため、副鼻腔炎を発症しやすく注意が必要です。
眼精疲労
子供の頭痛の原因として、睡眠不足以外では眼精疲労も挙げられます。眼精疲労とは、長時間のパソコンやスマホ操作によって目を酷使した結果、眼痛や目のかすみ、充血などの目の症状に加え、頭痛や肩こり、吐き気などの全身症状が現れ、十分な休息をとっても回復しない状態を指します。
目を酷使することで眼球周囲の筋肉が緊張し、その緊張が頚部や肩部に伝わることで肩こりや頭痛が生じるのです。また、電子機器から発せられる光刺激は睡眠の質を低下させ、それによって自律神経が乱れることでも頭痛が生じます。
特に近年では子供のスマホいじりが社会問題となっており、スマホやパソコンの長時間操作によって睡眠の質の低下や眼精疲労を引き起こすケースも増えているため、注意が必要です。
貧血
子供の頭痛の原因として、睡眠不足以外では貧血も挙げられます。貧血とは、全身に酸素を運搬する役割を担う赤血球の数が減少し、各臓器が酸欠に陥ることでさまざまな症状をきたす疾患です。
特に小児の場合、赤血球の形成に必要不可欠な鉄分が不足することで生じる鉄欠乏性貧血が最も多く、偏った食生活や月経などによって発症します。また牛乳は鉄分の吸収を阻害するため、牛乳の大量摂取も要注意です。
脳に供給できる酸素量が低下するため、ふらつきやめまい、頭痛、易疲労感、倦怠感など、さまざまな症状をきたします。また、非常に稀ではありますが白血病などの血液疾患を発症した結果、貧血に陥っている可能性もあるため、注意が必要です。
子供の頭痛の受診の目安は?
- 子供が頭痛に苦しんでいるけど、病院を受診すべき?
- どのような状況であれば病院に受診した方がいいの?
上記のようなお悩みを、どんな親御さんでも一度は抱いたことがあるでしょう。大切な子供の不調を早く改善させてあげたい一方で、病院に行くほどの症状なのか自信が持てない方も少なくありません。
そこで、子供が頭痛で苦しんでいる場合に、受診すべき目安となるケースを5つ紹介します。なお、下記のケースはあくまで一例であり、普段と異なる様子を察知した場合にはすぐに小児科を受診するのが基本です。
熱がないのに頭痛が頻繁に起こる場合
熱がないのに頭痛が頻繁に起こる場合は、病院を受診すべきです。通常、睡眠不足やストレスに伴う頭痛は一過性で、繰り返し頻繁に起こるようなものではなく、頻繁に起こる場合は何らか病気を発症している可能性があります。
このようなケースで考えられる病気としては、一次性頭痛(頭痛自体が病気であり、別の病気が原因ではない頭痛の総称)であり、主に片頭痛、筋緊張型頭痛、群発頭痛などです。
なお、このような頭痛が生じる場合は頭痛の頻度や持続時間、起きる時間帯、天候、痛みの強さ・睡眠状況などを頭痛日記に記録することで、診断の手掛かりとなります。
それぞれの疾患では頭痛が発現する頻度や部位が異なりますが、共通して命の危険性はないです。しかし、どの疾患も激しい頭痛が定期的に頻発するため、日常生活に与える影響は少なくありません。
長期化すれば通学が困難になったり、学業に集中できなくなって進級や進路に支障をきたす可能性もあるため、発熱など認めないにも関わらず頭痛が頻発する場合は、必ず早期に医療機関を受診しましょう。
朝の頭痛や“午前中の不調”が続く場合
朝の頭痛や“午前中の不調”が続く場合も病院を受診しましょう。頭痛以外にも倦怠感や腹痛、嘔気など、さまざまな不調が特に午前中に強い場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群とは、なんらかの原因で気道が閉塞し、睡眠中に十分量の酸素を吸い込むことができなくなり、さまざまな症状をきたす疾患です。
睡眠中、酸素欠乏に陥るため、脳は十分な休息を得ることができず、起床時や午前中の強い倦怠感、頭痛、集中力の低下、眠気などの症状をきたします。
小児の場合、扁桃肥大やアデノイド、アレルギー性鼻炎などの耳鼻科疾患が原因となって気道が閉塞し、睡眠時無呼吸症候群を発症することが多いです。
