一日中眠いと感じることはありませんか。夜勤が続いている、徹夜で勉強しているなど、睡眠時間が不足している場合は、日中に眠くなったり、やる気が起きなくなったりすることがあります。
原因がはっきりしている場合は、勤務体制や勉強時間を調整し、必要な睡眠時間を確保することで改善する可能性があります。一方、十分寝ているつもりなのに一日中眠い場合は、何が原因なのか気になりますよね。
日中の眠気には、睡眠不足や生活リズムの乱れだけでなく、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害、服用している薬、うつ病をはじめとする精神疾患、貧血や甲状腺疾患などが関係していることもあります。また、ナルコレプシーや特発性過眠症などの中枢性過眠症が隠れている可能性もあります。
強い眠気があるときは、運転や高所での作業などを控えることが大切です。こちらの記事では、一日中眠い場合に考えられる病気のうち、うつ病や過眠症を中心に、セルフチェックや対処法について解説します。
一日中眠い状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
朝起きられない症状や立ちくらみ、倦怠感などを伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。

うつ病の特徴
うつ病の発症には、精神的・身体的ストレスなどを背景として、脳の働きに何らかの不調が生じることが関係していると考えられています。ただし、原因を一つに特定できない場合も少なくありません。
症状としては、気分の落ち込みや何事にも興味を持てない状態のほか、食欲の変化、疲れやすさ、頭痛、首や肩のこりなど、精神面と身体面の両方に不調が現れることがあります。
睡眠については、寝つけない、夜中や早朝に目が覚めるといった不眠がみられる場合もあれば、睡眠時間が長くなり、寝ても寝ても眠いと感じる場合もあります。ただし、眠気や過眠だけでうつ病と判断することはできません。
うつ病でみられる主な症状には、次のようなものがあります。
- 気分が落ち込み、以前楽しめていたことにも興味や喜びを感じられない
- 思考力や集中力が低下し、物事を決めることが難しくなる
- 疲れやすさ、食欲や睡眠の変化などが続く
- 自分には価値がないと感じたり、消えてしまいたいと考えたりする
これらの症状が2週間程度続き、日常生活に支障が出ている場合は、精神科や心療内科などへ相談しましょう。死にたい気持ちが強い、具体的な方法を考えているといった場合は、一人で抱え込まず、身近な人や医療機関、緊急窓口などへ速やかに助けを求めてください。
過眠症の特徴
過眠症とは、しっかり睡眠を取っているにも関わらず、日中など本来起きている時間帯に異常な眠気に襲われ、時には起きていられない程となり居眠りをしてしまうため、日常生活に支障を来してしまう状態です。
過眠症は、脳の障害が原因で生じる中枢性過眠症とその他睡眠障害が見られる疾患が原因で生じる二次性過眠症があり、原因はそれぞれ異なります。一般的には、遺伝的要因、睡眠障害、メンタルヘルスや生活習慣などが関与しているとされています。また、原因がはっきりわかっていないものもあります。
特徴的な症状としては以下のものがあります。
- 十分な夜間睡眠を取っているにもかかわらず、日中に強い眠気を感じる。
- 仕事中や学校、運転中など、集中を要する場面でも居眠りしてしまうことが多い。
- 一日の睡眠時間が通常より長くなり、10時間以上寝ても眠気が残る。
- 朝起きるのが非常に難しく、アラームを何度も無視してしまうことがある。
- 目覚めた後もしばらくぼんやりして、頭がはっきりしないことが多い。
- 注意散漫になりやすく、仕事や勉強のパフォーマンスが低下する。
- 学業や仕事、人間関係など、日常生活に大きな支障をきたす。
一日中眠い場合のセルフチェック
一日中眠い場合は、うつ病や過眠症だけでなく、睡眠不足やほかの病気、服用している薬などが関係している可能性もあります。
以下のセルフチェックは、自分の症状や生活への影響を整理するための目安です。当てはまる項目があっても、うつ病や過眠症と診断できるわけではありません。症状が続いている場合は、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
うつ病の場合
うつ病では、睡眠や食事などの生活習慣に変化が現れるほか、気分の落ち込みや興味の喪失によって、日常生活に支障が出ることがあります。
次のような状態が2週間程度続いている場合は、精神科や心療内科などへの相談を検討しましょう。
- 気分の落ち込みや、物事への興味・喜びの低下が続いている
- 寝つけない、途中で目が覚める、寝すぎるなど、睡眠に大きな変化がある
- 食欲や体重が増減し、疲れやすさや集中力の低下もみられる
- 自分には価値がないと感じる、消えてしまいたいと考えることがある
死にたい気持ちが強い場合や、自分を傷つける具体的な方法を考えている場合は、セルフチェックで様子を見ず、速やかに周囲の人や医療機関などへ助けを求めてください。
うつ病の人にみられる行動や、周囲が気づきやすい変化について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
過眠症の場合
過眠症の大きな特徴としては、会議や授業中など重要な場面で寝ずにはいられない程の眠気に襲われることです。以下の項目を基にセルフチェックを行ってみてください。
- 十分な夜間睡眠を取っていても、日中に強い眠気を感じる。
- 集中が必要な場面で眠り込んでしまうことがある。
- 夜間の睡眠時間が非常に長く、それでも疲れが取れない。
