起立性調節障害とは

「学校に行くと体調が悪くなる」ときの原因や対策・治療法を解説

この記事の監修者

医師 錦惠那

医師 錦 惠那

内科一般・腎臓内科・透析科・産業医
保有資格:日本内科学会内科専門医・日本医師会認定産業医

 

学校に行くと体調が悪くなる

その症状、もしかしたら起立性調節障害かも?

こちらの記事では起立性調節障害の対策(治療法)を解説

「学校に行くと体調が悪くなる」ときの原因や対策・治療法を解説

高熱があり風邪を引いているわけではないが、具合が悪く学校に行けないことや、学校に行くと体調が悪くなることはありませんか?

本記事では、「登校や学校」に関連した体の不調について解説していきます。

「学校に行くと体調が悪くなる」ときの原因

起床後からなんだか具合が悪く学校に行けなかったり、学校に行くと急に体調が悪くなったり、と人により症状は様々だと思います。典型的には以下のケースがあり、それぞれ疑われる病気があります。

早朝起床後よりめまいやふらつき、全身倦怠感などがある場合は睡眠障害や貧血、自律神経に問題がある可能性があります。

早朝起床後や登校中の電車などで激しい腹痛や下痢が見られる場合は過敏性腸症候群の可能性があります。

早朝起床後より次第に体調不良が増悪していく場合、学校に対するストレス反応の可能性があります。

不安障害や適応障害などメンタルヘルスに異常を来していることが考えられ、学校での人間関係や学習面などに問題がないか確認しておきたい状況です。

血圧や血糖値が低い状態でも脳への血流が低下しやすく、体のエネルギーが不足しやすくなるため、体調がすぐれないことがあります。

「学校に行くと体調が悪くなる」ときに考えられる病気

学校に行くと体調が悪くなるときに考えられる病気についてそれぞれ解説していきます。

<低血圧>

血圧が低いことで、全身の血のめぐりが悪くなり、脳への血流が低下することでふらつきやめまい、頭痛や体のだるさなどが見られます。

生まれつき血圧が低い、睡眠不足、筋肉量の不足などが原因として考えられます。

<低血糖>

体の(特に脳の)エネルギー源となるブドウ糖が低下することで、冷や汗、ふらつき、体のだるさなどが見られます。忙しい現代人は朝食をしっかり食べる習慣に乏しく、大きな原因の一つと考えられています。

もともと糖尿病がある方の場合、血糖を下げるためのお薬(経口血糖降下薬)やインスリンが効きすぎていることも考えられます。

<貧血>

血液中で全身に酸素を運搬する働きがあるヘモグロビンの濃度が低下することで、全身で酸素が不足している状態。貧血の原因は様々であり、年齢や性別によっても異なります。

女性の場合は月経、30-40代の働き盛りの世代では胃潰瘍や十二指腸潰瘍、加齢に伴い悪性腫瘍や血液疾患の可能性も考えられます。

月経の場合は、過多月経や血の塊が多くみられ、胃潰瘍の場合は、食事中のみぞおち辺りの痛み、胃もたれ、むかつき、十二指腸潰瘍の場合は空腹時の痛み、その他にも体重減少や皮下出血などが見られる場合は注意が必要です。

<甲状腺機能低下症>
甲状腺ホルモンは甲状腺で産生・分泌されるホルモンで、全身の代謝を活発にするホルモンです。甲状腺機能低下症では、この甲状腺ホルモンが低下することで、つかれやすさや食欲の低下、便秘、気分が落ち込むなど多様な症状が見られます。

<過敏性腸症候群>
腸に特別な炎症や腫瘍などの問題がないにも関わらず、腹痛や下痢・便秘などの便通異常が続く病気です。

若い世代を中心に好発し、学生の不登校につながってしまうこともあると言われています。体の病気だけではなく、この病気はストレスとの関連も非常に強いため、ストレスによりお腹の症状も変動しやすいことが特徴です。