放置すれば、強い眠気によって日中授業に集中できなくなったり、長期的には高血圧・糖尿病・心臓疾患・脳血管障害などの発症リスクが増大することが知られているため、早期に医療機関で治療する必要があります。
立ちくらみ・動悸・倦怠感を伴う場合
頭痛だけでなく、立ちくらみ・動悸・倦怠感などの複合的な症状を伴う場合も病院を受診すべきです。立ちくらみ・動悸・倦怠感などの身体症状は、睡眠不足だけで一元的に説明するのは難しく、背景になんらかの病気が隠れている可能性があるためです。
もし仮になんらかの病気でこれらの全身症状が出ている場合、放置すれば悪化する可能性もあるため、医療機関への受診を推奨します。
頭痛や立ちくらみ、動悸が同時に生じる病気の中でも要注意なのが甲状腺機能亢進症です。代謝に関わる甲状腺ホルモンが異常分泌される事でさまざまな症状が生じる病気であり、特に小児ではバセドウ病と呼ばれる自己免疫性疾患が原因となることが多いです。
甲状腺機能亢進症であれば、適切に治療すれば症状はコントロールすることができるため、早期に医療機関を受診しましょう。また、甲状腺機能亢進症以外にもさまざまな原因が考えられるため、必ず複合的な症状を認める場合は医療機関で精査しましょう。
学校生活に支障が出ている場合
頭痛で学校生活に支障が出ている場合も病院を受診すべきです。仮に睡眠不足による頭痛で一時的に学校を休んだとしても、休んでいる間に睡眠を取れば頭痛は改善するため、学校生活に与える影響も限定的です。
一方で、頭痛によって遅刻や欠席、保健室での休養が増えてしまったり、授業中の集中力低下、強い眠気、だるさなど によって学業に支障が出てしまう場合、 一時的な睡眠不足では説明がつきません。
なんらかの病気が隠れている可能性が高いため、医療機関への受診を勧めます。子供の場合、このようなケースでは筋緊張型頭痛や片頭痛の可能性の他に、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症している可能性があります。
学校内でのいじめや対人関係の不和などが原因でこれらの疾患を発症している可能性があるため、無理に学校に行かせようとはせず、まずは病院に受診することが重要です。
嘔吐・視界異常などを伴う場合は“すぐ受診”
子供が頭痛を訴える中、嘔吐や視界異常などを伴う場合は病院に“すぐ受診”する必要があります。頭痛や嘔吐、視界異常が同時に出現する場合、頭蓋内圧が亢進している可能性が高く、非常に緊急性が高い病態です。
具体的には、脳腫瘍や水頭症、稀ですがもやもや病や脳動静脈奇形による脳梗塞や脳出血など、どれも緊急性の高い病気が原因として挙げられます。
これらの疾患の場合、早期に治療しなけば頭蓋内圧の亢進によって正常な脳細胞が破壊されていき、麻痺やしびれなどの神経症状とともに、最終的には呼吸停止や意識障害に陥り死に至る可能性があります。
また、眼科疾患の1つである急性緑内障発作と呼ばれる病気も、頭痛や嘔吐、視界異常が同時に出現する病気です。急性緑内障発作は非常に進行の早い病気であり、対応が遅れると失明してしまいます。
以上のことからも、吐き気・嘔吐、視界がぼやける、手足が動きにくいなどの“危険サイン”を伴う頭痛を認める場合は早期受診が肝要です。
頭痛で悩んでいた子供の体験談と改善事例
子供の頭痛の原因は多岐に渡り、その原因によって治療法や改善方法も異なります。もちろん睡眠不足などが原因であれば生活習慣の見直しによってセルフケアできますが、中には病院で専門的な治療を受けなければ改善が難しいケースもあるため、注意が必要です。
そこで、ここでは頭痛で悩んでいた子供の体験談と改善事例を3つ紹介します。さまざまな事例を知ることは、子供の頭痛改善の糸口にもなるため、お悩みの親御さんはぜひ参考にしてください。
11歳女子:スマホ操作が原因だった事例
