強い眠気とともに、むかつきや吐き気などの気分不良がみられたり、日中の活動に集中できなかったりすることはありませんか?
眠くて気持ち悪い状態は、睡眠不足や生活リズムの乱れだけでなく、貧血や睡眠時無呼吸症候群、起立性調節障害などが関係している場合もあります。
この記事では、「眠くて気持ち悪い」ときの原因や考えられる病気、対処法について解説していきます。
◆もしかしたら起立性調節障害かも?
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「眠くて気持ち悪い」ときの原因

眠気と気分不良が同時に現れる背景には、睡眠時間の不足だけでなく、睡眠の質や体内時計のずれ、体調不良などが関係していることがあります。
睡眠には、心身を休養させ、記憶や感情、代謝、免疫機能などを整える役割があります。睡眠不足が続くと、強い眠気や集中力の低下だけでなく、頭痛、だるさ、むかつきなどの不調が現れることがあります。
必要な睡眠時間には個人差があります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保し、小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間を参考にすることが示されています。
ただし、時間だけでなく、朝起きたときに休養できたと感じられるか、日中に強い眠気がないかを確認することも大切です。
睡眠には下記の効果があると言われておりますが、これら以外にも多くの効果があります。

疲労回復
日中活動時は交感神経が優位に働き、睡眠中は副交感神経の作用により血管を拡張させ、脈や血圧を下げ、体を休めることで疲労回復につながります。
脳の休息と記憶の整理
睡眠中に今日の出来事などを整理し、記憶を定着させます。特に長期記憶に重要だと言われており、徹夜で勉強するよりもしっかりと睡眠をとることが記憶の定着に役立ちます。
成長ホルモンの分泌
時間帯にもよりますが、睡眠中は成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンには細胞の修復や代謝の調整、身体の成長などの働きがあります。