- 朝の目覚めに苦労し、二度寝や寝過ごすことが多い。
- 昼寝後も眠気が残り、気分がすっきりしない。
- 充分な睡眠を取っても、疲労感が続いている。
- 休日は普段より長く寝がちで、寝過ぎてしまうことがある。
- 頭がぼんやりしていて、注意力や集中力が続かない。
- 過剰な眠気が原因で、生活や人間関係に支障が出ている。
- 眠気が原因で、ストレスや不安感が増している。
過眠症が疑われる場合の受診や治療について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

一日中眠い場合の対処法
一日中眠いと感じる場合、うつ病や過眠症以外にも原因として考えられる要素はいくつかあります。睡眠時間の不足、睡眠の質の低下、身体的な問題やストレスなどが関わっているかもしれません。
眠気の原因に対し、それぞれ対処方法を確認しましょう。
睡眠時間の見直し・睡眠の質を向上させる
根本的に睡眠時間が不足している場合、一日中眠いということになってしまいます。その他、睡眠時間に不足が無くても、寝室の環境など睡眠の質が低下する場合も注意が必要です。
規則正しい生活リズム
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつけることが大切です。
寝る前のリラックス時間
就寝前は、心身を落ち着かせる時間を設けましょう。
スマートフォンやパソコンを長時間使用すると、画面の明るさや閲覧している内容による刺激に加え、就寝時刻が遅くなることで睡眠に影響する場合があります。
特に寝床に入ってからの長時間の使用を避け、画面を暗めに設定するなど、無理のない範囲で使い方を見直しましょう。
寝具の見直し
快適な寝具や寝室の環境を整えることで、深い眠りが得られやすくなります。
適度な運動
日中に軽い運動を取り入れることで、体内時計が整い、夜に自然と眠くなることがあります。
特に、散歩やヨガなどの軽い運動を継続的に行うことが効果的です。
日光を浴びる
朝起きたら日光を浴びることがとても重要です。朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、日中の眠気が軽減されることがあります。
また、日光を浴びることはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を調整するため、夜間の良眠を導いてくれます。
食事に注意
食事については下記に注意しましょう。
カフェインの摂取を調整
カフェインは眠気を抑える効果がありますが、過剰な摂取や夕方以降の摂取は逆効果になることがあります。
バランスの良い食事
食事を抜いたり、食事時間が大きく乱れたりすると、生活リズムや体調に影響する場合があります。特定の食品だけに偏らず、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を意識しましょう。
また、食後に強い眠気が出る場合は、一度に食べる量や飲酒なども見直してみましょう。
昼寝を活用
短時間(15〜30分程度)の昼寝を取り入れることで、午後の眠気を軽減することができます。
ただし、長時間の昼寝や夕方の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
ストレス管理
長期的なストレスは、自律神経の働きを乱し、睡眠の質や日中の眠気に影響を与えることがあります。
瞑想や深呼吸、趣味を楽しむ時間を作るなどして、ストレスを管理することが重要です。
医療機関を受診する
睡眠時間や生活習慣を見直しても一日中眠い状態が続く場合は、医療機関を受診しましょう。
大きないびきや無呼吸を指摘される、朝に頭痛がある場合は睡眠時無呼吸症候群、動悸や息切れ、顔色の悪さなどを伴う場合は貧血などが関係している可能性もあります。
また、服用している薬の副作用として眠気が現れることもあります。薬が原因だと思っても自己判断で中止・減量せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
どの診療科を受診すればよいかわからない場合は、まず内科やかかりつけ医へ相談できます。日中に寝ずにはいられないほどの眠気がある場合は、睡眠を専門とする医療機関への受診も検討しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
十分な睡眠時間を確保しても朝起きられず、午前中を中心に眠気や倦怠感が続く場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害とは、立ち上がったときの血圧や心拍数など、循環器系を調節する働きがうまく機能しないことで、さまざまな症状が現れる身体疾患です。
主な症状には、朝起きられない、午前中に調子が悪い、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛、動悸、吐き気などがあります。午前中に症状が強く、午後から少しずつ調子がよくなることがある点も特徴です。
起立性調節障害では、生活リズムの乱れや睡眠の問題を伴い、日中に眠気を感じることもあります。ただし、一日中眠いという症状だけで起立性調節障害とは判断できません。睡眠不足や中枢性過眠症、睡眠時無呼吸症候群、ほかの身体疾患などとの区別も必要です。
日中の眠気に加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感などが続いている場合は、セルフチェックを行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。








