- 子どもが夜なかなか眠れない様子で困っている
- 睡眠時間は確保できているはずなのに、日中にとても眠そう
子どものこのような症状にお悩みの親御さんも少なくないでしょう。
子どもにとって健康的な睡眠は心身の成長や発育に必要不可欠ですが、さまざまな要因によって容易に睡眠障害に陥ってしまいます。もし健康的な睡眠を確保できない状態が続くと、学業に支障が出たり、健康にも悪い影響が出ます。
また、場合によっては命の危険性を伴うような病気によって睡眠が障害されている可能性もあるため、早期に原因を発見し、その原因に対して適切な対処をしておくことが重要です。
そこで、この記事では子どもの睡眠障害のセルフチェック方法について詳しく解説します。リスクに合わせた適切な対処法なども紹介しているため、子どもの不眠に悩む親御さんはぜひご一読ください。
子どもの睡眠障害のセルフチェック方法
子どもの睡眠障害の原因はさまざまであり、多くの場合は生活習慣の乱れや、睡眠リズムの乱れが原因となります。一方で、病気によって睡眠のリズムを乱されてしまうこともあり、中にはうつ病や睡眠時無呼吸症候群などの重篤な病気の可能性もあります。
これらの疾患が原因の場合、放置すれば命の危険性もあるため、注意が必要です。また、専門的な治療を受けなければ改善しない睡眠障害もあるため、原因に関わらず早期発見・早期対応が必要となります。
そこで、ここでは子どもの睡眠障害のセルフチェック方法を紹介します。下記の10項目のうち、何個当てはまるかを確認しておきましょう。
- 睡眠時間にかかわらず、朝なかなか起きてこない
- しっかり夜寝ているはずなのに、日中に我慢できないほどの眠気に襲われる
- 寝ている時に大きないびきをかき、時折呼吸が止まる
- 発熱や下痢など認めていないが、食欲がない
- 普段の寝る時間に寝付けなくなり、徐々に夜寝る時間が遅くなる
- 夜間の異常行動や、入眠時に下肢のムズムズ感を訴える
- 睡眠中にベッドから起き上がって歩き回る、もしくは悪夢を見る
- 昼夜逆転してしまっている
- 疲れていて元気がない
- 身長や体重が周囲と比べて少なく、発育が遅れている
0〜2つ当てはまる場合
0〜2つ当てはまる場合は睡眠障害の程度は軽症であり、危険度で言うと青信号です。ただし、何らかの症状に当てはまっている場合は睡眠に異常が見られ、睡眠障害を伴っている可能性があるため、注意が必要です。
まずは子どもの睡眠状態をチェックし、夜寝付けないのか、夜間に途中で起きてしまうのか、朝起きられないのかを確認しましょう。また睡眠障害が出るような原因となる、生活習慣の乱れがないかをチェックしましょう。
スマホやPCをいじれる環境の場合、子どもでも夜更かしして睡眠リズムが乱れることもあります。また、子どもの寝室がうまく遮光できていない場合や、近所の音がうるさくてうまく睡眠を取れていない可能性もあります。
それらをチェックしてもあまり原因が見当たらない場合は、何らかの病気が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。症状が継続するようなら一度近隣の小児科を受診しましょう。
3〜6つ当てはまる場合
セルフチェックで3〜6つ当てはまった方は黄信号です。睡眠障害を招くような何らかの疾患に罹患している可能性があるため、注意が必要です。
特に、「しっかり夜寝ているはずなのに、日中に我慢できないほどの眠気に襲われる」「夜間の異常行動や、入眠時に下肢のムズムズ感を訴える」「睡眠中にベッドから起き上がって歩き回る、もしくは悪夢を見る」などの特徴的な症状を認める場合、注意しましょう。
当てはまる項目が少数であっても、ナルコレプシー・レストレスレッグス症候群・レム睡眠行動障害などの病気の可能性があります。これらの疾患を抱えている場合、専門の医療機関での治療が必要となるため、まずは医療機関を受診しましょう。
7〜10つ当てはまる場合
セルフチェックで7〜10つ当てはまった方は赤信号です。何らかの病気によって睡眠障害をきたしている可能性が非常に高いため、早急に医療機関に受診すべきです。
