起立性調節障害とは

高校生の不安障害セルフチェックシート!何科を受診すべきか医師が解説

 

この記事の監修者

医師(匿名)

医師歴:10年
勤務病院:某3次救急病院

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

  • 高校生の子供が他人と話すとき、過度に緊張していて様子がおかしい
  • 元々あがり症だけど、学園祭の発表など緊張する日は登校できなくなる

このような症状を抱える高校生は、不安障害の可能性があります。

高校生は心身ともに大きく成長する時期であり、その一方で精神的に不安定になりやすい時期でもあります。不安障害とは、さまざまなことに過度に不安を抱き、心身にさまざまな症状を出現することで日常生活に支障をきたす病気です。

一言に不安障害といっても、突然の動悸や発汗などの身体症状をきたすパニック障害・人との会話や人の多い場所に強く不安を感じる社会不安障害・何度も同じことをしないと不安感が解消されない強迫性障害・漠然とした将来への不安が過度に続く全般性不安障害など、さまざまなタイプがあります。

どのタイプであっても、他者とのコミュニケーションや日常生活にさまざまな支障をきたすため、早期発見・早期治療を行うことが重要です。

そこでこの記事では、高校生の不安障害のセルフチェック法や、疑わしい場合の対応について詳しく解説します。不安障害か気になる方はぜひ一度チェックしましょう。

高校生の不安障害セルフチェックシート

まずは下記の項目に何個当てはまるか、チェックしましょう。

  1. 特に理由のない漠然とした将来への不安に悩んでいる
  2. 公共の場や人前での食事に不安を覚える
  3. 人前に立ったり、人前で電話をするのが苦手
  4. 不安が強く、夜眠れない
  5. 疲労感が強い
  6. 最近、集中力・記憶力が低下している
  7. 落ち着きがない
  8. 自分のことを噂されていると過度に心配してしまう
  9. 鍵の閉め忘れや手の汚染などが気になって、その思考から抜け出せない
  10. 急に発汗や動悸が出て、身動きがとれなくなることがある(パニック発作)
  11. パニック発作が出るか気になって、人前に出るのが怖い
  12. 1〜11のような症状が1回ではなく、半年以上継続して出ている

3つまで当てはまる方は青信号

当てはまる項目が3つ以下の方は、不安障害というよりもただのあがり症や緊張しやすいパーソナリティー、もしくはそのほかの病気(感冒など)の可能性が高く、青信号です。

人前で話したり、見ず知らずの人と一緒に行動することは、誰にとっても不安や緊張を伴うものであり、あがり症の場合はその感じ方が普通の人よりも大きいですが、不安障害と言えるほどの症状ではありません。

ただし、ストレスを感じやすいため、放置すれば不安障害やその他の精神疾患に進行する可能性もあるため、何か症状が強まったり、セルフチェックの項目が増えてしまった場合は早期に医療機関を受診すると良いでしょう。

また、当てはまる数が3つ以下でも、9.10.11に当てはまっている方は、それだけでパニック障害や強迫性障害を強く疑える症状であるため、気になる方はやはり医療機関の受診を検討しましょう。

4つ以上7つまで当てはまる方は黄信号

当てはまる項目が4つ以上7つまでの方は、不安障害の可能性が否定できず、黄信号です。この段階では、自分の不安感を自覚したり、不安の原因となる対象を避けるような行動パターンを自覚できることが多いです。

不安障害の場合、人との食事や目上の人との会話、学校のトイレや着替え、発表会など、さまざまなシーンで不安を感じるため、これらを避けたり、それによって日常生活にも支障が出始めている場合は要注意です。

この段階で早期に治療介入できれば、症状が重症化する前に未然に対処できる可能性が高いため、まずは医療機関を受診しましょう。また、不安障害と思いきや、うつ病や双極性障害などの他の精神疾患の可能性もあるため、やはり正確な診断をつけるためにも医療機関への受診を勧めます。

8つ以上当てはまる方は赤信号

当てはまる項目が8つ以上の方は、不安障害の可能性が大変高く、赤信号です。今は学校に行けていても、症状が進行すれば遅刻や早退が増え、最悪の場合は引きこもりや不登校になってしまう可能性があります。

不安障害は努力や根性でどうにかなる病態ではなく、医療機関での治療が必要となる精神疾患であることを理解しましょう。また、医療機関での治療はその症状の程度に合わせて、環境調整、認知行動療法、家族療法、力動的精神療法、薬物療法を含めたハイブリッドな治療が必要となります。

できるたけ早期に発見し、適切な治療介入を行えば、重症化を未然に防ぐことができるため、赤信号の方は必ず親御さんに相談し、医療機関を受診するようにしましょう。

高校生の不安障害は何科を受診すべき?

結論から言えば、高校生の不安障害は近隣の心療内科、もしくは精神科を受診すべきです。厳密なルールはありませんが、通常小児科は中学3年生までの子供を対象としている医院が多く、高校生が新たに受診するには小児科は不適切です。

また激しい不安や苦悩、何かへの恐怖心などは主に精神疾患である可能性が高く、一般の内科よりも心療内科や精神科の方がより適切でしょう。

また不安障害と類似した症状をきたす疾患として、うつ病や双極性障害・統合失調症の可能性もあり、これらの疾患は治療法もそれぞれ異なるため、やはり精神疾患を専門とする診療科での適切な診断と治療が最もおすすめです。

高校生で精神科を受診することに、精神的に抵抗感のある方もいるかと思いますが、うつ病や統合失調症であった場合は、治療時期がその後の予後にも大きく影響するため、気になる方は早期に受診すると良いでしょう。

もしかしたら起立性調節障害かも

不安障害で遅刻や早退が増えたり、不登校や引きこもりになっていると思ったら、もしかしたら起立性調節障害の可能性もあります。

起立性調節障害とは、身体の急激な成長に対して自律神経の成長が追いつかず、自律神経のバランスが乱れることで動悸や発汗など、さまざまな症状をきたす疾患です。

起立性調節障害は精神的ストレスで自律神経の乱れがさらに悪化し、症状が増悪する可能性があり、不安障害と同様にストレスによって動悸や不眠・発汗などの症状が出現する可能性のある病気です。一方で、不安障害は精神疾患ですが、起立性調節障害は自律神経の乱れが病態であるため、あくまで身体疾患の1つです。

また、起立性調節障害は本来朝に活性化すべき交感神経が活性化しないことで、脳血流が低下してめまいやふらつきが出やすく、午後になると遅れて交感神経が活性化するため症状が改善します。つまり、症状に日内変動がある点が特徴です。

一方で、不安障害の症状に日内変動は認めず、起立性調節障害とは経過や治療方法も異なるため、正確な診断のためにもまずは医療機関を受診しましょう。

高校生で起立性調節障害を発症した場合、症状が悪化して不登校などになれば、進級や進学にも支障をきたし、将来の進路にも大きく影響するため、早期に発見してしっかりと適切な治療を受けることが重要です。

本記事で不安障害をセルフチェックするとともに、下記の記事では、子どもにおける起立性調節障害のセルフチェック方法を詳しく紹介しているため、気になる方はぜひ一度チェックしてみましょう。

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