起立性調節障害とは

五月病とうつ病の違いとは?それぞれの特徴を解説

2024年4月29日

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医
2018年から起立性調節障害患者の診療を行い、累計30人以上の起立性調節障害患者を担当。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

五月病という言葉をこの時期よく聞いたり、使ったりすることがあると思います。疾患ではありませんが、ストレスが原因で様々な体調不良がみられる状態のことを指します。

一方でうつ病もよく似た状態であることが多いです。こちらの記事では、五月病とうつ病について、それぞれの特徴と違いについて解説していきます。

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

五月病とうつ病の違いとは

まずは、それぞれの特徴について解説していきます。

五月病の特徴

五月病は、一般的に使われている言葉で、特に新入社員や学生などが春先に感じる心身の不調を指します。 新学期、新年度が始まる4月、新たな環境に適応しようとする時期や、新しい生活スタイルに慣れようとする時期に起こりやすいとされています。

新しい環境に慣れないことやストレスが原因で五月頃から様々な症状が見られることが一般的です。 五月病の症状は、食欲低下、集中力の低下、身体のだるさ、疲れやすい、など実に様々です。

五月病という病名は医学的にはありません。医学的には、適応障害、状況によってはうつ病という診断になります。

うつ病の特徴

はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。

症状としては、気分の落ち込み、何事にも興味が持てない、不安、食欲低下、疲れやすい、頭が重い・頭痛、首や肩のこりなどがみられ、症状の程度も個人差があります。

五月病とうつ病の違い

基本的には両者ともに精神的や身体的なストレスが原因で様々な体調不良が見られる状態であり、とても症状も似通っています。

しかし、違いの一つとしては、持続期間が大きなポイントとして挙げられます。基本的に、五月病は一過性であることが多く、うつ病は長期間継続します。

また、五月病もストレスが蓄積し続けることで症状が長期化し、うつ病へ移行することもあるので注意が必要です。

五月病・うつ病のセルフチェック

五月病・うつ病のセルフチェック方法について詳細に解説していきます。

五月病のセルフチェック

新年度や新学期が始まった頃から5月頃までに以下のような症状がないかチェックしてみてください。

  • 不安や焦燥感がある
  • 人間関係が煩わしく感じる
  • 外出をあまりしなくなった
  • 学校や会社に行きたくないと感じる
  • 疲れやすく、疲れがとれない
  • 食欲がない
  • 寝つくまでに時間がかかる
  • 眠りが浅い
  • 頭痛や肩こりがひどい
  • 集中力が低下し些細なミスが多い
起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

うつ病のセルフチェック

うつ病も五月病と非常に似た症状が多いですが、特徴としては、食事や睡眠・休息を中心に日常生活に支障を来すことが多いです。

以下の症状が比較的長く継続している場合は注意が必要です。

  • 寝つきが悪い
  • 寝ている間に何度も目が覚める
  • 寝ても寝ても寝足りない(過眠傾向である)
  • 食欲がない
  • 食欲が異常に旺盛である
  • 体重が低下した
  • 体重が増えた
  • 集中力・決断力が低下した
  • 自分はあまり価値がないなど自分に対してネガティブな考えが多い
  • 物事に興味がなくなってきている
  • 疲れやすい
  • 落ち着きがない、そわそわする

もしかしたら起立性調節障害かも

五月病もうつ病もストレスが原因で様々な体調不良がみられる状態ですが、特にうつ病は体調不良の症状が朝に重い傾向にあります。

よく似ており、間違われやすい病気の一つに起立性調整障害というものがあります。

起立性調整障害とは、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが原因で頭痛や腹痛、めまい、ふらつき、吐き気、睡眠障害など様々な不調が出現する病気です。 自律神経の働きは一日のうちでリズムがあります。

起床時から午前中にかけては交感神経の働きが優位で、午後から睡眠時にかけて副交感神経の働きが徐々に増してきます。

したがって、起立性調整障害の症状も起床時、午前中が最もつらい時期になり、午後にかけて和らいでいきます。五月病やうつ病と起立性調節障害は症状も似ており、朝が最も症状が重いという特徴もよく似ています。

起立性調節障害の場合、早期受診・早期治療が症状の早期改善に重要です。セルフチェックを行い起立性調節障害の可能性が疑われる場合、早期受診をおすすめします。

関連記事:起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

関連記事:大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

【参考文献】 日本小児心身医学会

【無料】起立性調節障害診断

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエメガネ

トトノエライトプレーン

【無料】起立性調節障害の相談窓口

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは