- しっかり寝ているはずなのに、一日中眠い
- 体は疲れていないはずなのに、なぜかだるい
このような症状にお悩みの方も少なくないでしょう。
日中の眠気や倦怠感が続くと、子どもであれば学業に、大人であれば仕事や家事に支障をきたすことがあります。睡眠時間や生活習慣を見直すことで改善する場合もありますが、睡眠障害や貧血、甲状腺疾患などが関係している可能性もあります。
また、「眠くて起きていられない」という眠気と、「身体が重くて動きにくい」という倦怠感では、考えられる原因が異なる場合があります。いつから、どのような症状が続いているのか、睡眠や体調にほかの変化がないかを確認することが大切です。
日中に耐え難い眠気がある場合は、運転や高所での作業など、危険を伴う行動を控えてください。
この記事では、一日中眠い・だるい場合の原因や対処法、考えられる病気について詳しく解説します。症状に合った対処法を確認し、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
一日中続く眠気やだるさがあり、朝起きられない場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

一日中眠い ・だるいのはなぜ?原因を解説
風邪や胃腸炎などの感染症にかかると、一時的に眠気や倦怠感が現れることがあります。ただし、高熱や強い倦怠感、水分が取れない状態などがある場合は、原因がわかっていても医療機関への相談が必要です。
特に明らかな原因がなく、一日中眠い・だるい状態が一定期間続く場合は、睡眠時間や睡眠環境、食事、運動習慣などが関係している可能性があります。また、生活習慣以外の病気が隠れていることもあります。
ここでは、日常生活で考えられる主な原因を3つ紹介します。
睡眠の質や量が低下している
一日中眠い ・だるい場合、睡眠の質や量が低下している可能性が高いです。睡眠の質や量が低下してしまうと、身体や脳が十分に休息することができず、疲労が解消しきれないために日中の眠気や倦怠感につながります。
睡眠の量(睡眠時間)の低下については、自分自身の睡眠を記録することで客観的に把握することができますが、睡眠の質の低下については実感しにくいため、注意が必要です。
例えば、睡眠中に家族やパートナーのいびきがうるさい、カーテンがなく遮光できない、近所の工事で振動が伝わるなど、睡眠中の音や光・振動の刺激は、睡眠の質を低下させる原因です。
他にも、高温多湿・寒冷乾燥な寝室や、硬すぎるマットレスや高すぎる枕の使用なども、知らず知らずのうちに睡眠の質を低下させます。一度、自身の就寝環境を見直してみると良いでしょう。
不適切な食生活
食事の時間や内容が不規則な場合も、日中の眠気や倦怠感に影響することがあります。
就寝直前に大量の食事を取ると、寝ている間も消化活動が続き、胃もたれや胸やけ、寝つきの悪さ、中途覚醒などにつながることがあります。可能であれば就寝の2時間程度前までに夕食を終え、遅くなる場合は量を控えめにするなどの工夫をしましょう。
就寝前の飲酒にも注意が必要です。アルコールは一時的に寝つきをよくしますが、睡眠の後半には眠りを浅くし、中途覚醒を増やす可能性があります。眠るための寝酒は控えましょう。
また、偏った食事によって鉄やビタミンなどが不足すると、貧血や倦怠感につながることがあります。乳製品にはたんぱく質やトリプトファンなどが含まれていますが、乳製品だけで睡眠の問題が改善するとは限りません。
特定の食品に偏らず、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を基本にしましょう。
運動不足
運動不足も、一日中眠い ・だるい原因となるため、注意が必要です。睡眠の質や身体の調子は、自律神経(交感神経と副交感神経の総称)のバランスに大きく左右されますが、適切な負荷の運動には自律神経のバランスを整える効果があるためです。
週に3〜4日、1日30分以上の有酸素運動を定期的に継続できると良いでしょう。ランニングやウォーキング、水泳やゴルフなど、比較的負荷の少ない運動がおすすめです。
