起立性調節障害とは

自律神経失調症が漢方で治った方の事例|子どもから大人まで6事例紹介

2023年7月16日

この記事の監修者

匿名(医師)

内科・小児科

一般社団法人 起立性調節障害改善協会

 

本記事では自律神経失調症に対する漢方の効果について、実際の体験談を踏まえて分かりやすく解説していきます。

本記事を読むことで、自律神経失調症の治し方を理解し、適切な対処法を知っていただければ幸いです。

関連記事:自律神経失調症の方におすすめのサポートグッズ

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

自律神経失調症が漢方で治った事例を6つ紹介

結論から言えば、自律神経失調症の原因となる自律神経の乱れを正常化させるような漢方は存在しません。一方で、漢方にはさまざまな効果効能が期待でき、心と身体の不安や緊張を和らげるようなものもあります。

そのため、医師によっては処方する漢方も異なり、決まった特定の薬があるわけではありません。逆に言えば、患者側からするとさまざまな薬を試すことができ、自分の身体や心に合った漢方を探すこともできます。

自律神経失調症に良く処方される薬としては、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)などが挙げられます。

ここでは、実際に自律神経失調症に対して漢方を処方され、症状が治った事例を複数紹介します。自律神経失調症にお悩みの方にとって、それぞれの体験談が参考となれば幸いです。

自律神経失調症は何科?症状別に解説-早期治療で症状悪化を防ぎましょう

R.Kさん(中学3年:女性)の場合

中学3年生の女性であるR.Kさんは、もともととても真面目な性格で、受験を控えて日々勉強に励んでいる時期でした。つい勉強に熱が入ってしまい夜遅くまで勉強を続けてしまう日も少なくないような状況でした。

夜更かしによって逆に朝早く起きるのが苦手で睡眠リズムが徐々に崩れていたそうです。徐々に夜間の入眠が困難となり、せっかく起きているにも関わらず勉強に集中できない日々が続いていたそうです。

近隣のクリニックで睡眠導入剤を処方してもらおうと考え受診したところ、自律神経の乱れを指摘されて柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)と呼ばれる漢方を処方されました。

この漢方は比較的小児に処方されることも多い漢方であり、神経が過敏で不眠症状の強い方に処方されます。R.Kさんは漢方の内服開始から約2週間でかなり効果を認め、夜にぐっすり安眠できるようになりました。

その分、朝早く起きることができ、睡眠周期が改善したことで日中の集中力も向上したと感じていました。受験期を乗り越えた後は症状も落ち着き、漢方の内服も終了となりました。

S.Kさん(中学3年:男性)の場合

中学3年生の男児であるS.Kさんは、もともと出不精で自分の部屋に引きこもりがちでした。運動習慣もなく、母親の作る食事よりもインスタント食品を好んで食べていたそうです。睡眠時間も不規則な生活を送っていました。

ある時から倦怠感を自覚し、体重が増えたわけでもないのに、身体を重く感じるようになりました。また精神的に不安定になり、イライラして両親にも反抗的な態度を見せる機会が増えたそうです。

不安に感じた両親によって医療機関を受診することとなり、自律神経失調症の診断を受けて、生活習慣の改善と黄連解毒湯(おうれんげどくとう)の処方がなされました。黄連解毒湯は過敏な状態となった神経を鎮静する作用が期待され、不眠症状にも有効です。

内服から2週間が経過した頃から徐々に身体も軽くなり、睡眠のリズムも少しずつ元に戻ったそうです。医師から言われてジャンクフードは控え、母親の料理を食べるようにもなりました。

もともとの出不精な性格までは変わることなく、運動習慣は身につきませんでしたが、自律神経失調に伴う身体症状は緩和したため、一定の効果は認められた1例です。

T.Iさん(高校1年:男性)の場合

高校1年生の男性であるT.Iさんは、もともと気弱な性格で、緊張するとお腹が痛くなるような子供だったそうです。受験を経て新たに高校に進学しましたが環境に馴染めず、5月頃にはさまざまな体の不調が出現し始めました。

そのストレスからか、通学中に突然腹痛に襲われ、下痢や便秘を繰り返すようになっていたそうです。時には、腹痛が強くて学校を休んでしまう日もあったそうです。

近隣の医療機関でブスコパンと呼ばれる腸の運動を抑える薬を処方され、腹痛時に内服すると症状の改善を認めましたが、便秘に悩む機会も増えたため、漢方での治療に切り替えることとなりました。