直近3か月間に週1回以上腹痛が見られることや、排便により腹痛が改善すること、下痢や便秘が繰り返されることが特徴として挙げられます。

<睡眠障害>
睡眠時間、睡眠の質によっても体調は左右されます。少ない睡眠時間が続くことで疲労が蓄積し種々の体の不調や集中力の低下につながります。肥満や顎が小さい場合に夜間の無呼吸があるかもしれません。

ご家族からみて、夜間の無呼吸やいびき、日中の強い倦怠感や眠気がある場合は睡眠時無呼吸症候群を考え治療を行う必要があります。

<ストレス反応>
学校での人間関係や学習に問題があるなど、学校で嫌なことがある場合にストレス反応が頭痛や発熱、めまい、腹痛などの身体症状として見られることがあります。なかには不安障害や適応障害などの精神的な病気に発展してしまうこともあります。

「学校に行くと体調が悪くなる」の治療法

上記でご紹介した病気の治療方法について解説していきます。

<低血圧>

体内の塩分と水分は血圧の維持に密接に関連しており、適量の塩分と水分の摂取を心がけましょう。特に持病がない場合の塩分摂取量の目安は、1日あたり成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。

<低血糖>

忙しい朝でも、朝食は欠かさず摂取することが重要です。間食や甘いものを控え、バランスのとれた3食をしっかり摂取しましょう。

また、糖尿病がある方は、経口血糖降下薬やインスリンの減量が必要かもしれませんので、主治医に相談しましょう。

<貧血>
貧血の原因を突き止めることが重要です。女性で月経過多がある場合は、子宮筋腫などの病気が隠れている可能性もあるため、婦人科を受診することをおすすめします。

みぞおち辺りの痛みや、胃のむかつきなどがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が疑われる場合は、胃カメラにより診断することができます。

原因を突き止めた上で、病気が見つかった場合は、治療を行い、そのうえで、鉄分が多く含まれた食材の摂取を心がけましょう。鉄分が多く含まれている食材としては、レバーやひじき、のり、バジル、プルーンなどがあります。

<甲状腺機能低下症>

甲状腺ホルモンが低下した状態ですので、不足した甲状腺ホルモンを補充する内服薬があります。

<過敏性腸症候群>

体だけではなく、ストレスとの関連も深いため、腸とこころ両方の治療が必要です。

腸の状態により便秘型、下痢型、混合型があり、型により治療も異なりますが、基本的には消化管運動調整薬や整腸剤などを使うことが多いです。こころの治療では、抗不安薬や抗うつ薬を使用することが多いです。

<睡眠障害>

生活習慣を整え睡眠を十分にとることが基本です。場合によっては、睡眠薬を服用することもあります。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、検査結果によりCPAPという呼吸器を使用することがあります。

<ストレス反応>

生活習慣を整え、ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。場合によっては心療内科を受診し、お薬を使用することも選択肢になります。

もしかしたら起立性調節障害かも

起立性調節障害は自律神経系である交感神経と副交感神経のバランスが崩れることでめまいや立ちくらみ、倦怠感、頭痛、腹痛など実に様々な症状が見られる病気です。

自律神経とストレスの関連性は高く、ストレスにより症状が悪化しやすいです。

一日のうち、時間帯により自律神経のバランスは異なり、一般的に起床時は交感神経が活性化し、午後にかけ副交感神経が活性化し、睡眠時には副交感神経が優位な状態です。

しかし、起立性調節障害の子どもは起床時に活性化するはずの交感神経の活性化が遅れるため、起床時が最大の難関と言われております。

また、午前中は体調がすぐれないことが多いです。この病気ホルモンバランスの変動が多く、また体も大きくなっていく中学生前後の思春期頃に好発するため、学校で気分が悪くなったり、体調不良のためそもそも学校に行けないことも多いです。

午前中は調子が悪い、学校に行けない、学校に行っても体調がすぐれない場合は起立性調節障害の可能性があります。

下記記事ではご自身が起立性調節障害の可能性があるのかをセルフチェックすることができます。是非参考にしてみてください。

 

 

◆起立性調節障害に関する他の記事はこちら

 

【参考】
田中大介 監修『起立性調節障害(OD)朝起きられない子どもの病気がわかる本』 講談社
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

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