一方で、あまりにも負荷が高く激しい運動はかえって睡眠の質を低下させ、日中の眠気や倦怠感を助長させてしまう可能性があるため、運動の負荷には注意が必要です。
また、運動を行う時間帯も重要であり、就寝直前の運動はかえって睡眠の質を低下させることが知られているため、遅くとも就寝の2時間以上前に運動を終わらせるようにしましょう。
一日中眠い・だるい場合の対処法
一日中眠い・だるい状態が続くと、思うように身体や頭を動かすことができず、学業や仕事に集中しにくくなります。
まずは睡眠時間や生活習慣を確認しますが、セルフケアだけで改善するとは限りません。耐え難い眠気がある場合や、倦怠感が長く続く場合、ほかの症状も伴う場合は、医療機関への相談を検討してください。
ここでは、一日中眠い・だるい場合に取り入れたい対処法を解説します。
睡眠習慣を見直す
まず初めに、ご自身の睡眠習慣を見直しましょう。睡眠の質や量の低下は日中のだるさや眠気につながるためです。先述したような就寝環境の改善はもちろんのこと、ふとしたルーティンワークが睡眠の質を低下させている可能性もあります。
例えば、眠る直前までスマホいじりやPC作業、テレビ鑑賞をしていると、メラトニンがうまく産生されず、睡眠の質が低下してしまいます。
また、良質な睡眠を得るためには就寝後に深部体温が低下する必要がありますが、就寝直前に入浴すると深部体温が低下しにくくなるため、睡眠にとっては良くありません。
普段から行なっている何気ない行動が、眠気やだるさの原因となっている可能性もあるため、今一度睡眠習慣を見直してみると良いでしょう。
定期的にストレスを発散する
睡眠習慣を見直した後は、定期的にストレスを発散することも重要です。
病気や金銭トラブル・人間関係など、ストレスが溜まる原因は日常生活に溢れていますが、ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが乱れ、睡眠の質が低下したり、さまざまな心身の不調につながるためです。
ストレス発散の方法は人によってもさまざまですが、ヨガやエクササイズ・読書・映画鑑賞・サウナなど、自分に合った方法を知っておくと良いでしょう。
一日中眠い、もしくはだるくて何もやる気が出ないという人は、無理にストレス発散しようとせず、家でぼーっとする時間を意識的に作ってみることも重要です。
日中に軽く仮眠を取る
一日中眠い、もしくはだるい場合、日中に軽く仮眠を取ってみると良いでしょう。日中の短時間の仮眠は、脳を効率的に休息させることができ、その後のパフォーマンスの向上につながるためです。
仕事の昼休憩や、学校の昼休みなどに、20分程度の仮眠を取ることで、その後の仕事や授業への身の入り方も変わってきます。
一方で、日中に長時間睡眠を取ってしまうと、睡眠サイクルが乱れてしまい、かえって良くないため、あくまで仮眠は20分程度に留めておくことが重要です。

一日中眠い・だるい場合に考えられる病気
何らかの病気によって、眠気や倦怠感がもたらされている可能性があるため、注意が必要です。中には、放置すると命に関わるような病気が原因である可能性もあるため、上記のようなセルフケアでも症状を改善できない場合は早期に医療機関を受診することを勧めます。
ここでは、一日中眠い・だるい場合に考えられる病気を5つ紹介します。
貧血
一日中だるい、疲れやすい場合は、貧血の可能性があります。
貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下し、全身へ酸素を運ぶ働きが十分に行えなくなった状態です。倦怠感や疲れやすさのほか、動悸、息切れ、頭痛、顔色不良などが現れることがあります。
特に月経のある女性や妊娠中・出産後の女性は、鉄欠乏性貧血が起こりやすいため注意が必要です。ただし、消化管からの出血や慢性疾患など、鉄不足以外の原因で貧血になることもあります。
貧血の有無や原因を確認するには、ヘモグロビンやフェリチンなどの血液検査が必要です。自己判断で鉄のサプリメントを飲み続けず、症状がある場合は内科などへ相談しましょう。
貧血のセルフチェックは、下記の記事を参考にしてみてください。
うつ病
一日中眠い・だるい場合は、うつ病が関係している可能性もあります。