お腹の調子を整える薬として、Y.Tさんと同様に半夏厚朴湯が処方され、内服から1週間した頃にはお腹の調子が改善したそうです。特に、水ではなく白湯で薬を飲むとお腹も温まり、より効果を実感できたそうです。

徐々に高校生活にも慣れ、夏頃にはお腹の不調を感じにくくなったため治療は終了となりました。半夏厚朴湯が比較的著効した1例でした。

 

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

Y.Yさん(会社員:20代女性)の場合

20代女性の会社員Y.Tさんは転職をきっかけに引越して、新居で生活をスタートさせました。しかし、近隣の方と関係性が悪化し、しばしば揉め事が起こるようになっていました。

引越しをきっかけにストレスが溜まり、強めの頭痛や吐き気を自覚するようになったそうです。仕事にも支障をきたすようになり、時には嘔気が強くて会社に出勤できなくなる日もありました。

そこで、医療機関を受診したところ精神安定剤と半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)が処方されました。半夏厚朴湯は胃や食道部のムカつき・嘔気・めまいなどの症状を緩和させる効果が期待されます。

Y.Tさんの場合、処方から3週間ほどで嘔気が軽減しましたが、隣人を見かけたり出くわすと症状が出現しやすい状態は変わりませんでした。漢方の内服を継続しても変わらなかったため、2ヶ月で引っ越す羽目になりました。

引越し後は症状を認めることなく、精神安定剤や漢方の内服を中止しても再燃することもなかったそうです。

A.Mさん(会社員:30代男性)の場合

会社員として勤務する30代男性のA.Mさんは、以前から自分に自信を持てない性格で、周囲とも積極的にコミュニケーションをとれないことで、職場でも浮いている存在でした。

上司から叱責される日々が続き、気づけば原因不明の動悸やめまいが理由なく生じるようになったそうです。症状は徐々に悪化し、改善しないため、近隣の医療機関を受診したところ、ストレスを溜め込まないようにすることと、漢方の処方が行われました。

処方された漢方は柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)という漢方で、比較的虚弱体質の方に対して心と身体を整えるために処方される薬です。特に、不安感が強く動悸症状のある方に処方されることが多いです。

通院から2週間が経過した頃から、徐々に動悸やめまいが減少し、身体にが軽くなったような感覚を得られたそうです。その後2ヶ月経過した頃、以前よりは気分的にもリラックスできるようになり、仕事のミスも減理、叱責される機会も減少しました。

漢方だけの効果ではないかもしれませんが、受診をきっかけに快方へ向かった一例でした。

関連記事:自律神経失調症には乳酸菌が重要!効率良く乳酸菌を摂取する方法を解説

K.Mさん(会社員:50代女性)の場合

50歳のK.Mさんは、もともと社交的な性格で、会社でも周囲と円滑にコミュニケーションが取れる女性でした。しかし、50歳を超えてからは徐々に精神的に不安定になる機会が増え、以前までならイライラしないことにもイライラしてしまうようになりました。

会社が多忙で病院に行けず放置していたら、原因不明の動悸や体の火照りを自覚するようになり、体が疲れやすくなったそうです。医療機関を受診したところ、女性ホルモンの乱れによる自律神経失調症の診断を受けました。

そこで、加味逍遥散(かみしょうようさん)を処方されました。加味逍遥散は女性に処方されることの多い漢方で、不安や緊張などの精神的負担や肩こり・倦怠感などの症状を改善する効果が期待されます。

K.Mさんの場合、漢方内服後に症状の悪化こそ見られませんでしたが、大きく改善することはありませんでした。その後、更年期障害に対するホルモン剤の治療へと移行し、改善を得ることができました。

漢方は直接的に自律神経のバランスに影響する薬ではないため、効果にも個人差があることを再認識させられる1例でした。

自律神経失調症とは?治し方や原因、症状、セルフチェックについて解説

 

関連記事:自律神経失調症の方におすすめのサポートグッズ

【医師の見解】自律神経失調症は漢方で治る?