11歳女子のAさんはテニス部に所属し、規則正しく健康的な毎日を送っていました。しかし、11歳の誕生日にスマホを親からプレゼントされたことをきっかけに、少しずつ生活習慣に変化が生じます。
夜遅くまでスマホゲームをするようになってしまい、ベッドに入ってからもスマホ操作をすることで就寝時間が遅くなってしまったそうです。その結果、睡眠不足に陥り、特に午前中に重い頭痛に悩まされることになりました。
親御さんは早い時間にベッドに入るように指示しましたが、ベッドに入る直前までスマホ操作しているため、目が冴えてしまい、眠れなくなったそうです。そこで近隣の小児科に相談したところ、スマホ操作を就寝3時間前までに終わらせるよう指導されたそうです。
実際に試したところ、ベッドに入ると比較的早期に就寝できるようになり、朝もスッキリ起きれて頭痛も解消されたそうです。それ以降、スマホは時間制限を設けて操作するよう注意しているようです。
10歳男子:耳鼻科受診で改善した事例
10歳のBくんはサッカー部に所属し、毎日部活動に明け暮れる健康的な男の子でした。しかし、ある時風邪を引いてしまい、風邪が治った後も慢性的な頭痛と鼻汁だけが残ってしまったそうです。
頭痛や鼻汁のせいで寝苦しく、睡眠不足に陥ってしまい、以前のように快活に部活動に取り組めなくなりました。そこで母親に相談したところ、市販の小児用鎮痛剤を購入し使用したそうです。内服して一時的に症状は緩和するものの、時間の経過とともに頭痛は悪化していったそうです。
そこで近隣の総合病院を受診したところ、耳鼻科疾患の可能性を指摘され、頭部CT検査を行った結果、感染を契機に慢性副鼻腔炎を発症していることが判明しました。抗生剤治療を開始し、数週間すると頭痛や鼻汁は著明に改善したそうです。
同時に睡眠不足も解消され、再び快活とした学校生活を取り戻せたそうです。
13歳女子:起立性調節障害が原因だった事例
13歳のCさんはこれまで大きな病気もなく、規則正しい日々を送る中学生の女の子です。中学入学後、バスケットボール部に入部し、成長期に入ったことで身長が急激に伸びていました。
ある朝、起床して立ち上がったところ、急激な立ちくらみとめまい、頭痛などの症状に襲われ、その場でしゃがみ込んでしまったそうです。母親に相談してその日は学校を休みましたが、夜になると症状が回復し、逆に元気になって眠れなくなってしまったそうです。
翌日には治ると思っていたら、翌日以降も同様の症状で頭痛やめまいに苦しみ、仕方なく小児科に受診したところ、急激な身長の変化に伴う起立性調節障害の可能性を指摘されました。
起き上がる前にしっかり水を飲み、ゆっくり慎重に起き上がるように指導され、症状が落ち着くまで部活動は控えるよう指摘されたそうです。実際に医師の指示通りに行動すると症状は改善し、通学できるようになりました。
しばらくは注意して生活していましたが、3ヶ月ほど経過して症状も改善し、半年後には無事に部活動に復帰できたそうです。
もしかしたら起立性調節障害かも
子供が頭痛で苦しんでいる場合、睡眠不足ではなく、もしかしたら起立性調節障害の可能性もあります。起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることで動悸や発汗、頭痛など、さまざまな症状をきたす疾患です。
また起立性調節障害を発症して自律神経のバランスが乱れると、夜間に本来活性化するはずの副交感神経が活性化せず、逆に交感神経が活性化することで目が冴えてしまい、眠れなくなります。そのため、睡眠不足になりやすく、そのストレスによってさらに頭痛も生じやすくなります。
起立性調節障害は基本的には自然に軽快する病気ですが、中には重症化して進学や進級に支障が出る子供もいるため、こういった状況を未然に防ぐためにも、早期発見・早期治療が肝要です。
下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。







