起立性調節障害は自律神経の働きのバランスが乱れることにより様々な身体症状が現れる病気です。
自律神経のバランスは体内時計とも関連しており、光で体内時計を整える「光療法」は起立性調節障害の症状改善に有効である可能性があります。
しかし、「光が眩しくて浴びられない」という方はどうすれば良いのでしょうか。こちらの記事では、その場合の対処法について解説します。
光が眩しい原因
光が眩しくて浴びられないというのは、「自律神経失調症」が原因かもしれません。
自律神経失調症とは、自律神経である交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れてめまいや立ちくらみ、頭痛や腹痛など様々な症状が起こる疾患です。
自律神経の主な役割は、循環器(心臓や血管)を制御することです。そのため、自律神経失調症があると血圧や血流が変化します。
特に、早朝や体位変換時に脳への血流が低下しやすい傾向にあり、この脳への血流低下が原因で朝起き上がれない、めまいや立ちくらみなどの症状が出やすくなります。脳以外の臓器へも血流が変化することで様々な症状が出現します。
では、なぜ血流が低下すると「光が眩しい」という症状が出るのでしょうか?
私たちはカメラのレンズに相当する眼の虹彩という部分を動かすことで眼に入る光の量を調整しています。瞳孔散大筋と瞳孔括約筋という筋肉が虹彩を調節しています。
自律神経失調症を患っていると、これらの筋肉への血流が低下し筋肉が正常に収縮出来なくなります。そのため、目に入ってくる光量が増えても瞳孔を狭めることができず、光が眩しく感じるという症状が起こります。
言い換えると、「光が眩しい」という症状は瞳孔括約筋への血流の低下によって引き起こされています。
これはストレスが多いことが原因で、副腎ホルモンが過剰に使われ、ホルモンの貯蔵がなくなって瞳孔調整がうまくいかなくなることが多いからです。
また、カリウムとナトリウムのバランスが崩れていることもあります。
光が眩しい場合の対処法
高血圧でない方は、「塩分」を多めに取ってみてください。一定の効果があると思いますが、塩分を取りすぎはよくありませんので一週間程度にしてください。
さらに、砂糖類を多く取るとこの症状が悪化することがありますので、甘いものを控えることも自律神経失調症の治療の一環となります。
したがって、間食を控え、バランスのよい食事を摂取し、水分と塩分を少し多めにとることが症状改善につながります。
睡眠などの生活習慣も規則正しく過ごす必要があります。夜更かしせず、十分な睡眠をとり、起床後は窓を開け部屋に光を入れ体内リズムを整えることも重要です。
ストレスは自律神経のバランスを乱すことが言われているので、なるべくストレスをうまくコントロールすることも必要です。
起立性調節障害への介入を適切に行うことで光へのまぶしさも少しずつ改善していきます。