なかなか眠れないことは、誰にでも時々あるものです。特に年齢を重ねると眠りが浅くなり、夜中に目を覚ますことが増える傾向があります。
中途覚醒とは、眠りについてから朝起きるまでの間に目が覚めることです。夜中に一度目が覚めても、すぐに眠り直せて日中の生活に支障がなければ、必ずしも病気とは限りません。
一方、夜中に何度も目が覚める、目が覚めたあとになかなか眠れない、日中に強い眠気や倦怠感がある場合は、睡眠に関する問題が生じている可能性があります。夜間の排尿を繰り返す場合も、原因を確認することが大切です。
中途覚醒は加齢に伴って増えやすい睡眠の問題ですが、生活習慣やストレス、病気などが関係し、若い方にみられる場合もあります。
この記事では、夜中に目が覚める原因や考えられる病気、対処法などについて解説します。
夜中に何度も目を覚まし、朝起きられない状態が続く場合、起立性調節障害が関係していることもあります。
立ちくらみや倦怠感、頭痛なども伴う場合は、起立性調節障害のセルフチェックも参考にしてください。
眠れない・夜中に目が覚めるのはなぜ?原因を解説
夜中に目が覚める背景には、ストレスや生活習慣、睡眠環境など、さまざまな要因が考えられます。
複数の要因が重なっている場合もあるため、まずは普段の生活を振り返ってみましょう。

ストレス
ストレスは、寝つきが悪くなったり、夜中に目を覚ましたりする原因の一つです。
職場や学校の人間関係、仕事や学業への不安などによって緊張した状態が続くと、寝床に入っても気持ちが落ち着かず、眠りが浅くなることがあります。
さらに、「また夜中に目が覚めるのではないか」「早く眠らなければならない」と考えることが、新たな不安や焦りにつながる場合もあります。
睡眠不足によって日中の活動に支障が生じると、さらにストレスが増え、眠りにくくなる悪循環に陥る可能性があるため注意が必要です。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れも、夜中に目を覚ます原因になります。
睡眠には体内時計や、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」が関係しています。メラトニンは通常、夜になると分泌が増えますが、夜間にスマートフォンやパソコンなどの強い光を浴びると、分泌が抑えられる場合があります。
また、就寝時刻や起床時刻が日によって大きく異なる生活を続けていると、睡眠と覚醒のリズムが乱れ、寝つきが悪くなったり、夜中に目を覚ましたりすることがあります。
朝はなるべく決まった時間に起きて光を浴び、日中は適度に活動し、夜更かしを避けることが大切です。
睡眠環境
実は盲点になっている部分かもしれませんが、睡眠環境もとても重要です。寝室が明る過ぎないか、室温、寝具なども睡眠に適しているか見直す必要があります。
例えば、寝室が寒い、寝具が薄く寒い場合は、交感神経が働いてしまうので、睡眠中リラックスできず眠りが浅く、睡眠中に目が覚めやすくなってしまいます。
眠れない・夜中に目が覚める時に考えられる病気とは?
夜中に目が覚める際に考えられる病気として考えられる病気を解説していきます。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に一時的に無呼吸になり、それにより目が覚めることがあります。その他の症状としては、熟眠感がなく、朝の目覚めが悪い、日中の眠気や集中力低下、体のだるさなどが出現し、将来的には高血圧、心不全などの心血管系への影響もある病気です。
パートナーや家族にいびきや睡眠中の無呼吸を指摘されたことがある場合は一度受診することをおすすめします。
うつ病
うつ病でも、中途覚醒などの睡眠の問題がみられることがあります。
うつ病は、精神的・身体的なストレスなどを背景に、脳の働きに何らかの不調が起こることで発症すると考えられています。
気分の落ち込み、これまで楽しめていたことに興味を持てない、不安、食欲の変化、疲れやすさ、頭痛など、心と身体の両方に症状が現れる場合があります。
睡眠の問題とうつ病には深い関係があり、うつ病によって眠れなくなることもあれば、不眠が続くことで心身の調子に影響することもあります。気分の落ち込みや意欲の低下が続いている場合は、医療機関への相談を検討しましょう。
うつ病の人にみられやすい行動や、周囲が気づくためのサインについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
むずむず脚症候群
むずむず脚症候群は、足に不快な感覚が生じ、足を動かしたいという強い欲求が現れる病気です。
虫が這うような感じ、むずむずする感じ、ほてり、痛みなど、感じ方には個人差があります。夕方から夜間や、座っているとき、横になっているときなどの安静時に症状が強くなり、足を動かすと一時的に軽くなることが特徴です。
症状によって寝つきが悪くなったり、夜中に目を覚ましたりすることがあります。原因を特定できない場合もありますが、鉄不足や妊娠、腎臓病、透析などが関係している場合もあります。
症状が続いて睡眠に影響している場合は、自己判断で鉄剤などを使用せず、医療機関に相談しましょう。

眠れない・夜中に目が覚める時の対処法
眠れない・夜中に目が覚める原因や考えられる病気についてみてきました。それらを踏まえて改善方法、対策をご紹介したいと思います。
ストレスへの対処を工夫する
ストレスを完全になくすことは難しいため、自分に合った方法で気持ちや身体を休めることが大切です。
就寝前は仕事や勉強から離れ、静かな音楽を聴く、ゆっくり呼吸するなど、リラックスできる時間をつくりましょう。日中に軽い筋力トレーニングやウォーキングなどで身体を動かすことも一つの方法です。
ただし、眠れない状態が続き、仕事や学校生活に影響している場合は、無理に自分だけで解決しようとせず、医療機関に相談しましょう。
生活習慣の見直し
朝食はちゃんと食べていますか。3食のうちでも1日の始まりに摂取する朝食は特に重要です。
食事は定時にバランスよく摂れているか、運動を取り入れているか、定時に就寝し睡眠環境は適切かを今一度見直してみましょう。
朝日を浴びる
朝起きたら、カーテンを開けて朝の光を浴びましょう。
朝の光には体内時計を整え、覚醒を促す働きがあります。朝に光を浴びて日中に活動することで、夜に自然な眠気が現れやすくなります。
ただし、光を浴びる時間や明るさは、睡眠リズムや体調によって適切な方法が異なります。睡眠リズムが大きくずれている場合や、起立性調節障害が疑われる場合は、医師に相談しながら取り入れましょう。
起立性調節障害に対する光療法の方法や注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。
もしかしたら起立性調節障害かも
夜中に目が覚めることに加えて、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、頭痛などが続いている場合は、起立性調節障害が関係している可能性もあります。
起立性調節障害は、起立したときの血圧や心拍数などを調節する働きがうまく機能せず、さまざまな症状が現れる身体疾患です。思春期の子どもに多くみられますが、大人まで症状が続く場合もあります。
起立性調節障害では、朝起きられない、午前中に体調が悪い、立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛などの症状がみられます。午後から夕方にかけて体調がよくなる場合もあり、生活時間が後ろにずれて、夜になっても眠れないことがあります。
ただし、夜中に目が覚めることだけで起立性調節障害とは判断できません。睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群、うつ病など、ほかの原因も考えられます。
眠れない状態に加えて朝の起床困難や立ちくらみなどが続いている場合は、セルフチェックを行い、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
起立性調節障害の治し方や、家庭で親ができることについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。