結論から言えば、漢方で自律神経失調症が治るかどうかは個人差があります。冒頭でも述べたように、自律神経失調症に対する特定の漢方は存在せず、患者の症状や状態によってベストな漢方も変わってきます。

一方で、実際に漢方内服をきっかけに症状が改善する方もいます。今回紹介した事例のように、改善のきっかけになることもあるため、治療の1つの選択肢として考えておくことが重要です。

特に不安やイライラなどの精神症状が強い方は、桂枝加竜骨牡蛎湯や柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、加味帰脾湯などの漢方がおすすめです。

また、自律神経失調症ではお腹の痛みや排便障害が出現することもあり、その場合は半夏厚朴湯がおすすめです。

最後に、女性ホルモンに関連した自律神経失調症の場合は当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散などの漢方がおすすめです。

関連記事:自律神経失調症には乳酸菌が重要!効率良く乳酸菌を摂取する方法を解説

【医師解説】自律神経失調症と起立性調節障害の違いとは

もしかしたら起立性調節障害の可能性もある

自律神経失調症にお悩みの方で、小学生や中学生の子供は特に起立性調節障害の可能性もあります。起立性調節障害とは、自律神経失調症と同様に自律神経が乱れることでさまざまな症状をきたす疾患です。

起立性調節障害の場合、急速に肉体が成長するのに対して自律神経の成長が追いつかず、特に起立時に脳血流が低下する点が自律神経失調症との違いです。

起立性調節障害は特に午前中に症状が強く、交感神経が活性化する午後や夕方には症状が改善するという特徴もあります。早期発見し、早期に治療を始めることが重要なため、ご不安な方は医療機関を受診しましょう。

また、起立性調節障害はご自宅でセルフチェックも可能です。起立性調節障害のセルフチェックについては下記記事で詳しく解説されているため、ぜひ参考にして早期発見に務めましょう。

起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

 

大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

 

自律神経失調症が治ったきっかけ|子どもから大人まで5事例紹介

 

自律神経失調症で食べてはいけないものは?|症状改善に効果的な食べ物を紹介

 

自律神経失調症サポートグッズ

 

【参考】
日本小児心身医学会 起立性調節障害(OD)

起立性調節障害(OD)改善ガイドブック

トトノエライトプレーン

関連記事:起立性調節障害とは

・起立性調節障害の子供に親ができること・治療法・治った方の事例

・起立性調節障害の方の体験談

・起立性調節障害が治った人の声

・起立性調節障害における「光療法」効果や仕組みを解説

・起立性調節障害の原因は?発症期間や発症しやすい人の特徴

・起立性調節障害の症状を小中高生別に解説|重症・中等症・軽症の事例

・起立性調節障害患者の血圧数値はどれくらい?測定方法なども紹介

・起立性調節障害 6つの種類とその特徴【医師解説】

・起立性調節障害 重症での入院基準は?入院中の治療や期間を紹介

・起立性調節障害の子供はどうして遊びには行けるの?

・起立性調節障害はいつまで続くの?治療期間とは

・起立性調節障害は治る病気?それとも治らない?

・起立性調節障害に効果的な薬はある?その種類や薬物療法について解説

・起立性調節障害が「難病指定」されない理由|今後指定される可能性について解説

・季節や気圧によって起立性調節障害の症状が悪化|対応方法や原因を解説

・小学生でも起立性調節障害になる?原因や主な症状とは

・中学生の起立性調節障害。原因・症状・生活への影響・うつ病との違いとは

・高校生の起立性調節障害。原因・症状・うつ病との違いとは

・起立性調節障害のセルフチェックリスト(子ども)|すぐにできる診断テスト

・大人の起立性調節障害セルフチェック項目|診断テスト

・大人の起立性調節障害について

・全記事の一覧

関連記事:子どもへの対応

起立性調節障害に対応している病院紹介
本コンテンツは一般社団法人 起立性調節障害改善協会が独自に制作しています。メーカー等から商品・サービスの無償提供を受けることや広告を出稿いただくこともありますが、メーカー等はコンテンツの内容やランキングの決定に一切関与していません。当協会では編集ポリシーに則って製品・サービスを紹介しており、企業等の意見を代弁するものではありません。当記事では正確な情報提供に努めておりますが、内容の正確性を保証するものではありません。サイト内に表示している広告については、広告掲載ポリシーをご覧ください。当記事で記載している価格は全て税込み表記です。記事内容についてのご意見・誤字脱字のご指摘はお問い合わせフォームからお寄せください。

-起立性調節障害とは
-