うつ病は、精神的・身体的なストレスなどを背景に、気分や意欲、思考、身体の働きにさまざまな変化が現れる病気です。発症の仕組みは完全には解明されておらず、セロトニンやノルアドレナリンなど、特定の神経伝達物質の減少だけで説明できるものではありません。
主な症状には、気分の落ち込み、興味や喜びの低下、疲れやすさ、集中力の低下、食欲の変化、不眠または過眠などがあります。
うつ病は大人だけでなく、子どもや中高生でも発症することがあります。症状が続いて日常生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科、小児科などへ相談しましょう。
「消えてしまいたい」「死にたい」といった考えがある場合や、自傷行為の危険がある場合は、一人にせず、速やかに医療機関や救急へ相談してください。
うつ病の人にみられる行動や、周囲が気づきやすい変化について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
睡眠時無呼吸症候群
一日中眠い・だるい場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に空気の通り道である上気道が狭くなり、無呼吸や低呼吸を繰り返す病気です。呼吸を再開するために脳が短時間覚醒する反応が繰り返され、本人が気づかないまま睡眠が分断されます。
そのため、十分な睡眠時間を確保していても休養感が得られず、日中の強い眠気や倦怠感、起床時の頭痛、集中力の低下などが現れることがあります。
肥満は主なリスク要因の1つですが、肥満がない人でも、小顎、扁桃・アデノイドの肥大などによって発症することがあります。また、飲酒は睡眠中の上気道を狭くし、症状を悪化させる可能性があります。
治療せずにいると、高血圧や心血管疾患などのリスクに関係するため、大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘された場合は、医療機関へ相談しましょう。
ナルコレプシー
一日中眠い・だるい場合は、ナルコレプシーの可能性があります。ナルコレプシーとは睡眠障害の一種で、日中の過度の眠気や、通常起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返し起こることを特徴とします。
原因はいまだに不明で、眠気以外に睡眠麻痺(いわゆる金縛り)や、情動脱力発作(感情の起伏に伴い筋力が低下する症状)などの特徴的な症状も出現することがあります。
ナルコレプシーを放置すると、衝動的な眠気によって転倒や転落、交通事故などを引き起こす可能性もあるため、やはり早期に医療機関を受診することが重要です。
甲状腺機能低下症
一日中眠い・だるい場合は、甲状腺機能低下症の可能性があります。甲状腺機能低下症は、その名の通り甲状腺の機能が低下し、甲状腺ホルモンの分泌が低下してしまう病気です。
甲状腺ホルモンは体内のさまざまな代謝を適切に調整する機能を持ち合わせていますが、分泌量が低下することで代謝が低下し、体温の低下や浮腫・倦怠感・体重増加や眠気などの症状をきたします。
甲状腺ホルモンを内服で補充すれば症状改善が見込めるため、上記のような症状を持つ方は内科へ受診することを勧めます。
もしかしたら起立性調節障害かも
一日中眠い・だるい場合、もしかしたら起立性調節障害かもしれません。
起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることでさまざまな症状をきたす疾患です。
起立時や起床時に強いめまい・嘔気・腹痛・ふらつき・倦怠感などが主な症状であり、夕方や夜になるにつれて症状が改善していくのが特徴です。
基本的には自然軽快する病気ですが、人によっては重症化し、1日を通して眠気や倦怠感に襲われる方もいるため注意が必要です。
特に、身体が急激に成長する小学生高学年や中学生の場合、起立性調節障害を発症する可能性が高く、症状がひどいと通学や通塾もままならず、進級や進学にも支障をきたすため、早期発見・早期治療が重要です。
下記の記事では、起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。