食欲のコントロールによる肥満の予防、改善
睡眠中は食欲を抑え、コントロールするホルモンであるレプチンが分泌されます。
したがって、睡眠が不足すると、食欲増進ホルモンのグレリンが増加し、食欲を抑制するホルモンのレプチンが低下することで過食、肥満、生活習慣病になりやすくなってしまいます。
免疫力の向上
十分な睡眠は免疫力アップが期待できます。睡眠時間が少ないと、ウイルスに感染しやすくなることも証明されています。
睡眠中に各種ホルモンバランスの調整、免疫の調整がなされるため、睡眠をしっかりとり風邪などのウイルスにかかりにくい体作りをしましょう。
心身の安定
十分な睡眠をとり、朝起きたときに休養できたと感じられることは、心身の健康を保つうえで大切です。睡眠不足が続くと、気分の落ち込みや不安感、イライラに加え、日中の眠気やだるさなどが現れやすくなります。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠による休養感を高めることが、心身の健康を保つために重要であると示されています。
私たちの体には、約24時間の周期で睡眠や覚醒、体温、ホルモン分泌などを調整する体内時計があります。睡眠と覚醒に伴って自律神経の働き方も変化するため、睡眠不足や不規則な生活が続くと、朝の起きづらさや日中の眠気、だるさなどにつながることがあります。
めまいや吐き気などを伴う場合は、睡眠不足だけでなく、貧血や低血圧、起立性調節障害などが関係している可能性もあります。
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「眠くて気持ち悪い」ときに考えられる病気とは
下記、「眠くて気持ち悪い」場合に考えられる病気についてそれぞれ解説していきます。
低血圧
血圧が低くても症状がない人は少なくありませんが、血圧を十分に保ちにくい場合には、ふらつきやめまい、頭痛、だるさ、吐き気などが現れることがあります。
特に立ち上がったときに症状が強くなり、横になると楽になる場合は、起立時の血圧や心拍数の調整が関係している可能性があります。
貧血
血液中で全身に酸素を運ぶ働きがあるヘモグロビンの濃度が低下した状態を、貧血といいます。
酸素を運ぶ働きが低下することで、めまいや立ちくらみ、疲れやすさ、だるさ、動悸、息切れなどの症状がみられることがあります。貧血の原因はさまざまであり、年齢や性別によっても異なります。
貧血のセルフチェックについては、下記の記事を参考にしてください。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が停止する(無呼吸)、もしくは呼吸が弱くなることで、睡眠の質が低下し、朝すっきりしない、体がだるく動かない、日中も強い眠気に襲われる病気です。
この状態を放置すると、高血圧や心臓・脳血管の病気などのリスクが高まる可能性があります。また、日中の強い眠気や注意力の低下により、交通事故や作業中の事故につながることもあるため、早めの相談が大切です。
うつ病などの心の不調
はっきりとした原因はわかっていませんが、精神的・身体的ストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起きることで発症するとされています。
気分が落ち込み、何事にも興味が持てなくなり、食欲低下や睡眠障害を来し、疲れやすく、日常生活に支障をきたす場合も多い病気です。朝体が動かないことの原因になることも十分に考えられます。
「眠くて気持ち悪い」場合の治療法
まずは、睡眠時間と生活リズムを振り返りましょう。成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保し、小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間を参考にします。
ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。朝の休養感や日中の眠気も確認しながら、自分に合った睡眠時間を確保することが大切です。
▼ 睡眠環境を整えるポイント
- 起床後はできるだけ朝の光を浴びる
- 就寝前や寝床でのスマートフォン使用を控える
- 夕方以降のカフェインや過度の飲酒を避ける
- 就寝直前の食事を避け、寝室の温度や明るさを整える
生活を整えても症状が続く場合は、下記のように原因に応じた対応が必要です。
低血圧の場合
水分不足は、ふらつきやだるさを悪化させることがあります。こまめに水分をとり、急に立ち上がらないようにしましょう。
塩分を増やす対応が適しているかどうかは、症状や持病によって異なります。高血圧、心臓病、腎臓病などがある方は自己判断で塩分を増やさず、医師の指示を優先してください。
貧血の場合
鉄欠乏性貧血では、赤身の肉や魚、レバー、貝類、大豆製品、緑黄色野菜などを取り入れます。植物性食品に含まれる鉄は、ビタミンCを含む食品と組み合わせると吸収されやすくなります。
ただし、食事だけでは十分に改善しないこともあり、医療機関で鉄剤による治療が必要になる場合があります。まずは血液検査で貧血の有無と原因を確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の場合
肥満が関係している場合は、無理のない減量が症状の軽減につながることがあります。検査結果や重症度に応じて、CPAP、マウスピース、手術などが検討されます。
うつ病などの心の不調の場合
治療は症状や生活状況に応じて、休養、環境調整、心理療法、薬物療法などを組み合わせて行います。自己判断で薬を開始・中止せず、医師と相談しながら進めることが大切です。
なお、繰り返し吐いて水分がとれない、意識がもうろうとする、突然の激しい頭痛や胸痛がある、手足のしびれや麻痺がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
もしかしたら起立性調節障害かも
朝の強い眠気や気持ち悪さに加えて、起き上がれない、立ちくらみ、めまい、頭痛、だるさ、動悸などがみられる場合は、起立性調節障害が関係している可能性があります。
起立性調節障害は、立ち上がったときの血圧や心拍数の調整がうまく働かず、さまざまな不調が現れる病気です。思春期に多くみられますが、大人でも起立時の血圧や心拍数の調整に関連した症状がみられることがあります。
症状は午前中に強く、午後になると軽くなる傾向があります。また、立った状態や座った状態で悪化し、横になると楽になることも特徴です。
ただし、眠気や吐き気は、睡眠不足、貧血、睡眠時無呼吸症候群、胃腸の病気などでも起こります。症状だけで起立性調節障害と判断することはできません。
十分な睡眠をとっても症状が改善しない場合や、学校・仕事などの日常生活に支障が出ている場合は、年齢にかかわらず医療機関へ相談しましょう。受診先に迷う場合は、まずは内科やかかりつけ医に相談し、子どもであれば小児科を受診することも選択肢になります。
気になる症状を整理しておきたい方は、下記の起立性調節障害のセルフチェックを参考にしてください。
【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)
日本消化器病学会ガイドライン
厚生労働省・健康づくりのための睡眠指針2014