特に注意が必要な病気として、うつ病や睡眠時無呼吸症候群が挙げられます。どちらも放置すれば改善は見込めず、うつ病は放置して症状が悪化すれば自殺企図や希死念慮のリスクがあります。
また睡眠時無呼吸症候群によって睡眠中に持続的に低酸素に陥ると身体にストレスがかかり、長期的には高血圧・糖尿病・心筋梗塞などの循環器疾患・脳梗塞などの脳血管障害の発症リスクが増大することが知られているため、早期対策が肝要です。
ほかにも、ナルコレプシーなどの疾患による日中の睡魔が、転倒や転落リスクを増大させるため、やはり早期に改善させる必要があります。まずは医療機関に受診し、睡眠障害の原因を明らかにしましょう。
子どもが睡眠障害に当てはまる場合の対処法
現代の子どもの3〜4人に1人が睡眠に問題を抱えていると言われており、睡眠不足は学習能力や心身の発育にも悪影響を与えます。そのため、子どもの将来のためにも、早期発見・早期対策が肝要です。
どう対策すればいいのか不安な親御さんも多いと思いますが、子どもが睡眠障害に当てはまる場合、多くのケースでは生活習慣の乱れなどが原因であるため、子ども自身の努力や親御さんの協力で改善を目指せます。
ここでは、子どもが睡眠障害に当てはまる場合の対処法を3つ紹介します。
生活習慣の改善
子どもが睡眠障害に当てはまる場合、まず最優先で行うべきは生活習慣の改善です。先述したように、多くの場合は生活習慣の改善で睡眠障害は改善しうるためです。
睡眠にとって良くない生活習慣としては、寝る直前までのスマホやPC操作、不規則でバランスの悪い食事、朝起きた後に布団から出ないで太陽光を浴びない、運動不足などが挙げられます。
また、親御さんが家庭で夜型で過ごしたり、食事のバランスが悪いと一緒に生活す子どもにも影響するため、子どもだけでなくご両親の生活習慣もこれを機に見直してみると良いでしょう。
就寝環境の改善
子どもの生活習慣を改善しても睡眠障害が改善しない場合は、就寝環境を見直してみましょう。不適切な就寝環境は睡眠時間にかかわらず睡眠の質に与える影響が大きいためです。
不適切な寝具の使用・過剰な湿度や乾燥、温度・光や音、振動などの刺激・両親のいびきなど、子どもの睡眠にとって有害となる要因はたくさんあります。
これらの要因は比較的簡単に是正できるため、これを機に一度チェックしてみると良いでしょう。
医療機関の受診
生活習慣・就寝環境を見直しても症状が改善しない場合、何らかの病気が背景に隠れている可能性があるため、早急に医療機関を受診すべきです。
うつ病やナルコレプシー・レストレスレッグス症候群・レム睡眠行動障害などの疾患では場合によって薬物療法が、睡眠時無呼吸症候群では原因によって減量や外科的手術などが必要となるため、いずれにしても専門的な治療が必要となります。
治療が遅れれば症状が悪化し、治療するのも困難となるため、疑わしい場合は早期に医療機関を受診しましょう。
もしかしたら起立性調節障害かも
子どもが睡眠障害に陥った場合、もしかしたら起立性調節障害かもしれません。
起立性調節障害とは、特に小学生高学年〜中学生において発症しやすい身体疾患で、急激な身体の発達に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経が乱れてしまう病気です。
自律神経が乱れることでさまざまな症状が出現し、特に午前中や起床時にめまい・体動困難・ふらつき・腹痛・嘔気嘔吐などが出現します。また自律神経は睡眠にも大きく寄与しており、また午前中に症状が強いことも影響して、起立性調節障害では朝起きられなくなります。
逆に夜には症状が改善傾向になるため、心身が元気になって逆に眠れなくなります。その結果、睡眠リズムが崩れてしまい、通学に学業に支障が出てしまう病気です。
基本的には自然軽快しますが、約1%の子どもでは重症化することが知られているため、早期発見・早期対応が肝要です。
下記の記事では、子供における起立性調節障害を簡単にセルフチェックする方法が詳しく紹介されているため、まずは下記記事を参考にセルフチェックして見ましょう。